できたよ 逆上がり!~逆上がりのコツがつかめる練習法~【STEP-1】後ろに回転する感覚を身に付けよう
「鉄棒の前回りはできるけれど、逆上がりは苦手」……というお子さまは多いようです。でも逆上がりは、ちょっとしたコツがつかめれば決して難しい技ではありません。「湘南とびうお体操クラブ」で、運動の苦手な子からジュニアナショナル選手まで、幅広い層に指導をしてきた佐藤貴史先生が、逆上がりのコツをつかむ練習法を伝授します。4つのステップを通して、親子で楽しく、逆上がりに挑戦しましょう。
<できたよ 逆上がり!(動画)>
1 マットで後ろ回り
<できたよ 逆上がり!>【STEP-1】後ろに回転する感覚を身に付けよう 1 マットで後ろ回り(動画)>
いきなり逆上がりをやろうとせずに、まずは「身体が回転する」という感覚を身に付けましょう。自分の身体を後ろに回転させたり、逆さにしたりする感覚が身に付くと、スムーズに逆上がりの練習に入ることができます。
最初は、マットの上で後ろ回りの練習です。まだ鉄棒は使いません。座布団の上でもできますから、ぜひご家庭で、取り組んでみてください。
最初に、マットや座布団の上で体育座りをします。その姿勢のままあごを引き、背中を丸めて後ろに倒れ、半回転します。倒れながら、ひざは自然に伸ばして、つま先が頭の向こう側の床に着いたら、そこで回転を止め、反動を付けてもとの体育座りの姿勢に戻ります。この一連の動作を、リズミカルにくり返します。この時両手は、後ろ回りのでんぐり返しをする時と同じように、両耳の近くに着きます。回転する時の両足はなるべくそろえて、途中でひざが開いてしまわないようにします。
うまく回転をするために、いくつか留意してほしい点があります。
●身体を倒して上体が床に着いたら、あごをさらに引き、腰を天井の方に持ち上げますこの時、後頭部ではなく、首の付け根を床に沈めるような意識を持つと、足が自然に上がって、回転しやすくなります
●回転してつま先を床に着ける時に、足を顔に近付けるように意識すると、スムーズにできます
●起き上がる時にも、倒れる時と同様、あごが上がってしまわないように気を付けます
初めのうちはうまく足が上がらなかったり、身体がスムーズに回転しなかったりと、苦戦するかもしれません。子どもが感覚をつかめるよう、保護者のかたは足や腰を支えて補助しましょう。
2 座ったまま足を振り上げる
<できたよ 逆上がり!>【STEP-1】後ろに回転する感覚を身に付けよう 2 座ったまま足を振り上げる(動画)>
次は、鉄棒に見立てた棒を使う、より実践に近い練習です。逆上がりをする時のように、両手で棒をつかんだ状態で、「1」で行った後ろ回りの練習をしましょう。
まずは両手で棒をつかんで、下腹の位置に当てます。そのまま、マットや座布団に腰を下ろします(「1」の時と同じように、ひざは曲げています)。棒を持つ腕は、肩幅くらいに開きます。
「1」では、両足をそろえた状態で転がりましたが、今度は、鉄棒で逆上がりをする時の足の動きにより近付けてみましょう。片方の足の裏でマットを蹴って後転を開始し、もう片方の足は、遅れてついていきます。前後に開いた足は、横から見た時に「チョキ」の形(Vの字)になっています。マットを蹴った足のつま先が頭の向こう側の床に着いたら、回転を止めて、もとの姿勢に戻ります。
うまく回転をするために気を付けてほしいことは「1」で挙げた、棒を持たずに回転する時と同じです。「回転する時にはあごをぐっと引いて背中を丸め、腰を高い位置に上げること」「後ろに転がる時、最後は足が自分の顔に近付くようにする」といった留意点を思い出しましょう。
いかがでしたか。次の【STEP-2】では、実際に鉄棒に触れての練習をスタートします。