休日の部活動、文化部も地域移行へ。その影響は?

吹奏楽や合唱、美術・工芸、自然科学、パソコンなど、子どもたちが多様な芸術や文化に親しむ機会として行われてきた、文化系の部活動。しかし、運動部活動と同様、少子化や教員の長時間労働を背景に、これまでのような活動が難しくなってきたことから、休日の活動を地域に移行する案が検討されています。どのような形に変化していくのでしょうか。このほど公表された専門家会議の提言から見てみましょう。

この記事のポイント

少子化や働き方改革が背景に

提言は、中学校の文化部活動が、少子化で生徒数が減少していることから、活動が難しくなってきていると指摘します。大会やコンクールに出場できるだけの部員が集まらなかったり、日々の練習もままならなかったりする学校もあります。
近年、部活動の指導や引率が、教員の長時間勤務の大きな要因であることが明らかになり、教員の負担を減らすためにも、まず休日の部活動を地域に移行する方法が検討されてきました。

課題は指導者や場所の確保

地域移行に当たっては、地域の文化芸術団体や、民間教室、芸術系大学などが「受け皿」として協力することが想定されています。
指導者の確保については、文化芸術団体と連携して外部指導者を派遣してもらったり、情報通信技術(ICT)を活用して遠隔地の指導者が指導したりするなどの先進的な事例があります。提言では、これらの情報をまとめて各地域の参考になるよう、広く提供するよう求めました。
専門家が指導してくれるなら上達が見込めそうですが、どの地域にもそうした人材がいるわけではありません。地域で指導者を確保するまでの間、教員が兼職兼業の許可を申請して休日も指導ができるようにするなど、過渡期の対応策も示しています。

大会や保護者負担、高校入試にも影響

大会やコンクールはこれまで学校単位の参加がメインでしたが、提言では、今後は地域の団体からの参加も認められるよう、国が大会主催者に要請すべきだとしました。
高校入試の調査書に部活動について記載する際は、単に活動歴や大会成績だけではなく、生徒の長所や個性に言及するなどの工夫を求めました。
また、休日に学校で行っている文化部活動の練習内容や指導体制などを、そのまま地域に移したのでは、現状の部活動の課題が温存されてしまうとして、生徒が文化芸術に親しむ環境を新たな視点でつくっていくべきだと強調しています。

まとめ & 実践 TIPS

提言が目標として示した2025年度末までの3年間で、地方公共団体が地域移行の「推進計画」を作るには、活動中の事故に対する保険の考え方や、経済的に困難を抱える家庭への支援策など、課題は山積みです。
「大変だった」「達成感があった」など、中学校の部活動の思い出は、人それぞれでしょう。自分たちの時代とは社会背景や状況が異なることを認識したうえで、社会全体で今後の部活動を考えていく必要がありそうです。

(筆者:長尾 康子)

文化庁 文化部活動の地域移行に関する検討会議
https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/sobunsai/chiiki_ikou/index.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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