英語教育の専門家に聞く、リスニング強化に効果的な「シャドーイング」とは?
「聞く」「話す」「読む」「書く」など、「使う」力が求められる中学校の英語。ベネッセ教育総合研究所が2009年に実施した調査で、「英語が苦手」と答えた生徒は6割に上る。つまずく理由の一つに、「聞き取れない」ことを挙げる子どもも少なくない。「世界の100人の教師」に選ばれたこともある関西大学教授の田尻悟郎氏に、家庭でもできるリスニング強化法について伺った。
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英語のリスニングにはコツがありますが、自分もネイティブの人と同じような発音ができれば、聞き取りもしやすくなってきます。極力まねをすることで、発音も上手になりますし、リスニング力も伸びていくのです。
CDなどを聞きながら、ネイティブの発音のまねをして言ってみる勉強法を、シャドーイングといいます。影のようについていくという意味です。まずは、文字を見ながらCDに合わせて、音をかぶせるように読んでいき、次に、シャドーイングです。シャドーイングは、文字を見ません。
たとえば、次の文章を使ってシャドーイングをしてみましょう。
I live in Tokyo now.
But I’m from Shimane.
I like my hometown.
The air is clean and the water is clear.
ネイティブの発音は、「ジ エアーイズクリーン、ザ ウォーターイズクリア」とは聞こえませんよね。
発音のまねをすることで、日本語にはない音が聞こえるようになってきます。
つまり、「言える=聞くことができる」ですから、リスニングを強くしたければ、「しゃべる」練習が必要なのですね。
シャドーイングは、家庭でもできる勉強方法です。お子さまがヘッドフォンなどで教科書本文の音声を聞いてまねをし、保護者のかたは教科書を開いて正しく読めているかチェックする、という協力態勢を取るのが効果的でしょう。