大学関係者が注目 高校生の「知のオリンピック」国際科学五輪とは?

大学関係者が注目 高校生の「知のオリンピック」国際科学五輪とは?「知のオリンピック」と呼ばれる大会があるのをご存じだろうか。「国際科学オリンピック」と総称される科学の国際大会で、主に高校生を対象としており、日本では7分野の国際大会に高校生たちを送り出している。推薦入試やAO入試の対象としても注目を集めつつある科学五輪について、教育ジャーナリストの斎藤剛史が解説する。

 

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現在、日本が参加している国際科学五輪は、数学・生物・化学・物理・地理・地学・情報の7分野の大会です。それぞれ歴史は異なりますが、主に高校生を対象にして国別チームで参加することが共通しています。高校生を対象としているのは、科学的才能のある子どもを見つけ出し、その才能を伸ばすチャンスを与えるということが趣旨になっているからです。

 

国際科学五輪では、分野ごとに多少方法が異なりますが、おおよそ「記述問題」と実技の「実験問題」の二つを各5時間程度行います。問題はそれぞれの国の言葉に翻訳され出題されます。単なる知識を問うものではなく、分析力・読解力、思考力、表現力を競う内容となっています。またこの大会では問題を解くばかりではなく、各分野の権威による講演会、セミナー、交流会などもあり、国際的な経験を積むことも狙いの一つです。

 

個性や能力を重視した大学入試への転換が議論されているなかで、科学五輪は推薦入試やAO入試の対象としても注目を集めつつあります。たとえば、全国から「スーパー高校生」を集めるため東京大学が2016(平成28)年度入試から始める推薦入試でも、理系学部や経済学部ではそれぞれの分野の国際・国内の科学五輪の成績優秀者が対象の一つとなっています。また、東北大学や大阪大学なども、国内大会の成績上位者や国際大会の参加者などを対象にした推薦入試やAO入試を実施しています。

 

有力大学は大学間の国際競争に勝つため、ペーパーテストによる入試ではわからない才能や能力のある子どもたちを集めようとしています。しかし、日本の学校教育の中ではなかなか卓越した才能や能力を発見し、伸ばせないのが実情です。大学関係者などが科学五輪に注目する背景には、このような日本の学校教育が抱える問題もあると言えるでしょう。

 

出典:「もう一つのオリンピック」メダルラッシュ 国際科学五輪って何? -ベネッセ教育情報サイト

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