読書をしない子どもは52.7% 気になるスマホの利用時間との関係は?
ご家庭でお子さまが本を読む姿を見かける機会が減っていませんか?
ベネッセ総合教育研究所の調査結果(*)によると、1日の読書時間が「0分」、つまり全く本を読まない子どもが52.7%となり、10年前と比べると約1.5倍に増加したことが明らかになりました。
この記事のポイント
「うちの子、最近本を読んでないかも...?」その背景にあるもの
小学1〜3年生で約3人に1人(33.6%)が「読書をしない」と答えており、学年が上がるにつれてその割合が増えていく傾向にあります。
<読書時間の変化(2015年・2024年)>
この背景には、スマートフォンの利用が大きく影響しているようです。調査結果では、スマホの利用時間が長くなるほど、読書時間が短くなるという様子が見て取れます。特に小学生、中学生でその傾向が顕著です。
<スマートフォンの利用時間別の読書時間>
読書の時間に影響される「力」とは
「本を読まないだけで、そんなに影響があるの?」と思われるかもしれません。調査によると、読書はお子さまの学習の土台となる「語彙(ごい)力」や「読解力」を育む大切な時間といえそうです。
<読書時間別の「語彙力」(2019年、22年)>
<読書時間別の「読解力」(2022年)>
データでは小学3年生や6年生において、読書時間が長い子どものほうが語彙力の得点が高い傾向があるということ、また、1日5分から30分読書する子どもは読解力の得点が高い傾向があることがわかりました。
これからAIがますます身近になる時代、あふれる情報の中から本当のこと・大切なものを見極め、自分から新しい価値を生み出して人生をより豊かに生きていくためには、「語彙力」「読解力」は欠かせない力です。
子どものうちに「心に残る一冊」に出会うことは、大人になってからも本を楽しみ続ける「生涯の読書習慣」を身に付けるための大きなきっかけとなります。読書は、お子さまの思考力を深め、想像力という名の「未知の世界への窓」を開いてくれます。まずは、ご家庭内で「最近どんな本が面白かった?」など、軽いおしゃべりから始めてみませんか?
保護者のかたが子どものころに、何度も繰り返し読んだお気に入りの本のことから話題にしてみてもよいのではないでしょうか。
専門家からのアドバイス「小・中学生から読書習慣を」

秋田 喜代美
学習院大学教授
東京大学名誉教授
今回の結果では、小学1~3年生ですでに読書をしないと答えた割合が33.6%と全体の約 3 分の1を占め、学年とともにその比率が上がる結果となりました。まとまった文章を読むことは、思考力を培い、想像力を育み、様々な未知の世界への窓を開く契機になります。私が過去に行った調査でも、義務教育段階で読書が好きで、心に残る本をもっていることが、成人になってからも生涯本を読むことにつながることがわかっています。これらの結果からは、子どもたちに読書習慣をつける活動に取り組むことが社会に求められているといえるでしょう。今回の分析では、スマホ時間と読書時間が反比例の関係にあることも示されました。おそらくデジタル機器を使っていても電子書籍を読むことにはほとんど使われておらず、動画視聴や SNS の利用が多いと推測されます。
<調査データ出典>
・「⼦どもの⽣活と学びに関する親⼦調査」(東京⼤学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所による共同実施)
・「語彙⼒・読解⼒調査」(東京⼤学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所による共同実施)
・⼩学⽣から⾼校⽣の 10 年にわたる追跡調査データから「読書」を読み解く(https://benesse.jp/berd/special/childedu/pdf/newsLetter/newsLetter_20251020.pdf)

