子ども向け図鑑のおすすめは?『小学館NEO』『学研LIVE』『講談社MOVE』のDVD付きシリーズを図鑑マニアが徹底比較!新注目『角川の集める図鑑GET!』も紹介

小さな子どもから大人までが夢中になる図鑑。各社からさまざまな図鑑が出版されており、どのように選んだらいいかわからないというかたも多いかと思います。
今回は、ジャンルが充実しており特に人気の高い『小学館の図鑑NEO』『学研の図鑑LIVE』『講談社の動く図鑑MOVE』の3シリーズに注目し、図鑑の傾向や内容をご紹介。
1000冊以上の図鑑コレクションを持ち、図鑑マニアとしてテレビにもご出演されている斉木健一さんに、人気図鑑を徹底比較していただきました。

さらには、2021年5月に創刊された新感覚の学習図鑑シリーズ『角川の集める図鑑GET!』も編集部よりご紹介します。

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この記事のポイント

    3大図鑑の最近の傾向は?

    動物や昆虫といった定番のものから、危険生物、宇宙、人体、科学のふしぎまで、さまざまな図鑑が出版されています。最近では多くの図鑑がDVDつきになり、写真だけでなく動く映像も楽しめるようになっています。
    中でも、『小学館の図鑑NEO』『学研の図鑑LIVE』『講談社の動く図鑑MOVE』、この3つのシリーズはラインナップも豊富で人気があります。

    『小学館の図鑑NEO』(小学館)は、本物にこだわった、長く使える図鑑シリーズ

    『小学館の図鑑NEO』(小学館)は、本物にこだわった、長く使える図鑑シリーズ

    小学館の図鑑は60年以上の歴史があり、NEOシリーズも本物にこだわって作られています。豆知識やトピックスが豊富で、飼育法や調理法など体験に結びつくような記事も多いです。『野菜と果物』の図鑑に掲載されている野菜や果物は、もっとも身近な生き物といえます。カレーの各種スパイスやイチゴの品種の特徴も載っています。家族の食卓も図鑑を使って楽しめます。
    スペシャル特典として『ドラえもん・のび太のびっくり~~DVD』がついているものもあり、小さな子どもも楽しめます。
    幼児向けのめくって遊べる図鑑『まどあけずかん』シリーズ、『くらべる図鑑』や『分解する図鑑』で話題の『NEO+ぷらす』シリーズ、持ち運びに便利なハンディサイズの『NEO POCKET』シリーズなど、NEO関連シリーズも多数あります。

    https://www.shogakukan.co.jp/pr/neo/

    ・60年の歴史がある長く使える図鑑
    ・本物にこだわったシリーズ
    ・昆虫系の図鑑が多い
    ・きのこや野菜と果物、イモムシとケムシ、岩石・鉱物・化石など他とは違うラインナップも
    ・豆知識やトピックスが豊富
    ・飼育法や調理法など体験に結びつく記事も多い
    ・全24冊
    ・価格2,200円(税込)
    (データは2021年4月現在の情報です)

    『学研の図鑑LIVE』(学研プラス)は、全巻DVDつき!スマホとの連動画像も楽しめる

    『学研の図鑑LIVE』(学研プラス)は、全巻DVDつき!スマホとの連動画像も楽しめる

    LIVEは写真も内容も伝統的な感じの図鑑です。図鑑本編に掲載されている種類も豊富で、調べものをするときにも役立ちます。
    シリーズの特長として、すべての図鑑にBBC(英国放送協会)が制作した貴重な映像や学研オリジナル映像を収めたDVDがついています。また、無料アプリをダウンロードしてスマートフォンやタブレットを図鑑にかざすと、動物や昆虫の動く様子や鳴き声の動画、恐竜などの3DCGを見ることができ、よりリアルな体験ができます。いままでの図鑑の弱点だった声をチェックできるのは嬉しいところ。野鳥やカエル、鳴く虫の実際の音声も調べることができます。
    環境をテーマとしたシリーズ『LIVE eco』では『外来生物』の図鑑も出版されています。生物多様性を脅かす外来生物の問題は、学校でもよく取り上げられるテーマで、自由研究にも適しているので、小学生のお子さんにはぜひ持っていただきたい一冊です。

    https://zukan.gakken.jp/live/

    ・種類豊富な掲載量
    ・アプリと連動
    ・全図鑑にDVDつき
    ・動物や恐竜などの定番系が充実
    ・古生物・深海生物・外来生物もそれぞれ1冊に
    ・外来生物は自由研究にも適している
    ・既25冊
    ・価格2,420円(税込)

    『講談社の動く図鑑MOVE』(講談社)は、臨場感&迫力のある写真が特長

    『講談社の動く図鑑MOVE』(講談社)は、臨場感&迫力のある写真が特長

    最初にDVDつき図鑑を出したのがMOVEです。『NHKスペシャル』などNHKアーカイブスの中から厳選された映像が収録されており、内容も充実していて見応えがあります。
    図鑑はとにかく迫力重視! 動物も植物も昆虫も、シリーズ全体の特長として迫力のある写真が多数掲載されています。写真は標本ではなく生きている姿が多いです。
    中でも、『世界遺産』の図鑑は、迫力重視のMOVEの良さが生かせている図鑑。国内外の巨大遺跡や自然の風景が、画面をはみ出すような迫力で迫ってきます。
    小さな子ども向けのファースト図鑑として『はじめてのずかん』シリーズがあり、きょうりゅう・どうぶつ・みぢかないきものの3冊が発売されています。

    http://zukan-move.kodansha.co.jp/

    ・迫力のある写真
    ・標本ではなく生きている姿が多い
    ・全図鑑にDVDつき
    ・生きもの、乗りものまで幅広いラインナップ
    ・ふしぎを謎とくシリーズもあり
    ・世界遺産はMOVEの良さが生かせている図鑑
    ・全30冊
    ・価格1,760~2.200円(税込)

    編集部セレクト!『角川の集める図鑑GET!』は生息地別分類やナゾ解きで主体的に知識を広げたくなる構成が特長

    3大図鑑に加えて編集部がおすすめしたいのが、2021年5月に創刊されたばかりの『角川の集める図鑑GET』シリーズです。「考える力を育む"新しい"図鑑」をコンセプトにした新感覚の図鑑で、従来の分類別ではなく生息地域別による構成や、自分だけのオンライン図鑑を作っていける仕掛けなどもっと知りたいという好奇心を膨らませる工夫が詰まっています。

    さらには、角川まんが科学シリーズ『どっちが強い!?』とのコラボレーションも実現。図鑑の世界に入り込み、与えられたミッションの答えを探していくというナゾ解きが用意されているため、子どもたちが夢中になること間違いなし。「ワクワクしながら、楽しんで学んでいってほしい」との願いを叶えられるシリーズです。

    https://zukanget.com/

    ・世界を舞台にした生息地域別の構成
    ・自分だけのオンライン図鑑を豪華にしていける
    ・豊富なナゾ解きミッションで、主体的に知識を増やしていける
    ・シリーズ創刊第1弾は『恐竜』『動物』『昆虫』の3冊
    ・2021年冬以降にも新作が続々と刊行予定
    ・価格2,200円(税込)

    昆虫図鑑でそれぞれの図鑑を比較してみると

    昆虫図鑑は基本的に調べるときに使うものなので、種類がたくさん載っているということはそれなりに重要です。また、掲載されている写真のサイズが実物大であるかどうかということも、採取した昆虫と大きさを比べて種類を特定するときの大切なポイントになります。
    具体的な違いは、クワガタムシのページでそれぞれ見てみましょう。

    昆虫図鑑でそれぞれの図鑑を比較してみると

    写真

    NEO 1つ1つ丁寧に撮影された標本写真を使用。あしの開き方など、統一されており、色もきれいです。生態写真も掲載されており、昆虫の生態を知ることができます。

    NEO

    LIVE 昆虫を美しい標本写真で紹介。体の特徴がわかる拡大写真や、色鮮やかな写真も掲載されています。昆虫の生態がわかる生態写真も多数あります。

    MOVE 本格標本写真と迫力のある生態写真を掲載。躍動的な昆虫の姿が数多く収録されています。巻頭のページは臨場感のある写真が並んでおり、圧倒されます。

    MOVE

    大きさ

    NEO 昆虫のサイズはだいたい実物大で掲載されており、小さくて見にくい昆虫のみ拡大したものと実物大のシルエットが並んで掲載されています。

    LIVE 本当の大きさにこだわっています。実物大の写真と比較できるのは、個体差があるクワガタムシの種類を調べるときに大変役立ちます。小さい昆虫は拡大したものと実物大のシルエットで掲載。

    LIVE

    MOVE ノコギリクワガタなど、実物より大きく掲載されている昆虫も多く、迫力があります。実際の大きさは緑色の線で記されています。

    MOVE

    種類

    NEO 掲載種数が幅広く、子どもから大人まで活用できます。進化の過程で原始的とされている種から順に掲載されているのもNEOの特長です。

    LIVE 2000種以上の昆虫を掲載。クワガタムシに限らず、全体的な特徴として多くの種類の昆虫が載っています。

    MOVE 種類数を多く掲載するよりも、面白い生態写真を大きく載せるほうにこだわっている図鑑です。

    子どものタイプ別、おすすめ図鑑シリーズはコレ

    親子で楽しめるのは小学館NEO

    トピックスや豆知識が豊富で、図鑑としての情報量はもちろん、巻末の特集も充実しており読み応えがあります。図鑑で種類がわかるだけでなく、採集のマナーや探し方、標本の作り方まで掲載。親への配慮も行き届いており、採集した昆虫の持ち帰り方、飼育の基本など、子どもと一緒に昆虫を通して遊ぶための知識がつまっています。

    親子で楽しめるのは小学館NEO

    昆虫好きには学研のLIVE

    すでに昆虫が好きな子にはLIVEがいいでしょう。本物と同じ大きさで掲載されているというのは、昆虫の種類が調べやすいポイントです。採集した昆虫の種類を自分で調べられる子どもには大変使いやすい図鑑です。昆虫が見られる地域や幼虫の食べ物、特徴などが昆虫それぞれに書かれており、ある意味マニアックです。
    スマートフォンと図鑑がリンクしていることを利用して、セミやコオロギなど、鳴く虫の鳴き声と姿を対応させることができます。鳴き声で種類がわかれば、「子ども昆虫博士!」といって良いでしょう。
    特典のDVDに収録されているBBC(英国放送協会)の映像が美しく、海外の昆虫が多く出てきます。

    昆虫好きには学研のLIVE

    初心者や小さい子には講談社のMOVE

    大胆なページ構成とダイナミックな生態写真が多く載っており、図鑑自体を見て楽しむというのにおすすめの一冊です。迫力重視のこの図鑑をきっかけに、図鑑に興味を持つ子どもは多いと思います。
    どちらかというと初心者、まだ昆虫好きかわからない小さな子どもにおすすめです。写真に迫力があるので、読んだらきっとこの図鑑に引き込まれて、昆虫が好きになると思います。贈り物としてもMOVEは喜ばれます。

    おすすめの図鑑の楽しみ方は?

    楽しい見方、使い方は?

    昆虫図鑑はとくにそうですが、図鑑に載っている写真そのものを見て楽しむというのがひとつ大きな楽しみ方だと思います。ある意味、観光ガイドブックのようなものというか。≪この国に行ってみたいな≫と思いながら観光ガイドブックの写真を見るように、≪海外の昆虫をいつか見てみたいな≫と思いながら図鑑の写真を見て楽しめます。
    また、図鑑とスマートフォンの相性は抜群ですので、ぜひ使っていただきたいと思います。図鑑の欠点は重いこと。旅先で図鑑を見たくても、野草、鳥、昆虫と、何冊もの図鑑を持って旅行に行くのは大変です。そこで活用できるのがスマートフォンです。その場で実物を撮影して、宿や家に帰ってから図鑑で調べる。手元には旅の記録の一枚も残ります。コツは、いろいろな角度から何枚も取ること、野草なら花だけでなく葉や全体も撮ること。昆虫ならできるだけ図鑑と同じ角度から撮ることです。

    図鑑はどこに置くと楽しめる?

    図鑑の置き場も大切です。食卓のそばなど、家族が集まるところが最高です。お寿司がでたら、魚貝図鑑の出番です。「ハマチってどんなサカナ?」「ボタンエビって?」と知らない世界が広がります。毎日食べる野菜も知らないことがいっぱい。「キャベツやナスも花が咲くんだ!」と子どもと一緒にびっくりしましょう。

    図鑑の選び方、買い方は?

    図鑑を買うときは親子で選んで欲しいです。子どもが興味を持つものはどんなものだろう、何が好きなんだろうということをよく見ながら、一緒に選ぶのがおすすめです。親が一方的に選ぶのではなく、必ず子どもの意見を優先して、子どもが手にしたものを選んでください。
    同じシリーズで図鑑を揃えたいという親御さんの気持ちはよくわかりますが、子どもは気に入った図鑑しか読まないことが多いです。実は、図鑑はそれぞれ作っている編集者が違うため、1冊1冊に個性があり、同じシリーズでも子どもが気に入るもの、ほとんど読まないものがでてくると思います。また、たいていの場合、昆虫好きな子は、昆虫図鑑だけ5~6冊欲しいと言うものです。図鑑のシリーズにこだわらず、子どもが好きな図鑑から買ってあげるといいでしょう。もちろん、「同じシリーズの図鑑が並んでいる姿を見るのが好き!」という子どももたくさんいます。とにかく子どもの声に耳を傾けてください。

    図鑑をきっかけに好きなものを見つけて

    ぜひ図鑑をネタに親子で一緒に楽しんでいただきたいです。昆虫採集で公園にいくのもいいし、昆虫を飼ってみるのもいいと思います。親子で一緒にハマると、子どもが高校生になっても共通の話ができます。
    私にも3人の男の子がおり、家にもたくさん図鑑があります。子育ての中で図鑑の影響で大きかったのは、わからないとすぐ調べるクセがついたことです。政治経済などはネットで調べることが多くなりましたが、生き物はやはり図鑑ですね。子どもたちも成長し、サボテン、縄文土器、クワガタムシ、と、3人とも違う方向に興味が向きましたが、クワガタムシ好きな子は、中学高校で生物部に入りました。うちの子どもたちは、図鑑を読むのが好きというよりは、虫を採ったり草花を育てたりするほうが好きです。
    前述したように、図鑑はあくまでも観光ガイドブックのようなものです。ガイドブックを見るより、実際にその地に行って実物を見るほうがずっと楽しいですよね。図鑑も同じです。生き物が好き、動物が好き、魚が好きということがメインで、図鑑はあとからついてくるものでいいのです。図鑑をきっかけに、なにか好きなものがみつかるといいなと思います。

    3大図鑑ラインナップ早見表

    ●DVDつき
    〇図鑑のみ
    ×なし

    3大図鑑ラインナップ早見表

    取材・文/井上加織

    取材協力
    千葉県立中央博物館分館 海の博物館
    http://www2.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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    斎木健一

    1962年、神奈川県生まれ。千葉県立中央博物館 海の博物館 分館長。1000冊以上のコレクションがある図鑑マニア。『マツコの知らない世界』をはじめとしたテレビやメディアにも多数出演。『図鑑大好き!-あなたの散歩を10倍楽しくする図鑑の話-』(彩流社)の監修・執筆を手掛ける。『講談社の動く図鑑 MOVE 植物』(講談社)の監修も担当。

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