高校の勉強すべてが関係アリ!? 広がる多様な大学入試

大学に進学したいと思っている生徒は、高校でいつから勉強を始めればよいのか、悩むところです。大学入試センター試験が2021年度から「大学入学共通テスト」に衣替えしたこともあり、小中学生のお子さんを持つご家庭も、気になるところでしょう。いち早く改革に着手した大学では、日頃の勉強と入試とを分断しない「地続き」の選抜が始まっています。

この記事のポイント

改革は「高大接続」の一環

共通テストの導入をはじめとする大学入試改革の根底には、高校での学びと、大学入試、大学入学後の教育を一連のものとして改革する「高大接続」の狙いがあります。予測不可能な時代に人生を切り拓く力を育てるには、知識や技能を覚えるだけでなく、思考力や判断力、表現力につなげて課題を解決し、さまざまな人と協働する力が必要になります。知識の暗記や解き方のパターンを当てはめれば解けるような大学入試のままではいけない、という問題意識から出発しています。
2020年1月から約半年間、高大接続や大学入試改革の在り方を議論した専門家会議の提言は、他大学の模範となる先導的な入試を実施する大学を評価するよう求めました。そこで文科省は、22年8月に「大学入学者選抜における好事例集」を公表しました。ここでは、18の先進例を紹介しています。

日頃の学習から思考力や探究力を評価

北海道大学の医学部(医学科)や水産学部の「総合型選抜」では、高校の各教科での「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性(主体性・多様性・協働性)」の「学力の3要素」の評価を選考に利用する「コンピテンシー評価」を実施しました。「高校での日常的な学習を丁寧に評価し、大学教育へと繋げる意欲的な試み」と評価されています。
奈良女子大学は、高校2年生の10~12月に指定図書や課題テーマを示し、3年生の秋に提出した研究レポートや小論文をもとに選考する「探究力入試『Q』」を全学部で導入しました。そもそも大学が探究の場であるというメッセージを明確に打ち出し、入学後に重要となる探究力を評価しようとしています。

教育委員会と連携する大学も

京都大学の「特色入試」は、調査書に加え、検定試験の成績などの活動歴を記載した「学業活動報告書」や「推薦書」、大学で学びたいことや卒業後の進路などを受験生本人が書いた「学びの設計書」を提出し、共通テストの成績、高度な記述式試験などを組み合わせて選考を行う、独自の入試です。
長崎大学の事例は、大学と高校、教育委員会が共同で「高度な記述式問題」の作問研究を行い、サンプル問題を公表する、ユニークな取り組みです。

まとめ & 実践 TIPS

事例からは、各大学が学力の3要素を、新たなスタイルで評価し、選抜しようとしていることがわかります。入試科目に限らず、教科全般や探究的な活動、キャリア教育、課外活動などで身に付けた力も評価される時代の到来が予見されます。多様化する大学入試で受験生が力を発揮するには、高校での授業や評価の改善も、ますます必要になってくるでしょう。

(筆者:長尾 康子)

※文部科学省 大学入学者選抜における好事例について
https://www.mext.go.jp/nyushi/#r3koujirei

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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