文理選択での保護者の関わり方OK5<子どもの声をAI分析!>
文理選択は、大学選びや将来にもつながる最初の進路行事。保護者としても「どちらを選ぶのかな?」と気になりますよね。お子さまの迷っている様子を見て「どう関わってあげるのがいいんだろう?」と悩むこともあるかもしれません。
そこで、全国の大学生に「文理選択をするうえで、保護者にしてもらってよかったこと」についてアンケート調査(※1)を実施。AI分析によって浮かび上がった、保護者に求められる理想の関わり方を紹介します。
この記事のポイント
【OK①】お子さまの選択を尊重
<子どもの声>
アドバイスはくれても口出しはせずに、自分の意思を尊重してもらえたのがよかった。(奈良女子大・K.H)
私が決めた選択を尊重すると言ってくれたのが嬉しかった。(名古屋大・H.I)
自分の判断に委ねてもらったこと。(京都大・Y.W)
基本的にどちらを選んでも自分の将来に関わることだからと、私の希望を尊重してくれた。(上智大・A.S)
文理選択は、自分の進路や将来像と向き合う大切なタイミング。だからこそ「自分の選択を尊重されている」と感じられることが、大きな安心や自信につながるようです。
保護者としてできるアドバイスはしつつも、最後は「あなたの選択を尊重するよ」と見守ってあげることが、お子さまが主体的に進路を選ぶ大きな後押しになるのかもしれません。
【OK②】応援する言葉
<子どもの声>
理系は大変だけど頑張ってと応援してくれて嬉しかった。(中央大・S.N)
親はとにかく自分を応援してくれたので、非常によかったと思っています。とても助かりました。(富山大・S.Y)
自分の選択を応援してもらえたことが一番大きかった。迷うことなく、理系に進むことができた。(大阪大・Y.Y)
どちらを選択しても応援すると言ってくれたことが嬉しかった。(安田女子大・Y.T)
自分の夢ややりたいことを一番に考えていいよ、と言われたこと。(慶應義塾大・N.S)
文理選択は、その先の進路にもつながる大きなステップだからこそ、まっすぐな応援の気持ちを届けることが、大きな力になるようです。自分で選んだ道を信じて応援してもらえることで、「この選択でがんばろう」と前向きな気持ちに火がつくもの。お子さまが踏み出した一歩に、あたたかいエールを送ってあげたいですね。
【OK③】一緒に考える伴走サポート
<子どもの声>
悩んでいることを相談したら、一緒に考えをまとめるのを手伝ってくれたことが助かった。(慶應義塾大・N.S)
文理別の就職先などを一緒に調べてくれてうれしかった。(奈良女子大・A.N)
自分の将来の夢について、真摯に考えて向き合ってくれた。(信州大・Y.I)
文理選択で悩んでいるときに、自分のことのように親身に相談に乗ってくれたのは心強くてうれしかった。(奈良女子大・Y.T)
文理選択をギリギリまで悩んでいたら、興味のありそうな分野の動画を教えてくれるなど協力してくれたことが良かった。(大阪大・N.U)
お子さまからの相談には、一緒に考える伴走型の姿勢が大きな支えになるようです。一緒に情報を調べたり、悩みに真摯に向き合ったりすることは、「保護者は自分にしっかり向き合ってくれている」「大切に考えてもらえている」という安心感につながるもの。迷いがちな文理選択では、こうした寄り添いが心強い後押しになるはずです。
【OK④】視野が広がる情報の提供
<子どもの声>
最初から決めつけずに、自分よりも客観的に考えてくれて、いろいろな選択肢をくれたのがすごく良かったなと思いました。(名古屋市立大・M.T)
仕事図鑑のような本をすすめてくれた。また理系に進んで、開発系の仕事をしている親戚に相談してくれた。(立命館大・F.H)
職業をたくさん調べて見たらいい、将来なりたいものから辿って考えるといいとアドバイスをもらって、自分に向き合うきっかけとなりました。(広島大・N.O)
文理選択は、自分の興味や適性を踏まえつつ、幅広い情報をもとに判断することが大切。だからこそ、お子さまがまだ気付いていない視点や客観的な情報、さまざまな選択肢を示してあげることが大きな助けとなるようです。
一人では思いつかなかった進路や職業に触れることで、「こんな未来もあるんだ」と前向きに選択できる環境が整っていきます。お子さまがワクワクしながら将来を描けるようなサポートを届けられるといいですね。
【OK⑤】必要以上に干渉しない
<子どもの声>
一切の干渉もなく、自由にさせてもらえたのがとてもよかったです。(名古屋大・Y.M)
特段悩んでいることがない限り介入して欲しくないと思っていた。実際、されなかったのでよかった。(立命館大・R.Y)
特に何も口出しされなかったのは良いことかなと思う。(神戸大・A.F)
基本的には両親はノータッチで、全て自分の選択に委ねられていました。自分の意思が尊重されていることを実感して、感謝しています。(宮城大・M.I)
特に否定もされなかったので、自分の進みたい道に進むことができた。(帝京大・M.K)
お子さまのタイプ・状況によっては、「そっと見守ってほしい」と感じる場合も少なくないようです。必要以上に踏み込まない見守りのスタンスは「自分を信じてもらえている」という安心感につながるのでしょう。
もちろん、まだ社会経験のない子どもたちにとっては、これからの将来で想像できないことは当然あります。保護者として、考えるための補助線を引いてあげることは大切ですので、お子さまのタイプや状況・心境に合わせて判断していきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
今回の調査で見えてきたのは、迷いや不安の中にあるお子さまの心を支えるのは、特別なアドバイスよりも尊重や応援、信じて見守る姿勢だということでした。「もっと情報を集めてあげなきゃ」と気負う必要はありません。
一方、文理選択は受験科目にも影響する大切な進路行事ではありますが、文系か理系かという二項対立で捉えない考え方もあります。
例えば、文系で経済学部に進学しても数学は必要となりますし、昨今の生成AIやデータサイエンスなどのテクノロジーを活用する社会で生きていくことを考えると、理数系科目はますます重要になると言えるでしょう。理系科目をもっと深く学びたいかどうか、というくらいの視点で考えてみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、お子さまのペースで考えられるよう、ほどよい距離感で見守りながら、必要なときにだけそっと力を貸してあげられるといいですね。
(出典)
※1 保護者とのエピソードに関する大学生アンケート
調査地域:全国
調査対象:進研ゼミを受講していた全国の大学生
調査期間:2024年2月
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:130名
編集/ 岡 聡子

山下 真司
ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター主席研究員
独立行政法人教職員支援機構(NITS)フェローコーディネータ
高等学校学習指導要領「総合的な探究の時間」(平成30年告示)解説書作成検討メンバー、神奈川県教育委員会「高等学校等教育改革先導拠点等検討推進会議」委員ならび「産業教育審議会」委員、福井県教育委員会「ふくい県立高校魅力向上プラン策定委員会」委員、岡山県教育委員会「STEAM教育研究推進委員会」委員、徳島県教育委員会「公立高等学校の在り方検討会議」委員 長崎県教育委員会「ながさき次世代高校創生会議」委員、福井県小浜市教育委員会「教育大綱および教育基本振興計画策定有識者会議」委員、広島県三次市教育委員会 教育スーパーアドバイザー、名古屋市立若宮高等特別支援学校 学校評議員、北海道立札幌西高校 探究アドバイザー、学校法人追手門学院 評議員などを務める。

