子どもの読解力が伸びない「残念な読書」から卒業する方法

OECDが2018年に実施したPISA(国際的な学習到達度調査)によると、日本は読解力に課題があることがわかりました。
では、読解力を身につけていくためにはどうしたらよいのでしょうか? 読書が重要な役割を果たしますが、ただ読書習慣をつけるだけでは不十分。惜しい読書法からの脱却方法をつかんでおきましょう。

この記事のポイント

社会で求められる「読解力」が変化してきている

今、社会で求められる読解力に変化がみられます。従来型の「書いてあることを読んで理解する」というだけでは不十分となってきているのです。

ますます多様化する社会において求められる読解力は、PISA型読解力ともいわれます。それは「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」と定義されています。

少し難しい定義となっていますが、ポイントとなるのは、読み解いたものを用いた社会参加・課題解決までもが問われているということ。ただ読んで理解するだけではなく、それをいかに問題の解決に用いるかまで含んでいるのです。

読みっぱなしの読書では不十分! アウトプットの機会を持とう

ただ本を読んで、書いてある内容を理解するというだけでは、PISA型読解力で求められる理解・評価した内容を用いての課題解決にはつながりません。課題解決のために、理解した内容を運用していく力を身につけるためには、これまでの読書法に加え、どのようなアプローチが必要になるのでしょうか。

大切なのは「アウトプット」と「他者との議論」の機会です。読んで理解したことは何か、そのうえで自分の意見はどのようなものかなどを書いたり話したりすること、そして、それらを他の人に共有し、他の人の考えも聞いて議論すること。それにより、様々な視点がプラスされ、理解や意見はより深みを増すこととなるのです。

ご家庭でも新聞の短い記事などをもとにお子さまや保護者の意見を述べ合ってみてはいかがでしょうか? これまでとは違う読書体験に、お子さまも刺激を受けるでしょう。

脱・偏った読書! 多様な分野を幅広く読むほうが読解力は向上する

PISA型の読解力を身につけるためには、幅広い視野を持つことが求められます。なぜなら「テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」と記載されている通り、理解だけでなく評価までもが求められているためです。

これには「こう書かれているけど本当にそうだろうか」「この観点は正しいが、こちらの観点は違うのでは」といったクリティカル・シンキング(批判的思考)と呼ばれる思考が必要です。

そのためには、似たような本や、同じ著者の文章を読むだけでなく、様々なジャンルやテーマの読書体験がカギ。いろいろな立場を知ることで、思考力が研ぎ澄まされていきます。

読むのは必ずしも「本」でなくともOK。新聞やネット記事も活用して、多様なジャンルのものを読むことに慣れていきましょう。

まずはスモールスタートで!

PISA型の読解力を身につけるための読書は、これまでの読書に比べてより深いものとなっています。「大変だな……」「できそうにもないな」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。

このとき、ポイントとなるのがスモールスタートで始めるということ。いきなりこれまでの読書から大きな変更を加えると、挫折してしまう可能性も大きくなってしまいます。

まずは5分程度で読める新聞記事から始めるなど、子どもも大人も負担のない形で始めていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

社会に求められる読解力は大きく変化しています。それに伴い、入試で問われる読解力にも変化が見られます。それに対応するためには、ただ読書するだけでは不十分。多様なジャンルを読むこと、アウトプットとコミュニケーションの機会を持つことを心がけていきましょう。

出典
文部科学省/国立教育政策研究所・OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)~ 2018 年調査国際結果の要約~
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/03_result.pdf

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