子どもの学習意欲を高める働きかけとは?

子どもの勉強に積極的にかかわる

小学生のうちは、成績を知っているだけでなく、子どもの勉強に直接かかわることも大切です。図3を見ると、「わからないことがあると家の人に聞く」子どもの割合は成績層の間であまり差がないにもかかわらず、実際に「親に勉強をみてもらったこと」があるかどうかについては、成績上位層と下位層で10ポイント以上の開きがあることがわかります。
特に1、2年生については、ある程度、保護者が横について勉強をみたり相談にのってあげたりすることが大切です。その際にも、なるべく良いところをほめながら、そして気になる点(字が汚いなど)は一緒に解決しようとする姿勢を示すことで、子どもは「がんばろう」という気になります。
ただ、保護者自身が忙しかったり、高学年になってきたりすると、勉強をみてあげることがだんだん難しくなってくる場合もあります。そんなときでも、まずは子どもと一緒に考えてみて、学校の先生への質問をアドバイスしたり、調べ方を教えたりしてあげるとよいでしょう。

図3:親の学習への関与状況(小学5年生)

ひとつ小言を言うなら、ふたつほめる

ただし、子どもの勉強にかかわろうと、つい「勉強しなさい」と言いすぎるのはよくないようです。図4を見ると、成績下位層の児童の40%以上が、毎日保護者から「勉強しなさい」と言われています。
勉強しない子どもには、つい注意をしたくなるものですが、小言を言われれば言われるほど、子どもは勉強への意欲を失いがちです。注意すべきところはきちんと注意し、その代わり、1つ小言を言うなら2つほめる、2つ言うなら4つほめるなど、子どもの学習意欲を高めつつ、自分から勉強するように仕向けることが大切です。

図4:「勉強しなさい」と言うことと成績の相関(小学5年生)

高学年からは将来についても話し合う

また、子どもの気持ちを勉強に向かわせるための働きかけは、子どもの成長によっても変化します。図5は、小学4年生から高校2年生までの子どもに「勉強する」理由を聞いた結果です。注目したいのは「成績が良いと親がほめてくれるから」の項目です。小学4年生では63.2%もあったスコアが、一貫して減り続け、高校2年生では27.4%にまで低下します。また、「成績が悪いと親にしかられるから」という理由も、中1で一度スコアが上がる以外は減少傾向です。子どもたちは成長するにつれ、「ほめる」「しかる」だけでは勉強する意欲がわかなくなるようです。
一方、中学生になって伸びるのが「自分が就きたい仕事に就くのに必要だから」の項目です。小学校中学年くらいまでは、たくさん「ほめる」ことが子どものやる気につながりますが、高学年になったら少しずつ進学先や将来について話し合う機会をもつとよいでしょう。

図5:勉強する理由(学年別)

<調査概要>
【図1~4】「第4回学習基本調査・国内調査報告書 小学生版」
調査主体/Benesse教育研究開発センター
調査方法/学校通しの質問紙による自記式調査
調査時期/2006年6~7月
調査対象/小学5年生2,726人
全国3地域[大都市(東京23区内)、地方都市(四国の県庁所在地)、郡部(東北地方)]
本調査は、経年での比較や地域による違いをみるために有意抽出した同一校を中心に調査を依頼している。そのため、数値は全国的な平均値を示すものではない
図1~4の成績の自己評価は「あなたの今の成績はクラスの中でどのくらいですか」の項目に、「1(上のほう)~3」と回答した児童を「上位」、「4(真ん中)」を「中位」、「5~7(下のほう)」を「下位」として再集計したものを掲載した
【図5】「第1回子ども生活実態基本調査報告書」
調査主体/Benesse教育研究開発センター
調査方法/学校通しの質問紙による自記式調査
調査時期/2004年11~12月
調査対象/小学4年生~高校2年生 合計14,841人

プロフィール



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