夏休みの自由研究、やらなくてもOK?どう取り組む?保護者のホンネ調査
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夏休みの宿題の定番といえば「自由研究」。
最近はやらなくてもいいという学校も増えてきているようです。
変わる夏休みの自由研究、保護者がどう関わっているか、どのような内容に取り組んでいるかについて、全国の小学生保護者にお聞きしました(※1)。
自由研究は30.2%が「任意だった」と回答、保護者のホンネは……?
Q.夏休みの宿題で「任意制(やってもやらなくてもいい)」のものは何ですか?(複数回答)
※複数回答。n=保護者2,803名。小数点第二位で四捨五入。
小学生のお子さまの夏休みの宿題で、取り組みが任意だったものは何かを尋ねたところ、上のグラフのような結果に。1位は「自由研究・工作(30.2%)」、2位は「読書感想文(27.4%)」でした。
保護者世代では、夏休みの宿題の定番であった自由研究・工作、読書感想文がトップ2につけていることに、驚きを覚えたかたもいらっしゃるかもしれません。
任意制の宿題の出し方についての賛否をたずねたところ、賛成が69.8%、反対が30.2%と賛成が反対の2倍以上となりました。
※単一回答。n=保護者2,803名
賛成、反対、それぞれの立場の理由についても、さまざまな声が寄せられていました。
賛成の声
- 任意の宿題の中に、得意や好き、やってみたいものがあれば積極的に取り組めると思う。(埼玉県 小学1年生の保護者)
- やりたいと思う子はやればいいし、それ以外にしたいことをしたい子どももいると思うから。無理やりしたくもないことをするよりも、夏を満喫(まんきつ)したり、やりたいことをやったりするほうが意味がある。(宮崎県 小学4年生の保護者)
- 今の時代、親が共働きで学童にあずけることも多く、なかなか夏休みに普段以上に一緒に考える時間をつくることが難しいと感じているため。(大阪府 小学2年生の保護者)
反対の声
- 夏休みに自分ですすんで何かをやる、というのはなかなか難しいから。(愛知県 小学6年生の保護者)
- どちらでもよいとすると、絶対にしない。している子の中には親に強くすすめられているケースもあると思う。作品系は、何か一つはするなど決まりをつくって出してほしいと思います。(兵庫県 小学6年生の保護者)
- やってもやらなくてもいい宿題ってよくわからない。子どもに「やってもやらなくてもいいよ」って言っても「やらない」って言うだけだろうし、やる意義を説明するのが難しそう。(奈良県 小学1年生の保護者)
賛成の声からは、夏休みならではの経験や、子ども自身がしたいことをするなど、子どもの自主性を尊重する意見が多く寄せられていました。また、家族の時間を大切にしたいとの声も。それぞれのお子さまの希望や環境に応じて夏休みを過ごすことを大切にしている姿勢が見られました。
一方、反対の声では、任意だとやらなくなることへの心配や、子どもに説明しづらいことへのとまどいが多く見られました。
自由研究は94.4%の保護者が「なんらか関わる」と回答
Q.「自由研究」に、おうちのかたはどのように関わる予定ですか?
※単一回答。「自由研究は出ていない・わからない」の回答を除く。n=保護者2,325名。
自由研究への保護者の関わりについて聞いたところ、「すべてではないが一部を手伝う(48.8%)」が最も多く、2位に倍以上のポイント差をつけ圧倒的1位となりました。2位は「テーマ選びからまとめまですべてを手伝う(24.3%)」、3位は「手伝わないがアドバイスはする(21.3%)」という結果に。
これらトップ3の回答を合わせると、実に94.4%もの保護者がなんらかの形で関わると答えており、自由研究は子どもだけの課題ではなく、保護者にとっても一緒に取り組む宿題となっている様子がうかがえます。
フリーアンサーからは、さまざまなサポートの工夫が寄せられています。
テーマ選びをサポート
- 初めてなので、テーマはいくつか候補を出してあげたい。(東京都 小学1年生の保護者)
- 興味が持てそうなテーマ選びのアドバイスはするのでやる気になってくれれば協力はするが、やるつもりがないなら無理にやらせるつもりはない。(愛知県 小学5年生の保護者)
子どもからの質問に応じて対応
- 聞かれたり、頼まれたりした時には、必要に応じて手伝う。(宮城県 小学5年生の保護者)
- 基本的にはアドバイスや、どのくらい進んだかの確認をする。本人から手伝ってほしいことを伝えてきたら、手伝う予定。(神奈川県 小学2年生の保護者)
難しい部分のみ手伝う
- テーマは自分で決めさせて、適宜アドバイス。学年的に難しい部分は手伝う。(京都府 小学2年生の保護者)
なるべくお子さま自身で進められるようにしながらも、テーマ選びなどの迷いやすい点やつまずきやすいポイント、お子さまからのヘルプの声にはサポートをするというスタンスのかたが多いことがわかります。
お子さまの様子や進捗に気を配りながら、親主導になりすぎないよう配慮されている保護者のかたが多いようですね。
どんな自由研究をした?
自由研究では、どんなテーマに取り組むかに迷ってしまうお子さまも多いもの。
「興味のある内容に取り組もう」と自由度が高いからこそ、楽しい半面、何をするか決めきれないこともあるようです。
そこで、全国の保護者から寄せられた自由研究の取り組みテーマを紹介します。
社会に関する調べ学習
- 住んでいる市内にある鉄道の駅すべてに行って調べた特徴などをまとめる。(埼玉県 小学4年生の保護者)
- お米(精米)ができるまでの過程をお米屋さんや農家さんに伺いインタビューを実施。お茶碗には何粒お米が入っているかを調査。(千葉県 小学3年生の保護者)
- 国道9号はどこまで続いているのか(身近な国道の起点と終点を調べる)。(京都府 小学5年生の保護者)
工作・標本作り
- 鳥の模型作りと森や池、川など、その背景作り。(兵庫県 小学5年生の保護者)
- 幼稚園児のころから石が好きで、小1から夏の自由研究は石の標本作りをしています。初めは面白い形の石を集めるだけでしたが、昨年は科学館の先生に教えていただきながら、チャート、変成岩、石灰岩などの標本を作りました。(高知県 小学3年生の保護者)
生き物の観察
- 亀類を捕まえてその観察と、捕まえた亀たちの生態を本などで調べた。(京都府 小学2年生の保護者)
- アゲハ蝶の幼虫から蝶になるまでと、餌の違い。(岩手県 小学6年生の保護者)
- アリの観察をしました。いろんな味の食べ物を並べて、何が先になくなるか、最後まで運ばれないものはあるかなど推測して、結果をまとめました。(富山県 小学5年生の保護者)
身近な疑問について
- 洗濯物を早く乾かすための条件や環境について実験して調べた。(鹿児島県 小学6年生の保護者)
- 通学路の安全・危険な道や、特に気を付ける場所の調査。(栃木県 小学2年生の保護者)
- 食パンのカビの生え方についての観察。冷蔵庫に保管したパンとベランダに出したパンを比較した。(静岡県 小学5年生の保護者)
お子さまの興味や、夏休みの経験、日々の身近なことなど、自由研究のテーマのバリエーションの豊富さに驚かされますね。
他の人が取り組んだテーマを知ることで「こんなこともテーマになるんだ」との気付きや、「自分もやってみたい」という気持ちに火がつくこともあるかもしれません。ぜひ、お子さまにも「こんな自由研究もあるみたいだよ」と話してあげてみてくださいね。
まとめ & 実践 TIPS
自由研究は、難しく考えすぎずに、自分の興味や経験に応じて楽しみながら取り組めるといいですね。保護者も一緒に「これはどうなっているんだろう?」と楽しむくらいのスタンスがよいのかもしれません。自由研究が「必須」から「任意」になる時代だからこそ、子どもが主体的に学びに向き合える環境づくりが、より一層重要になってきているのではないでしょうか。自由研究を行う場合は、夏休みをいつもとは少し違う学びのよい機会にできるといいですね。
編集協力/岡 聡子
(出典)
※1
夏の学習・自由研究に関するアンケート
対象:ベネッセの保護者向けアプリ「まなびの手帳」に登録している、小学1年生~6年生の保護者2,803人
期間:2025年6月15日~22日
方法:インターネットでのアンケート調査
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