一般選抜でも「主体性等」評価へ? 2021年度入試改革

大学入試の抜本的改革が、いよいよ迫っています。文部科学省は、2021年度入学者選抜に向けた各大学の検討状況に関する委託調査の結果を発表しました。まだ未確定の部分も多いようですが、各大学とも、どの入試区分でも「学力の3要素」((1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度=主体性等)をすべて評価しようと、模索を続けているようです。

私大の65%が共通テストの活用決める

調査は2019年1月、大学院大学を除く全国の759大学と309短大にメールで調査票を送り、3月までに692大学・272短大から回答を得ました(回収率90%)。
大学入試センター試験に代わって2021年1月から実施する「大学入学共通テスト」の活用を決めている大学は、国立大学で97.6%、公立大学で92.7%、私立大学で65.3%。「活用しない」と明言したのは各0%、1.2%、4.2%ですから、センター試験に引き続き、国公立大はほとんど、私大も大半の大学に、活用が広がりそうです。

英語をめぐっては、「聞く・読む・話す・書く」の4技能すべてを評価するため、大学入試センターが認定した民間の英語資格・検定試験7団体23種類の成績(2回まで)を受験する大学に提供してくれる「大学入試英語提供システム」が導入されます。このシステムの利用を決めているのは各90.2%、84.1%、39.2%ですが、「まだ決まっていない」も各8.5%、13.4%、56.3%と、特に私大で未定の大学が多いままです。しかも、利用すると回答した大学でも、具体的な活用方法(出願資格とする、加点する、個別選抜の英語を免除するなど)になると、「まだ決まっていない」大学が、国立でも24.3%あり、公立は53.6%、私立は56.0%と半数を超えています。
認定された資格・検定試験の受検は、2020年4~12月に受けなければなりません。受験生がスケジュールを立てるためにも、各大学が早期に活用方針を公表することが望まれます。

一般選抜の具体的な評価方法、未定が半数

各大学の個別選抜に関しては、これまでの「一般入試」「AO入試」「推薦入試」という入試区分を、それぞれ「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」と改めた上で、どの入試区分でも、学力の3要素すべてを評価して選抜することを求めています。つまり、一般選抜でも主体性等の評価が必要になりますし、一部のAO・推薦が「学力不問」などと言われたような状況は今後許されないということです。

回答によると、一般選抜の評価方法を具体的に決めている508大学・短大(全体の52.7%)のうち、▽教科・科目に係るテスト▽大学入学共通テストの活用▽英語4技能に係る資格・検定試験の結果の利用……以外の項目を挙げている大学・短大は、既に89.4%に上っています。現段階では選抜方法が「まだ決まっていない」「無回答」が半数近く(47.3%)あるものの、決めている大学・短大に限れば、主体性等の評価には積極的なようです。具体的には「調査書」45.9%、「面接」29.6%、「小論文」(21.8%)、「活動報告書」9.9%などとなっています(複数回答)。

主体性等の評価は、その大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針、AP)にふさわしい入学者を選ぶにも、また、入学後の教育で責任を持って資質・能力を伸ばして社会に送り出すためにも、不可欠になります。各大学がどういう人材を育てたいのか、そのためにどんな教育を提供するのかもセットにして、受験生にわかりやすく示すことが求められます。

(筆者:渡辺敦司)

※2021年度入学者選抜に向けた各大学の検討状況の調査結果について
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1417589.htm

※高大接続改革の実施方針等の策定について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/07/1388131.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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