<子どもの声をAI分析!>文理選択での保護者の関わり方NG4

お子さまの文理選択は、保護者にとっても気になるテーマ。大学選びや将来にもつながる最初の進路行事として、「後悔しない選択をしてほしい」「力になれたら……」とアドバイスを送りたくなることもありますよね。

しかし、よかれと思っての保護者の言動が、かえってお子さまの不安や迷いを強めてしまうこともあるようです。

文理選択をするお子さまが求める保護者の関わり方とはどのようなものなのでしょうか。前回は全国の大学生に実施したアンケート(※1)から、「OKな関わり」を紹介しました。
今回はその反対となる、お子さまを戸惑わせてしまうかもしれない「NGな声かけ」について、AI分析をもとに紹介します。

>>前回の記事を見る:【受験生の声をAI分析!】文理選択での保護者の関わりOK5

この記事のポイント

    【NG①】価値観の「押しつけ」

    <子どもの声>

    数学が大の苦手にも関わらず、理系のほうが専門的なことを学べ、職業の選択肢も広がるからと理系を勧められたこと。将来のことを考えてくれるのは嬉しいが、私の気持ちも考えてほしかった。(高崎経済大・M.S)

    絶対に理系の方がよいと言われていたため、あまり選択の余地が無かった。(静岡県立大・Y.S)

    参考になればと意見を伝えただけのつもりでも、お子さまは選択肢を狭められたように感じてしまうこともあるもの。
    意見を伝える前に、まずは、お子さまの希望や考えを聞いてあげられるといいですね。

    【NG②】一方的な「決めつけ」

    <子どもの声>

    興味のある分野は理系だったが、あなたは文系だよねと決めつけられたと感じた。本当はもっと理系科目もできたのではないかと後悔している。(立教大・C.T)

    理系を選択したが「あなたは文系の方が向いている」などと言われ、やる気が失せたうえ、選択を後悔させようとしているのかと嫌な気持ちになった。(新潟大・S.S)

    いろいろ調べているうちに技術職を見つけ、興味がわいた。それなのに親には「文系やのに~」と言われた。(大阪公立大・A.T)

    お子さまを間近で見てきたからこそ、「うちの子はこっちのタイプかな」と感じる場面もありますよね。ただ、その言葉が「決めつけられた」ように感じられてしまうこともあるようです。
    さまざまな可能性を模索するお子さまが興味を示した系統について、ご自身の体験・知識を具体的に語ってあげるなど、お子さまがイメージできるように寄り添ってあげることが、前向きな選択の後押しになります。

    【NG③】選択を心配する

    【NG③】選択を心配する

    <子どもの声>

    家に理系の人がいなかったため、少し心配された。(東京薬科大・M.M)

    数学が苦手だったので、「理系は大変ではないのか」と言われた。(安田女子大・M.S)

    数学が得意だったが文系を選択したので、選択前にも後にも「もったいない」「理系の方が合ってそう」と言われたことが嫌だった。(大阪大・N.U)

    お子さまの選択を応援したいという気持ちはありつつも、その選択が保護者の見解と異なった場合、心配や不安な感情が湧いてくるのは、自然なことだと思います。

    進路選択は、自己実現のための営みです。迷いながらも最後は「自分で決める」ことで、選択の先にたとえ困難が待っていたとしても、それも肯定的に受けとめて過ごしていけるのです。お子さまが自分で決めるうえで、「何が障壁となっているか」を対話を通じて丁寧に取り除けるように、寄り添ってあげることが大切です。

    【NG④】選択に反対する

    <子どもの声>

    自分の学びたい学問に進むことに反対されたのが嫌だった。(日本大・K.I)

    賛成ではなかったとしても、中立であってほしかった。(藤田医科大・Y.K)

    今の時代ではありえないですが、親の時代には女の子が理系に行くのは珍しいことだったらしいので、少し疑問を持たれて嫌でした。(福岡大・Y.S)

    自分が選んだ道を反対されるのは、誰でもショックを受けてしまうもの。「これでよかったのかな?」と気持ちが揺らいでしまうこともあるでしょう。

    お子さまの選択を聞いた時は、保護者の意見を伝える前に「どうしてその選択をするに至ったのか」をじっくり聞けるといいですね。お子さまの考えを知ることで、保護者の思いにも変化が生まれるかもしれません。

    まとめ & 実践 TIPS

    文理選択での保護者の関わり方NG4

    文理選択は、迷いながらも自分で決めることで納得感も高まり、その後の学びへの意欲にもつながるものです。たとえよかれと思っての言葉でも、押し付けや決めつけ、過度な心配は、お子さまの自尊心を下げたり、自律を阻むことにもなりかねません。

    大切なのは、お子さまが自分のペースで、納得して決められる環境を整えてあげること。
    「必要な時だけ助言する」「信じて見守る」――そんなシンプルな姿勢が、お子さまにとって何より心強い後押しになるようです。

    (出典)
    ※1 保護者とのエピソードに関する大学生アンケート
    調査地域:全国
    調査対象:進研ゼミを受講していた全国の大学生
    調査期間:2024年2月
    調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
    有効回答数:130名

    編集/ 岡 聡子

    山下 真司

    ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター主席研究員
    独立行政法人教職員支援機構(NITS)フェローコーディネータ

    高等学校学習指導要領「総合的な探究の時間」(平成30年告示)解説書作成検討メンバー、神奈川県教育委員会「高等学校等教育改革先導拠点等検討推進会議」委員ならび「産業教育審議会」委員、福井県教育委員会「ふくい県立高校魅力向上プラン策定委員会」委員、岡山県教育委員会「STEAM教育研究推進委員会」委員、徳島県教育委員会「公立高等学校の在り方検討会議」委員 長崎県教育委員会「ながさき次世代高校創生会議」委員、福井県小浜市教育委員会「教育大綱および教育基本振興計画策定有識者会議」委員、広島県三次市教育委員会 教育スーパーアドバイザー、名古屋市立若宮高等特別支援学校 学校評議員、北海道立札幌西高校 探究アドバイザー、学校法人追手門学院 評議員などを務める。

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