買い物がカギ!?低学年から社会科に興味を持たせる方法
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社会科は小学校3年生から学習する教科ですが、小学校1・2年生の低学年のうちからできる、「社会科」に興味を持たせる工夫についてご紹介します。
日常にひそむ「社会科」は食材の買い物で気づかせる
小学校3年生から始まる「社会科」は、身近な地域のことや消費生活の様子などから学習することになります。そのため小学校3年生の社会科では「まち探検」とよばれる小学校周辺の観察や、スーパーの見学などの実地での学習機会があります。そして小学校では都道府県(小学校4年生)、世界の国々(小学校5年生)、日本の歴史(小学校6年生)などを学んでいきます。
こうした小学校での学習内容を見据えて、低学年のうちから社会科に興味を持たせるには、日常生活にひそむ「社会科」に気付かせることがポイントとなります。そしてこの「社会科」を気付かせやすい日常生活の場面は、「食材の買い物」が最適です。
スーパーや商店などでの食材の買い物で最初に気付かせたい点は、産地表示にある地名や国名です。産地表示には都道府県名や国名だけではなく、「練馬だいこん」など、市区町村名が含まれるものもあります。そうした産地表示に含まれている、さまざまな地名の存在を知ることが第一歩となります。そして「キャベツの段ボール箱に【群馬】と書いているね」など、地名と農産物との関連にも注意を促すことで、地域の特産品・名産品と産業を関連づけた理解にもつながります。
さらに地域の産業を意識させるには、スーパーや百貨店などの「地方の特産品フェア」を活用するとよいでしょう。このようなフェアで扱われる農産物や加工食品から、「【北海道】は乳製品、【沖縄】はさとうきびを使ったお菓子が多いね」などの気付きがあれば、その地方の産業・気候を知るきっかけになります。
また食材を包装しているパッケージには、環境への配慮や持続可能な生産に関するロゴやマークが記載されています。こうしたパッケージの内容をつぶさに観察していくことも、社会科の学習につながっていきます。
このような日常生活にひそむ「社会科」は、保護者のかたが知らないこと・学校で学んでいないことも多くあり、お子さまにたずねられても即答できないこともあるかと思います。そういうときは「うちに帰ってから一緒に調べようね」と促して、帰宅してからいっしょに調べるようにします。お子さまと一緒に調べることで、保護者のかたも今の社会を知るきっかけにもなります。
また、調べるときはスマートフォンなどでのインターネット検索が便利ですが、できれば地図帳や図書館などの紙の本で調べることをおすすめします。紙の本は調べるのに手間がかかるかもしれませんが、インターネットに比べ情報が確実なこと、探している途中で意図せず関連情報も参照することになるので、お子さまの興味・関心を広げるきっかけにもなります。
- 食材の買い物をきっかけに地名などの「社会科」を気付かせる
- 「特産品フェア」や食材のパッケージも「社会科」の教材
- 保護者も知らないことは、紙の本でいっしょに調べる
「通学路の略地図作成」と「略地図で風景予想」で地図に親しむ
社会科では地図の学習が欠かせませんが、そうした地図の学習も日常生活を起点とした体験がポイントになります。小学校低学年のうちからできる地図の親しみかたとして、「通学路の略地図作成」と「お出かけ先の略地図で風景予想」があります。
「通学路の略地図作成」は、お子さまに自宅から学校までの道のりを大まかな【線】で描かせ、実地をふまえて略地図を更新していくものです。地図を描くためには、位置関係の把握や距離感覚などが必要で、小学校低学年のうちはいずれも難しいと思われます。
そこで保護者のかたと一緒に通学路に赴き、略地図の更新と合わせて、通学時に危険な場所がないかという確認もおすすめします。
また「お出かけ先の略地図で風景予想」は、お出かけ先の案内板などにある略地図から経路上にある建物、川や橋などの目印から風景を予想し、目的地まで答え合わせをしながら移動するというものです。
地図で想像していたものが、実際に現地に赴いてみると印象が異なることがよくあります。そうした違和感を地図と照らし合わせて確認し、原因を考えてみることも立派な社会科の学習です。なお地図と風景写真を組み合わせて考察させる問題は、公立高校の入試や大学入試などでもよく出題されています。
- 子どもが作った通学路の略地図をもとに、実地の安全確認をする
- お出かけ先の略地図で、目的地までの風景を予想して実際に歩いてみる
まとめ & 実践 TIPS
小学校3年生から始まる社会科の学習は、低学年のうちは買い物などの日常生活にひそむ「社会科」に興味を持たせることがポイントとなります。
また日常生活にひそむ「社会科」は保護者のかたも学校で学んでいないことも多いので、お子さまといっしょにインターネットでの検索に加えて、地図帳や図書館の本などで調べる過程も含めた体験をすることをおすすめします。
株式会社プランディット 社会課 十河(そごう)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの社会(地歴公民)の教材編集を担当。
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