学校再開後の授業進度は例年通りに? 中学校の数学と英語の先生に率直な意見を聞いてみた
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今の中学校の様子はどうなっているのでしょうか。休校期間で遅れてしまった授業の追いつき加減や、子どもたちの理解度によっては家庭での対策が必要になりそうですよね。
ベネッセが9月下旬に全国の小学校から高校の教師の方を対象に行ったアンケートを元に、中学校の英語と数学の先生が感じている授業や子どもたちの学習の様子についてご紹介します。
英語も数学も8割が年内に例年通りに追いつく見込み
ベネッセの調査によると、授業の進度に関しては、調査を行った9月時点で5割程度が「例年に追いついた」としており、8割が「年内には例年に追いつく」となっていました。
しかし、数学も英語も2割弱が年を越してから例年に追いつく見込みとしており、次年度に持ち越さざるをえないとの回答も少数ながらありました。
授業スピードについては、年内は授業スピードを上げているものの、年明け以降は例年通りのスピードで授業を行う予定の先生が多いようです。
例年より基礎問題中心の授業になっている
具体的な授業内容は、英語では4割程度、数学では3割超の先生が、例年よりも応用問題を減らした基礎問題中心の授業になっていると回答しています。問題演習の時間も減っているとのことでした。
基礎中心で問題演習の時間が減っていることから、学習内容の定着率も下がりつつあるようです。「例年に比べて、児童・生徒の理解が浅くなっていると感じる」「例年に比べて、児童・生徒がついてこれていないと感じている」の回答には、4割近くが「ややあてはまる」「とてもあてはまる」としています。
また、数学・英語ともに7割近い先生が「例年以上に、自宅での学習量の差が、学力の差につながると感じる」「例年以上に、自宅での予習/復習が重要になっていると感じる」としていました。先生が、家庭での自学自習習慣が成績に大きな影響を与えることになるだろうと感じている様子が分かります。
他の生徒との学力差を広げないためにも家庭学習の習慣を
「例年よりも生徒の理解が浅くなってきていると感じる」とした先生もいますが、「あてはまらない」と回答している先生も2割程度います。理解が浅い生徒としっかりついてきている生徒との間の学力差が例年以上に広がる可能性があるということです。
高校受験は、他校との生徒との競争になります。自分の子どもが「理解が浅い」側にいるとしたら、今のうちに家庭で対策をとっておかないと次年度以降までつまずきを引きずってしまう可能性も考えられます。
子どもと家庭学習の重要性についてきちんと話し合い、自学自習の習慣を作っていきましょう。授業スピードは速く、学校での復習の機会は少ないので、家庭学習ではまず、その日の復習と翌日の予習を忘れないように心がけるとよいでしょう。
子どもたちの学力差を広げないためには家庭での学習が大切になってきます。
まとめ & 実践 TIPS
授業進度が例年通りになりつつあるとはいえ、授業の理解度に不安があると聞くと、保護者としても心配になります。
先生は様々な方面の対応で例年以上に忙しい毎日が続いており、個別のフォローが難しい状況にあるようです。
家庭での学習を習慣化し、つまずきと苦手を子ども自身で発見し克服できるようにしておきたいですね。
■調査概要
調査名:小中高教師意識調査
調査形式:インターネット調査
調査対象:全国の小学校~高校の教師の方1,660名
調査実施時期:9/23頃~9/29頃の期間実施
ベネッセコーポレーション実施
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