オンライン授業と対面授業の併用、試行錯誤の中でスタート! 今後はハイブリッド化が加速!?

新型コロナウイルス感染症への対応で、社会全体のデジタル化の遅れが指摘される中、2021年4月の緊急事態宣言などをきっかけに、オンライン授業の必要性が改めてクローズアップされています。子どもたちの学びをよりよいものにする視点から、デジタル活用の本来の意義を見失わないことが重要です。

この記事のポイント

Q 4月の緊急事態宣言で小中学校の授業はオンライン化したの?

A やっと全国的に機器が整備されたばかりで、オンライン授業も準備途上です。

東京都、京都府、大阪府、兵庫県の4都府県に緊急事態宣言が発令されたのを受け、大阪市立の小中学校では、オンライン授業が始まりました。家庭でオンライン学習やプリント学習をし、登校して家庭学習の理解を深める指導などをしています。

ただし、全面的にオンライン化したわけではありません。オンライン授業に必要なコンピューター端末を子ども1人に1台配付する「GIGAスクール構想」は、全国的に見て、おおむね完了したばかりだからです。1,812ある自治体の75%では、今年の1月から3月にかけて端末が納品されており、本格的な活用はこの4月から始まった、という学校も少なくありません。オンライン授業も、まだ準備の途上と言えます。

Q これからの動きは?

A オンラインとオフラインの有効活用を模索していくことになりそうです。

コンピューターを活用した学習は、オンライン授業だけにとどまりません。
日本経済団体連合会(経団連)が教育分野のデジタル化を促進するために3月に発表した提言書によると、AI(人工知能)ドリルを用いた演習や、オンライン上での情報共有、共同編集、3Dプリンターやプログラミング学習など、オンラインのデジタル技術抜きにはできない新しい学習の姿を提起しています。テクノロジーを用いて、子どもたちが自律的に学ぶ環境を整え、想像力や創造力につながる力を育成することが重要だとしています。

同時に、体育や理科、美術などの実技を伴う授業や、コミュニケーション能力・協調性などの「非認知能力」を高めるのに有効な学校行事やクラブ活動などは、オフライン(対面)を重視し、両方のよさを取り入れた学びの在り方を模索すべきだとも述べています。
どちらか一方ではなく、多様な方法を組み合わせる「ハイブリッド型」の必要性があるのです。

Q ハイブリッド型教育はどう進むの?

A 2020年中にオンライン授業への切り替えが一気に進んだ、大学の動きが参考になりそうです。

採用と大学教育について産学の関係者が話し合う協議会の報告書では、対面授業とリモート授業の組み合わせによるハイブリッド型教育への流れは後戻りできず、これからの大学はハイブリッド型授業の定着を目指すよう提言しています。そのためには、通信ネットワークや施設の充実を図ると同時に、実験や実習、実技、ゼミなど対面型の比重が大きい教育環境を整備し、評価や修得単位数の考え方も変えていかねばならないとしています。GIGAスクール後の小中学校や高校でも、端末整備後の課題として考えていかねばならない点でしょう。

まとめ & 実践 TIPS

デジタル化によって人々の生活がよりよいものに変わっていくことを、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」と呼びます。教育の世界でもデジタル活用は、子どもたちの学びがよいものへと変革することを目指すべきです。
アプリ操作を教えることに終始するのではなく、その先にどのような学び方ができるか、という視点から、幅広くデジタル活用を捉えることが求められていると言えそうです。

(筆者:長尾康子)

出典:
※経団連「Society 5.0時代の学びⅡ~EdTechを通じた自律的な学びへ~」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/027.html

※採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2020年度報告書「ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/040.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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