「新しい」学習図鑑が誕生!?『角川の集める図鑑GET!』は、何が新しい?

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2021年5月に創刊された『角川の集める図鑑GET!』は、「考える力を育む“新しい”図鑑」をコンセプトにした新感覚の学習図鑑シリーズ。従来の分類別ではなく生息地域別による構成やオンライン図鑑との連動など、もっと知りたいという好奇心を膨らませる工夫が詰まっています。

今回は、シリーズ第1弾として3冊同時発売された『恐竜』『動物』『昆虫』の内容を紹介しながら、新しい図鑑の魅力をお伝えします。

この記事のポイント

『角川の集める図鑑GET!』ってどんな図鑑?

知識を“手に入れる”という意味が込められている『GET!』シリーズ。各図鑑の中には「世界に旅立ち」「ナゾを解き」「集める」という3つの要素がちりばめられ、受動的に知るのではなく、より能動的に知識を広げたくなる構成になっています。また、各ページの欄外に「マメ知識」が載っており、+αの情報もGET!できます。小さな子どもから大人まで、幅広い世代が楽しく読める図鑑です。

知的好奇心を膨らませる3つの特徴

特徴1:世界を舞台にした「生息地域別」の構成

一番の特徴は、日本をメインにした従来の分類別の構成ではなく、「生息年代別」「生息地域・環境別」に構成した世界規模の図鑑であるということ。世界を舞台にすることにより、生物たちが実際に息づく姿をリアルに想像できます。アフリカから、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、北極や南極まで、『GET!』の中で地球上の各地をめぐることで、世界の地理や気候区分、環境問題などを考えたり学んだりするきっかけにもなります。

特徴2:『どっちが強い!?』とのコラボで「ナゾ解き」が楽しめる

新しい切り口の科学まんがとして注目を集める角川まんが科学シリーズ『どっちが強い!?』とコラボレーション。『どっちが強い!?』に登場するジェイクたちと一緒に図鑑の世界に入り込み、ダーウィン博士から課されるミッションの答えを探していくという展開は、ナゾ解き好きの子どもたちが夢中になること間違いなし。さまざまなミッションをクリアしていくことや、キャラクターのセリフやダーウィン博士のコメントを読むことで、より知識が深まります。また、まんが要素があることで小さな子どもでもすんなりと図鑑の世界に入っていけます。

特徴3:自分だけのオンライン図鑑が作れる「GET!+(プラス)」

紙の図鑑だけでなく、オンライン図鑑(無料WEBサービス)「GET!+(プラス)」と一緒に遊べるというのも最新の図鑑ならではのコンテンツ。紙の図鑑内に記載されているARマーカーを読み込むことで、写真やイラストをGETし、自分だけのオンライン図鑑を豪華にしていくことができます。ゲーム要素を取り入れることにより、子どもたち自身が主体的に考え、発見していく面白さが味わえます。

シリーズ創刊第1弾に『恐竜』『動物』『昆虫』が登場

シリーズ創刊第1弾として同時刊行されたのは『恐竜』『動物』『昆虫』の3冊。『恐竜』の監修に小林快次先生(北海道大学総合博物館教授)と千葉謙太郎先生(岡山理科大学生物地球学部生物地球学科講師)、『動物』の総監修に小菅正夫先生(札幌市環境局参与円山動物園担当、北海道大学客員教授)、『昆虫』の総監修に丸山宗利先生(九州大学総合研究博物館准教授)という、各界の第一人者が監修に参加しています。

恐竜たちの進化の歴史と地球の変化が学べる『恐竜』

・時代別、生息地域別に徹底再現
・迫力のある恐竜たちの姿
・発掘の歴史や最新の研究まで充実

「時代別」「生息地域別」に恐竜たちが生きている様子を徹底再現。恐竜たちの進化の過程を理解できるだけでなく、時代によって陸地がどのように変化してきたのかなど、地球全体の流れも学べます
恐竜の体つきや模様までリアルに再現されており、空を飛んでいる様子や恐竜同士で戦う様子など、迫力のある恐竜たちの姿に引き込まれます。『どっちが強い!?』のキャラクターたちと一緒に、恐竜たちの誕生から絶滅までをひとつのストーリーのように知ることができるところもポイント。また、日本や世界の恐竜発掘の歴史から最新の研究まで、恐竜についての周辺情報も充実しています。

監修者小林快次先生からのメッセージ

「新しい技術やアイデアで、恐竜研究は日々進歩しています。恐竜の『血管』や『色』など、私が恐竜研究を始めた1990年代では知るのが不可能とされていたことが、わかるようになってきています。もう恐竜研究は終わってしまったのでしょうか?もう研究はやりつくされてしまったのでしょうか?答えは『NO!』です。この広い地球には、まだ無数の恐竜化石が地中にねむっています。もうすでに発見され、博物館などの研究施設に保管されている恐竜も、新しい技術によってよみがえるときを待っています。この図鑑をとおして、恐竜に興味をもったみんな。恐竜研究者を夢見ているみんな。恐竜研究はまだ始まったばかりです。みんなで『新恐竜研究時代』をスタートさせて、この図鑑をさらに新しいものにしていきましょう!」

動物の種類だけでなく暮らしぶりもわかる『動物』

・生物地理区ごとに紹介
・背景付き写真で暮らしぶりがわかる
・迫力のある動物写真

地球上の生物の分布による生物地理区ごとに掲載することで、同じ地域に一緒に生息する動物たちを知ることができます。サバンナや砂漠など、それぞれの場所にどのような動物が暮らしているのか、地図や地形もあわせて理解できます。
また、自然の中の様子をとらえた背景入りの写真が豊富に掲載されており、実際に動物たちがどのような環境で暮らしているのかイメージしやすいです。数多くの動物たちと出会いながら世界一周旅行をした気分が味わえ、繰り返し読みたくなります。

総監修者小菅正夫先生からのメッセージ

「この図鑑では、生物地理区を知るところから始まります。そして、動物の基本を学んだら、各大陸へ向かいます。まるで君達自身が地球を旅するかのように、さまざまな生き方をしている動物と出会いながら、動物たちが環境とどれほど密接なかかわりをもっているかについて調べていけます。ところどころに出てくるダーウィン博士のクイズも、この図鑑をしっかりと読んでいけば、かんたんに答えられるでしょう。最後まで読み終わった君達が、多くの魅力的な動物たちといつまでもこの地球で生き続けていくために、なにができるかを考え、そして実行してくれることを期待しています」

世界中に生息する昆虫の魅力がつまった『昆虫』

・世界中から厳選された1500種以上を掲載
・昆虫の多様性を実感
・カッコよく美しい写真

「もっと知りたい」と感情を揺さぶる昆虫を世界中から集めた昆虫図鑑。100万種を超える昆虫の中から厳選された1500種以上を掲載。総監修者でもある丸山宗利先生自らが採集・標本作成・撮影したものもあり、昆虫がいちばんカッコよく、美しく見えるアングルを選んでいるとのこと。昆虫の標本写真は、基本的には原寸大で掲載。
昆虫のなかま分けから始まり、昆虫を求めて世界中をめぐる構成で読み応えがあります。同じアゲハチョウでも、熱帯アジアと南アメリカでは色や模様がどのように違うのかなど、自ら調べたい意欲が湧いてきます。世界中の昆虫を見ることで多様性も実感できます。

総監修丸山宗利先生からのメッセージ

「昆虫の魅力はなんといっても、その多様性です。世界にいる生物種の半分以上は昆虫で、100万種以上が知られています。さらに、実際に存在する種数は500万種とも1000万種ともいわれています。そして多くの場合、種がことなれば、すがた形や生活のしかたもことなります。この地球上に、それだけいろいろな昆虫がいると想像すると、なんだかわくわくしませんか?この図鑑では、世界のさまざまな昆虫を紹介しています。もちろん、世界の昆虫のごくごく一部しか出ていませんが、いかに昆虫が多様でおもしろいかがわかってもらえるようにつくりました」

2021年冬以降にも新作が続々と刊行予定

能動的に知識を手に入れられる新しい図鑑シリーズ『角川の集める図鑑GET!』は、生息地域別の構成により、世界の地理や気温、降水量といった社会や理科の勉強などにもつながり、1冊から豊富な知識を得ることができます。今後も新作が刊行予定とのことなので、期待して待ちたいところです。

第2弾:危険生物(2021年冬1冊刊行予定)
第3弾:人体(2022年春1冊刊行予定)
第4弾:魚/星と星座(2022年夏2冊同時刊行予定)

『角川の集める図鑑GET!』シリーズ
仕様:A4変形判(210mm×284mm)
・『恐竜』224ページ、『動物』256ページ、『昆虫』272ページ
対象読者:3歳~(総ルビ)
定価:2,200円(本体2,000円+税)
出版社:KADOKAWA
公式サイト:https://zukanget.com

まとめ & 実践 TIPS

世界中を旅しているような感覚、ナゾ解きやオンライン図鑑を集めるゲーム要素なども入った、子どもたちのワクワクを膨らませる作りは、まさに新時代の図鑑といえます。子どもたちの学ぶ姿勢を刺激する『GET!』シリーズ、揃えていきたくなりますね。

執筆/井上加織

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