【Q&A】大学生向け奨学金の種類・金額は? 「返さなくていい」奨学金の代表例 [2021年度]
- 教育費
「平成30年度学生生活調査」によれば、大学生の学費・生活費は平成28年度より増加し、年間平均190万円ほど。約34%の大学生が「家庭からの給付のみでは修学不可能・困難」または「給付無し」と答えました。現在では2.6人に1人の学生が奨学金を利用しています。
国内で学ぶ大学生向けの奨学金にはどのような種類があり、いつ申し込めばよいのでしょうか?
どのような奨学金制度の種類がある?
奨学金には、大きく分けて返済が必要な「貸与型」と返済不要の「給付型・免除型」があります。貸与型には無利子と利子付きがあり、一般的に利子付きのほうが無利子より選考基準がゆるめです。
奨学金制度をもつ代表的な団体としては、以下のようなものがあります。
- ・日本学生支援機構
- ・大学
- ・民間企業
- ・地方自治体
日本学生支援機構(JASSO)とは? 奨学金の種類と金額は?
日本学生支援機構(以下、JASSO)は、日本の大学等において学ぶ学生などに対して「適切な修学の環境を整備」することを目的とした文部科学省管轄の独立行政法人。奨学金・留学生支援・学生生活支援の3つの事業を手掛けています。
これまで国内で学ぶ学生向けとしては貸与型奨学金のみでしたが、2020年4月から給付型がスタートしました。
【第一種】(貸与型・無利子)
条件:特に優れた学生・生徒で経済的理由により著しく修学困難
金額(通常月額):国公立 2万〜約5万円・私立2万〜約6万円
【第二種】(貸与型・利子あり)
条件:第一種と同様だが、よりゆるやかな基準
金額(通常月額):2万〜12万円
利子:在学中は無利子・卒業後は年3%が上限
【給付型】(返済不要)
条件:家計・学業成績(高校の全履修科目評定平均値が5段階で3.5以上)・学修意欲(面談またはレポート)など
金額(月額):国公立約1万〜6万6000円・私立約1万3000〜7万5000円
※奨学金の最新情報は、JASSO公式サイトでご確認ください。
奨学金の申し込み方法や期限は?
奨学金の申し込み方法や申し込み期限は、制度によって異なります。
JASSOの奨学金の場合は、以下のとおりです。
【貸与型】
申込期間(予約採用):在学校が決めた期間
申込期間(在学採用):毎年春
申込方法(予約採用):在学校を通して申し込み、進学した学校に書類を提出してパスワードを受け取り、WEBサイトから「進学届」を提出する
申込方法(在学採用):在学校の奨学金窓口に書類を提出し、スカラネットで申し込む
【給付型】
申込期間(高3生):在学校が定めた期間
申込期間(大学生):毎年春・秋(大学を通じて案内)
申込方法(共通):スカラネットでの申請および書類の提出
※申し込み方法や期限の最新情報は、JASSO公式サイトでご確認ください。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金と他の奨学金は併用OK?
JASSOの奨学金と他の奨学金を同時に受け取ることは、原則的には可能です。
ただし、地方自治体の奨学金制度は、JASSOの奨学金と併用不可となることがあるので注意。それぞれの支給条件などをよく確認しましょう。
返さなくてよい奨学金は、どのくらいある?
「返さなくてもいい」奨学金の代表例には以下の4つがあります。
- ・JASSO「高等教育の修学支援新制度」の奨学金
- ・大学独自の給付型奨学金
- ・民間企業の給付型奨学金
- ・医療系・福祉系の「返還免除制度」がある奨学金
医療系・福祉系の「返還免除制度」は、資格取得後に指定の病院や施設などに一定年数勤務するなどの条件を満たせば、奨学金の一部または全部を返さなくてもすむ制度。自治体や医療法人、地域の医師会などによる制度です。
返還免除とは厳密には異なりますが、企業による社員の奨学金返還を支援する制度もあります。奨学金の返済義務をもつ社員に対して、一定額内の金額を支給する支援制度です。詳しくは所属する企業にお問い合わせください。
出典:
平成30年度学生生活調査|独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/gakusei_chosa/2018.html
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