「1人1台端末」で図工や書道はどう変わる?文科省が動画で公開した未来像

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小中学校で1人1台のコンピューター端末を使えるようにする、国の「GIGAスクール構想」。2020年度中にも全国で整備が完了すると、ICT(情報通信技術)を使った授業が、いっそう盛んになると考えられます。これまでの授業とどう違うのか。文部科学省が、その未来像を映像で示しています。

この記事のポイント

実技教科の活用例を動画で公開

文科省は、各教科でICTを効果的に活用してもらうため、解説動画の公開を始めています。音楽や図画工作、美術、工芸、書道、体育・保健体育という、いわゆる実技教科の授業例から開始。その他の教科についても、順次公開するとしています。

題材探しや作品撮影に使ってみる

小学校の図工には、感じたことや想像したことなどを造形的に表す「表現」と、作品などからそのよさや美しさなどを感じ取ったり、考えたりして、自分の見方や感じ方を深める「鑑賞」という、二つの領域があります。

小学校の活動例としては、▽造形的な活動ができそうな場所をデジタルカメラやタブレットで撮影して、みんなで持ち寄って相談する▽作った作品を撮影して見せ合い、新しい発想のきっかけにする▽美術作品の画像を電子黒板に映し出して鑑賞する……などの使い方を挙げています。

コンピューターに入っている描画アプリや、デザインアプリなどを使って表現する事例もありますが、本格的にICTを活用する中学校や高校と違って、実際に手を動かしてものに触れることや、見ることの手助けとなるような使い方が、主になっています。

書き初め練習のスタイルも変化?

一方、高校芸術科の書道では、書き終えた作品を各自がタブレットで撮影して、教室前方のスクリーンに映し、クラス全体で意見交換ができる事例を紹介しています。通信環境が整えば、学外に向けて作品を発表したり、他の学校と交流したりすることもできます。

さらに、鑑賞領域として▽町の中で見かける「文字」を画像検索する▽美術館などのホームページで名品を鑑賞する……などにも使えます。
何より、タブレットを横に置き、先生のお手本の書き方や、自分の運筆の様子を撮影し、動画を見直しながら練習ができるのが、一番のメリットかもしれません。

まとめ & 実践 TIPS

大切なところを何度も繰り返して見られたり、画像の大きさを変えて確認したりできるというICT機器の特性は、実技系の教科と、とても相性がよいようです。
1人1台端末の他に、画像を映す電子黒板や、グループで共通に使えるデジタルカメラ、実物や手元を写す書画カメラなどがあれば、活動はより充実したものになりそうです。
冬休みに自由研究の課題をしたり、学校や地域で新年恒例の書き初め会があったりするお子さんも、少なくないことでしょう。今年はICTを活用して、ひと味違った作品を仕上げてみてはいかがでしょうか。

(筆者:長尾康子)

※文科省 各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する解説動画
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00941.html

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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