子どもの学費・教育費 幼稚園から大学までの平均額は? 公立vs私立、習い事費用でも変わる?

子どもが成長していくのはうれしいものですよね。しかし、それに伴って増えていくのは教育費です。「習い事をさせたい」「私立に進学させたい」などの希望が多ければ、その額はさらに増えるでしょう。将来のことを見据えて、計画的に準備をしていく必要があります。今回は、子どもの学費・教育費はいくらかかるのか具体的に見ていきましょう。

この記事のポイント

Q 学費・教育費とは?

A 学費・教育費は子どもの学びに関わる費用のこと

学費と教育費は、一般的には同義で使用されています。その内訳は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3つです。
学校教育費は、学校に通うために必要な費用のことです。授業料だけでなく、学用品や制服、通学費なども含まれています。学校給食費は、給食費として徴収されている費用のことです。
そして学校外活動費は、学校以外でかかる費用のこと。家庭学習で使用する教材や学用品、塾や習い事の月謝、その他体験活動などにかかる費用が含まれています。学校外であっても、子どもの学びに関わることはすべて学費・教育費と呼ばれるのです。

子ども1人につきおよそ19年間分の教育費が必要

教育費は、子ども1人につき19年間分必要だと考えておきましょう。これは、幼稚園入園から大学卒業までの期間になります。
令和2年度に行われた文部科学省の調査によると、高等教育機関への進学率は全体の83.5%、大学・短期大学への進学率は58.6%という結果で、この割合は年々高くなっているそう。半数以上の子どもが大学まで進むことを考えると、それを想定した準備をしておくのが安心です。
ただし、実際にかかる費用は状況によって大きく異なります。私立なのか公立なのか、習い事はどのくらいしたいのか、住んでいる地域はどこか……。どんな状況だといくら教育費がかかるのか、次の章から具体的に見ていきましょう。

Q 子どもの教育費は、すべて公立に進学させると、いくらくらいかかりますか?

A 高等学校卒業まですべてを公立に進学させれば、541万82円かかる

文部科学省の「子供の学習費調査」から平均的な金額を見てみましょう。

幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額が示されており、すべてを公立に進学させれば、541万82円かかることがわかります。

大学費用を加算すると合計で800万円

国公立大学であれば年間54万円ほどの学費で済みますが、私立大学であれば、文系は約100万円、私立理系であれば約140万円というように、学部によってかなり差があります。さらに医療薬学系を修めるためには、4年ではなく、6年間通学しなければならず、学費も増えることになるでしょう。
もし国公立に進学できれば学部による学費の差はほとんどありませんので、4年間で216万円程度。入学金を加算して、合計で800万円程度かかるといえます。

Q 中学受験を考えていますが、いつまでにいくら教育費を準備したらよいですか?

A 中学受験をする場合は小学4年生から6年生までの3年間の通塾費用として、年間100万円くらい必要

先ほどの表を見てください。小学校だけ公立に進学させ、中学受験をさせると、幼稚園から高等学校3学年までの15年間の学習費総額は1063万2988円となります。中学受験をさせる場合、塾に行くことが必須になってくるでしょう。そうすると、小学4年生から6年生までの3年間の通塾費用として、年間100万円くらい必要となります。

高校3年生の時に、最低でも大学の初年度納付金100~200万円を準備することを目指す

塾に行くことで、一番貯蓄できる小学生の「ため時」が3年少なくなります。中学校を卒業して私立高校に進学した場合でも、高等教育の就学援助があるとはいえ、学校以外の活動費や補助学習費など、学費以外の費用は当然にかかってきます。中学校から私立に進学させる場合には、「支払いながらためていく」計画性が必要です。
大学進学を想定すると、学費として年間100万円程度を家計から支出しながら、高校3年生の時に最低でも大学の初年度納付金100~200万円を準備することを目指しましょう。

Q どこで子育てをするかによって、子どもの教育費は変わりますか?

A 地域によっては子どもの教育にかかる費用に差が出る

文部科学省の表を見てください。

幼稚園から公立の中学校まで、いずれの種別でも、人口の規模が大きくなるほど学校以外の費用が多い傾向にあります。
たとえば、公立中学校に通った場合の学校外活動費は、平均30万6491円です。これが、人口5万人未満の地域では20万4636円、指定都市・特別区のような人口規模の多い地域であれば36万6246円と、約16万円の差が出てきます。
どこで子育てするかによって、子どもの教育にかかる費用に差が出るのです。

Q 教育費を準備する場合、一番安く済む公立進学を目安にすればよいのか、それともためられればいくらでもよいのか、貯蓄するための目安を教えてください。

A 貯蓄は子どもの進学コースを考えて計画を

たとえば、すべて公立に進学すると想定しても、いきなり教育費800万円を貯蓄することは困難です。貯蓄は、子どもの進学コースを考えて計画しましょう。
もし、進学コースを私立大学にするのであれば、受験料と入学金、初年度納付金程度を一括して支払う金額を最低ラインとしましょう。
意外にかかるとびっくりされるのが、受験料です。大学入学共通テストだけの受験では18,000円(3教科以上の場合)ですが、その他に私立大学を受験すると、受験校1校につき35,000円、学部や学科を追加で併願するとさらに上乗せが必要になります。あっという間に受験料の合計が数十万円になることも珍しくありません。

大学卒業までの4年分を貯蓄するのが理想だが、まずは大学受験から初年度納付金までの目安である100万円から200万円程度を目指す

できれば、大学卒業までの4年分を貯蓄することが理想です。しかし、子どもが複数いたり、親が失業したり、計画にないことが起きたりもするでしょう。受験から初年度納付金を目安にするのであれば、100万円から200万円程度を目指して、さらに貯蓄できるのであれば、学費3年分の上乗せの貯蓄を目指せると理想的でしょう。

Q 学校以外の習い事や体験活動費などはいくらかかる?

A 学校外活動費も私立と公立で相場が違う

塾や習い事にかける費用も、私立と公立で変わってきます。以下の表を見てください。

◼︎ 学校外でかかる費用 (単位:円)
  公立小学校 私立小学校
学校外活動費 214,451 646,889
  補助学習費 82,469 348,385
  家庭内学習費 14,761 45,480
  物品費 8,284 22,091
図書費 6,477 23,389
家庭教師費等 13,015 42,560
学習塾費 53,313 252,790
その他 1,380 7,555
その他の学校外活動費 131,982 298,504
  体験活動・地域活動 4,342 22,789
芸術文化活動 35,402 95,712
  月謝等 25,621 70,469
その他 9,781 25,243
スポーツ・レクリエーション活動 55,002 82,902
  月謝等 42,388 68,793
その他 12,614 14,109
教養・その他 37,236 97,101
  月謝等 27,239 66,642
図書費 3,362 13,335
その他 6,635 17,124

平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)より

学校外活動費の総額を見ると、私立は公立の約3倍もお金をかけていることがわかります。塾や家庭教師、家庭学習の教材といった「補助学習費」は約4倍。スポーツやレクリエーション活動費は差が少ないものの、やはり私立の方がお金をかけています。
もちろんこれは家庭の判断であり、「私立に通ったらすべてにお金をかけなければいけない」というわけではありません。やりたいことは子どもによって違いますし、きょうだいがいたり祖父母の援助があったりすれば状況も変わります。
ただ、私立に通うと学校外でかかる費用も増える傾向にあるということは、理解しておく必要があるでしょう。

学校外活動は塾や家庭学習だけではない

塾や習い事に行かなくても、学校外活動費がゼロになるわけではありません。「動物園や博物館に行く」「スポーツ観戦をする」「キャンプに行く」といったことも、学校外活動の一部。そして、学校外活動費には、入園料や観戦料だけでなく、物品費や現地までの交通費なども含まれてきます。
「勉強」でなくても、子どもの学びに関わることは学校外活動。そういったことにも費用がかかるのを忘れないようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

勉強だけでなく、学びとなるすべてのことにかかる学費・教育費。金額は高くても、子どもたちが成長していくうえで大切なものです。必要なものとそうでないものを見極めながら、学資保険なども利用して計画的に貯金をしていきましょう。

當舎 緑

當舎 緑

社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。資格取得をはじめ、教育・育児、マネーなど一般消費者向けのセミナー、執筆活動を行う。子どもにかけるお金を考える会(http://childmoney.grupo.jp/)のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター(https://kanagawafpsoudan.jimdo.com/)の理事でもある。金融機関での年金相談はじめ、区役所、県民相談の窓口での行政相談、病院でのがん患者就労支援相談の窓口で一般向けの相談にも応じている。家庭では3児の母でもある。

菅原直子

「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。ファイナンシャルプランナー、教育資金コンサルタント。子育て世帯の教育費を中心としたライフプラン相談、進学資金が不足している高校生と保護者向けの教育資金セミナーおよび親が老後破産しないためのアドバイスに注力中。「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。子どもは3人。

出典
文部科学省 子供の学習費調査-用語の解説
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/yougo/1268089.htm

文部科学省 結果の概要-平成30年度子供の学習費調査
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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