中学生女子の約4分の1が運動時間ゼロ!? 文系女子の体力に赤信号
子どもたちの体力や運動能力の低下が問題となっている昨今、中学生が運動する子どもとしない子どもに分かれる、「運動習慣の二極化」という問題が生まれている。文部科学省の調査によれば、特に中学生女子にその傾向が顕著だという。「中学校では運動部活動が体力づくりの中心となっていることが背景にあるようです」と語る、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に話を聞いた。
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全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施した2013(平成25)年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力調査)の結果によると、子どもたちの体力・運動能力はほぼ横ばい状態です。
調査結果からは、気になる問題が浮かび上がってきました。子どもたちに体育の授業を除いた1週間の総運動時間を聞いたところ、中2男女は、「60分未満」と「1,000分」前後の割合が高くなっています。つまり中2の子どもたちは1週間のうち、ほとんど運動しない者と活発に運動する者とに二極化しているのです。特に総運動時間が「60分未満」の中2女子のうち、運動時間が「0分」という者は80.2%に上っており、これは中2女子全体の23.5%にあたります。約4分の1が、学校の体育の授業を除けば「1週間のうちまったく運動していない」という計算になります。
この背景には、中学校の体力向上の取り組みが「運動部活動の充実」に偏っていることが挙げられます。実際、運動部やスポーツクラブに所属する中2男子は84.9%なのに対し、中2女子は59.9%。部活動に参加しないか、参加していても文化系部活動であることも理由の一つでしょう。
特定の種目に全力を尽くす運動部活動は大切ですが、運動が嫌い・苦手という子どもたちを対象にした運動部活動の見直しも必要かもれしれません。友達同士で好きなスポーツを楽しめるような環境の整備など、女子の運動習慣の二極化を解消する対策も重要といえそうです。