部活をがんばる子は、勉強へのやる気もある？！　両立のコツは？

コロナ禍で部活動に制約がある状況が続き、以前のように思い切り部活動に打ち込めるようになる日を心待ちにしている中学生は少なくないでしょう。
昨年までは、部活三昧の我が子を見て「部活をしてない子と比べて学力に差がついてしまうのでは…」と心配していた保護者のかたも、今はわが子に部活動を思い切りやらせてあげたいと願っていらっしゃるのではないでしょうか。
部活動をがんばっている子は、勉強に関してもやる気があるケースが多いようです。今回はその理由や両立のコツをお伝えします。

（勉強法アドバイザー　平野りえこ）

部活もがんばることで、自分で考え、集中して取り組む力がつく

アドバイザーとして日々中学生からの学習相談を受けていると「部活をがんばっている子は、勉強に関してもやる気があるな！」と感じることが多々あります。
そして、部活を続けてきた子たちが受験生になったときに、その部活の経験が糧になり「力を伸ばしているな」と実感する場面も多いのです。その理由を、勉強の取り組み方も交えてご紹介したいと思います。

部活に取り組んでいる子は、勉強に割ける時間が少ない分「今何をしないといけないのか」を自分で考えて取り組む力が自然と身についていきます。
ただ漠然と「どうすればいい？」と相談してくる子が多い中、部活との両立を意識している子は、「こう改善したいのだが、どうしたらいいか？」というように、具体的な相談をしてくることが多いです。これは、勉強を進めるうえでとても大切なこと。

限られた時間で「どこを勉強したら力を伸ばすことができるか」という優先順位を考えて勉強に取り組む力をつけるきっかけになります。机に向かっている時間が少なく不安になることもあると思いますが、短時間で効率的な勉強のやり方を身につける機会ととらえてみてもいいのではないかなと思います。

部活をしていると、実は勉強ペースをつくりやすい

中学生の勉強は、ペース配分がポイントになります。
普段は、授業の内容をある程度理解しておけばＯＫ！
定期テスト１週間前からは、部活が休みになることが一般的です。
そのときに、部活からテスト勉強にギアチェンジをして、ギュッと集中して取り組むことができれば、テストで力を発揮することができます。
部活をしている子はこのギアチェンジがとても上手！
これを積み重ねていくことで、部活引退後、受験勉強への切り替えもきちんとできるようになるのです。

部活という経験を通して、勉強以外のことでも成長できる

中学校で学ぶ大切なことは、勉強だけではありません。
部活では、先輩や後輩との人間関係・同学年の仲間との絆など、学べることがたくさんあります。
我が家にも卓球部に所属している中学３年生の息子がおり、副部長を経験しました。部長を補佐し、後輩に分かりやすく技術を教えるにはどうしたらいいか…ということを日々考えて活動していた、という話を聞きました。
このように「仲間や後輩のために、自分ができる事は何か」を考えてきた経験が、受験生になった今「合格するために、自分がやるべき事は何か」を自分自身で考える原動力になっていると実感しています。