【Q&A】大学の奨学金にはどんな返済パターンがある? 返済できない場合はどうなる? [2021年度]

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大学等の在学中にとても助けられる奨学金ですが、貸与型は卒業後に返済義務が生じます。奨学金の活用は、返済パターンも考慮した計画的な利用がポイント。奨学金の返済に関するご質問にお答えします。

この記事のポイント

奨学金の返済はいつから始まる? 誰が払う?

日本学生支援機構(以下、JASSO)の貸与型奨学金の場合、卒業後から毎月一定額を口座振替で返済していきます。返済にかかる年数は在学中に貸与された金額と毎月の返済額によって変わりますが、原則として20年以内に返済を済ませなければなりません。

JASSOの場合、返済義務があるのは奨学金を受けた学生本人。大学独自の貸与型奨学金の場合は、保護者が契約者になっている場合もあります。

詳しくはJASSOのWEBページまたは各大学の奨学金窓口で確認してください。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の返済パターンは?

JASSOの奨学金の場合、返済パターン(割賦方法)は「月賦返還」と「月賦・半年賦併用返還」の2つです。「返還誓約書」での選択に基づき、原則として変更はできません。

【月賦返還】

毎月一定額が引き落とされる

【月賦・半年賦併用返還】

毎月一定額が引き落とされ、1月と7月にまとまった金額も引き落とされる

家計に余裕があれば、繰り上げ返済も可能です。特に第二種奨学金は年ごとに利子がつくため、なるべく早く返済できるほうが支払額は少なくなります。

JASSOの第一種と第二種を併用する際の注意点は?

JASSOの第一種と第二種は併用できるので、第一種で学費を支払い、第二種で生活費を補うという使い方をする方もいるでしょう。

第二種の貸与額は12万円まで選択可能。第一種で月3万円、第二種で10万円を受け取る場合、4年間フルで利用すると計624万円になります。ここから試算すると、月額3万〜4万円を10年以上支払う計算です。

厚労省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、20代の年間収入の中央値は209.9万〜242.9万円。上記のパターンでは、収入のうち年間36万円は返済に充てなければなりません。

第一種と第二種の両方を利用できるとしても、将来返済できる現実的な金額を試算した上で決めましょう。

奨学金を返さないとどうなる?

貸与型の奨学金を利用して返済を滞納すると、督促が届き、延滞金が発生します。それでも返さない場合、奨学金の申請手続きで保証人になった家族や知人に返済するよう連絡が行くことも。長期間滞納すれば、将来家やマンションを買う際に住宅ローンを組めないといった弊害も出てきます。

最悪の場合、訴訟が起こされ財産差し押さえということにもなりかねません。

奨学金の返済を軽減する制度には何がある?

日本学生支援機構の奨学金返済で生活が苦しい場合、次の制度を利用できる可能性があります。

【猶予年限特例】

・平成29年度以降に第一種奨学金に採用された方が対象
・前年度の所得に応じて10月から翌年9月までの返還月額が決まる(月額2000円以上)
・割賦方式は月賦返還のみ
・日本学生支援機構奨学金相談センターに連絡して書類を郵送してもらい、簡易書留で書類を提出する

【最低返還月額申請】

・猶予年限特例が適用されている方が対象
・返還月額が2000円になる
・返還開始から1年以内の最初の9月までの期間について、定められた返還月額が支払えない場合に申請可能
・「スカラネット・パーソナル」または郵送で申し込む

【奨学金減額返還願】

・第一種「所得連動変換方式」を選択していない方が対象
・一定期間、通常の返還月額の半額または3分の1の金額で返済できる
・必要書類をJASSOに送付して申し込む(申請書に「今後の返還見通し」などを記載する必要がある)

【奨学金返還期限猶予】

・1年間の返済猶予期間が認められる(1年ごとの申請で通算10年まで)
・必要書類をJASSOに送付して申し込む(申請書に「今後の返還見通し」などを記載する必要がある)

また、企業の中には社員の奨学金返済を支援する制度をもつところがあります。詳しい条件等は各企業の窓口に問い合わせましょう。

出典:
奨学金|独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html

令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html

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