学校教育の「リアル」と「デジタル」どちらが大事?

新型コロナウイルス感染症が落ち着きを見せてくると、学校では、感染予防を取りながらも、徐々に教育活動の幅を広げていくことになります。
これまで子どもたちは、人や自然などに直接関わるリアルな体験の機会が制限されてきた一方、ICT(情報通信技術)端末などを介したデジタル型の体験は豊かになってきました。リアルとデジタルのバランスを、どのように考えていけばいいのでしょうか。

この記事のポイント

「GIGA端末」整備で教材も充実

新型コロナのパンデミックが始まって以来、子どもたちのリアルの体験は、大きく制約を受けてきました。学校行事を中止や延期し、施設見学や外部講師の講演会などを見送ってきた学校も少なくありません。

一方で、子どもたちの日常に組み込まれつつあるのが、デジタル体験です。
小中学生に1人1台の端末を整備する国の「GIGAスクール構想」が完了し、動画や画像に対応するデジタル教材も豊かになってきました。教室では、コンピュータを使って勉強をするスタイルが定着しつつあります。

「最適な組合せ」が重要

文部科学省は2022年2月、今後の初等中等教育段階の教育政策の方針を示した「教育進化のための改革ビジョン」を公表しました。
「誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に引き出す教育」「教職員が安心して本務に集中できる環境」を基本理念として、四つの柱を掲げましたが、その最初に「『リアル』×『デジタル』の最適な組合せによる価値創造的な学びの推進」が挙げられています。

末松信介文部科学相は記者会見で、デジタル時代だからこそ実体験して学ぶことの価値を再認識し、学校内外の体験活動を充実させるために「経済団体とも直接対話し、企業やNPOを学校の活動に本格的に巻き込む大きな流れを作る」と決意を述べています。

これまでの工夫の再評価を

一方で末松文科相は、学校を核とする教育システムに、異年齢交流やボランティア、職業体験、介護体験、人と関わる機会の拡充を組み込むことも重要だと強調しています。

新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」が導入されたことにより、体験を取り入れた学習が広がってきています。学校行事も、やって終わりではなく、探究型の学習などと関連付けて取り組む機運も高まっています。

まとめ & 実践 TIPS

この2年間に、学校では、デジタルを生かして子どもの体験を保障しようという実践が、数多く生まれました。現地に行けない代わりに、修学旅行先の地域の学校とビデオメッセージを送り合ったり、探究の時間に生徒がオンラインで取材したりするなど、さまざまな知恵と工夫を集めることが必要です。
その際、末松文科相も述べているように、企業やNPOの力を借りることも有効でしょう。

(筆者:長尾 康子)

※文科省 教育進化のための改革ビジョン
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/1413767_00007.htm

末松信介文部科学大臣記者会見録(2022年2月25日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00245.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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