これからの1年間で教育費はいくらかかる?

  • 教育費

子どもが入学したり進級したりすると、あらたな1年間でかかる教育費が気になりますよね。

教育費が多く必要になるのなら、他の支出を引き締めるなどの対策を考えなくてはいけないからです。けれど、住んでいる地域や通っている学校、家庭の教育方針などによって金額は異なるものです。そのため、1年間が終わってみないと、実際の教育費はわからないものなのです。

ただ、参考になるデータはあります。学年別の平均額と、○年生よりは□年生のほうが高いというような傾向は、文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」から読み取ることができます。
小学生、中学生、高校生でそれぞれかかる教育費について、順に見ていきましょう。

この記事のポイント

小学校時代にかかる教育費

小学校時代の教育費は、子どもの成長とともに増えていきます。ただし、1年生だけは特別で、6年生に近い金額です。

教育費の中身は、大きく2つに分けられます。学校でかかる「学校教育費(給食費含む)」とそれ以外の「学校外活動費」です。

1年生は、学校教育費に含まれる文房具類などの学用品や、ランドセルや雨傘などの通学用品など、初めてそろえるモノも多いため、金額がかさみがちです。安価なものを選んだり大切に使って長持ちさせたりするなどである程度の節約が可能ですが、体が大きくなって次のサイズへの買換えが必要になることもあります。

学校教育費に分類されるモノやコトは、どうしても「かかる」費用であり、「かけない」選択はしづらいものです。必ず支出する金額と考えておくとよいでしょう。

学年が上がるにつれて高額になっていくのは学校外活動費の中の「学習塾費」です。1年生の平均額1万7,991円に対し、6年生では9万6,289円と5倍以上になっています。これは、親子で相談して「かけない」選択が可能です。6年生の9万円台は調査に回答した全員の平均額なので、かけている家庭はもっとかけていますし、学習塾代ゼロ円の家庭もあります。

中学校時代の教育費

中学校の教育費は、1年生と2年生の総額に大きな差はありませんが、3年生は1・2生より10万円以上高くなっています。

中学1年生は小学校入学時と同じように、制服や通学用品費などそろえなければいけないものが多いため、学校教育費は3年間の中で一番高額になっています。その学校教育費の差を埋めてもなお3年生が高額になっている理由の一つは学習塾費にあります。

次の表は、中学校時代の学年別の教育費をまとめたものですが、それぞれの金額は調査に回答した人すべての平均額となっています。
この調査の他に、学習塾費を支出した人だけの平均額をまとめたものがあるのですが、3年生は回答者総数の約8割が学習塾費を支出していて、その平均額は39万3,000円となっています。

中学3年生の学習塾費平均額は約31万円ですが、実際に支出した人だけの平均額は約39万円と約8万円高くなっています。つまり、学習塾費がゼロの家庭では3年生の教育費は約26万円で、学習塾費を実際に支出した家庭の教育費は約65万円だったことになるのです。

高校時代の教育費

高校は私立に進学する人も増えるため、公立と私立の両方を見てみましょう。

義務教育だった小中学校と違い、高校では公私立とも授業料が発生します。施設設備費などの家庭負担もあるため、「その他の学校納付金」の額も小中学校より高額になります。

小中学校と大きく異なるのは、学校教育費と学校外活動費の割合が逆転し、学校教育費の割合が大きくなっていることです。学校教育費は節約が難しい部分であり、必ず支払うものと考えますが、この割合が大きいのです。

家庭で「支払う」「支払わない」を決めることのできる学校外活動費については、公私立の1・2・3年生すべてにおいて、学習塾費が最大の支出額となっています。公立は1年生7万1,534円、2年生9万8,567円、3年生15万650円。私立は1年生8万5,200円、2年生12万636円、3年生18万3,807円です。

3年生の学習塾費の支出割合は、公私立ともに約4割で、その平均額は公立35.8万円、私立43.0万円です。3年生で学習塾費がゼロの家庭では、公立の教育費約25万円、私立約67万円。学習塾費を実際に支出した家庭の教育費は公立約61万円、私立約110万円となります。

小中高校の教育費と進学資金の関係

従来、教育費は子どもの成長とともに高くなっていくので、比較的教育費のかからない就学前や小学校低学年~中学年が大学・専門学校資金のため時と言われてきました。

それは今も同じですが、小中学校に比べて高額になる傾向のあった高校の費用に対して「高等学校等就学支援金」などの支援が行われるようになり、高校時代の実質負担がやや軽くなっていることから、高校時代は最後の追い込みと考えて、大学・専門学校の資金準備の仕上げをするようにしましょう。

出典
「子供の学習費調査」文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/1268091.htm

菅原直子

「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。ファイナンシャルプランナー、教育資金コンサルタント。子育て世帯の教育費を中心としたライフプラン相談、進学資金が不足している高校生と保護者向けの教育資金セミナーおよび親が老後破産しないためのアドバイスに注力中。「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。子どもは3人。

プロフィール



メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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