コロナで授業の不足時間は160時間!?年度内にどう取り返す?

新型コロナウイルス感染症の影響により、長い休校があった今年度。授業時間の不足が心配されます。夏休みを短縮するなどの工夫をしても、まだ相当の遅れがある学校もあるようです。コロナの再流行に備え、次には学びをストップさせないためにも、日頃から情報通信技術(ICT)を活用した授業の普及が求められます。

この記事のポイント

埼玉県が全小中校に独自調査

埼玉県教育委員は2020年8月、さいたま市を除く県内のすべての公立小中学校(小学校702校、中学校355校、義務教育学校1校)を対象に、調査を行いました。

質問項目は、分散登校期間を除く学校再開から、夏休み前までの期間の(1)学習状況 (2)教育指導 (3)再び臨時休業になった場合の家庭学習の支援 (4)特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援。

この期間の学習状況の状況を県内で包括的に把握し、コロナ禍における学校教育の課題や、今後、取り組むべき内容を整理しようというものです。

小学6年生、中学3年生の授業について、2020年度にどれぐらい授業時数ができなくなったかを尋ねたところ、「190~219時間程度」と答えた学校が最も多く、小学校で37.0%、中学校で39.6%を占めました。次いで「160~189時間程度」が各36.4%、32.9%、「220~249時間程度」が各16.6%、13.8%と、160時間以上不足した学校が小中とも85%以上になりました。

切り詰めても時間が足りない

授業時間の不足を補う方法として、すべての学校が「長期休業日の短縮」を、90%以上が「学校行事やその準備に係る時間の見直し」を行うと回答。小学校の60.9%が「日課表の工夫」を、中学校の55.1%が「土曜授業の実施」を挙げました。

こうした補充をしても、授業時数の不足は出てきます。約2週間分の授業時数である約60時間分を超えて不足している学校が、小学校で19.4%、中学校では24.8%あることもわかりました。

同県教委は、授業時数が多いか少ないかだけで、学校の取り組みの状況を評価するのはふさわしくないとしながらも、子どもたちの学習理解が不十分とみられる場合には、授業時数を積極的に確保する必要がある、と市町村に要請しています。

半数の学校がICTの継続活用できず

ICTは、授業を効率化し、一人ひとりに合った学習支援をするツールとして期待されます。しかし、調査の結果では、登校再開後も続けてICTを活用している学校は、約半数でした。残りの約半数は、「休校中から分散登校期間まで」または「休校中のみ」の活用で、現状では活用していないこともわかりました。同県教委は、通常時もICT活用を続け、不測の事態に備え、新たな学びを作り出すことを求めています。

まとめ & 実践 TIPS

文部科学省は、時間割の工夫や土曜日を活用して、学習の遅れを取り戻すことを求めています。調査では、ほとんどの学校が、これらの工夫を講じることで、年度内に教育課程を終える見込みだと回答しています。
まずは必要な授業をこなすのが大前提ですが、学習内容の定着もしっかり図れるよう、ICTを積極的に活用した授業の工夫や、子どもたちへの丁寧な支援が求められます。

(筆者:長尾康子)


※埼玉県教育委員会 公立小・中・義務教育学校における「学校再開後の学習への取組状況等の調査結果」について
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2020/1015-01.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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