中学校国語の全国学力テストで指摘された「話すこと」「書くこと」 目的と批判的思考が重要

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2019年度の全国学力・学習状況調査は2019年4月18日(木)に実施。中学校国語では「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」などが出題されました。なお、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で実施されていません。

今回は、2019年度の学力テストで見えてきた中学校国語の課題と家庭学習での対策方法をお伝えします。

この記事のポイント

中学校国語の全国学力テスト結果概要と課題

2019年度の学力テスト結果を見ると、中学校国語では多数の分野で7割以上の正答率でした。一方、次のような課題も指摘されています。

● 「話すこと・聞くこと」の課題
 ・全体の話題や流れは理解できているが、自分の考えをもつことが難しい
● 「書くこと」の課題
 ・自分が伝えたいことを根拠となる情報を使って書くことはできるが、読み手にとって分かりやすく書くことが難しい
● 「読むこと」の課題
 ・文章を読んで自分の考えをもつことはできているが、文章展開を考慮して整理したり内容を理解したりすることが難しい

家庭学習で「話すこと・聞くこと」を伸ばすコツ

「話すこと・聞くこと」は日常でも頻繁に使うスキル。机に向かって勉強するよりも、日常の話し合いの時に意識するとよいでしょう。

ポイントは4つあります。

● 何のために話し合うのかを意識する
● 自分の考えを導き、表現する
● 他の人の考えを聞いて、質問をする(「なぜそう考えるのか」「他に○○とは考えられないだろうか」「○○の場合はどうなのか」など)
● まくし立てず、落ち着いた態度と言葉で話す

結論にいたる道筋を聞いたり話したりする中で、「なぜ?」「もし……」と考えることを批判的思考と呼びます。批判的思考は「否定」ではなく「吟味」の意味合いが強いのが特徴。批判的思考によって、深い理解力と表現力が養われるでしょう。

その場の気分で「Cがいい」と言うのではなく、なぜそう考えるのかを相手が理解できるように「AはBだから、Cだと思う」などと伝えることを大切にしてください。

「書くこと」の力を伸ばすには文章の目的と読み手を意識する

「書くこと」を伸ばすには、読み手を意識した書き方が必要です。相手に何を伝えたいのか、何をどの順番で説明すると分かりやすいのかを考えましょう。

「AはBだ」と書くだけでなく、「たとえばCを考えた場合・・・」などの事例やデータを使った補足説明を書くのがコツです。

まずは、どのような事例やデータが使えるか、たくさんメモをとりましょう。それらのメモで関連性のあるものを組み合わせ、自分の主張にたどり着くまでいろいろ並べ替えます。自分の主張や集めた情報は批判的思考でも検討してください。

次に、友達や家族に順番にメモを見せながら説明。最後に自分の主張を伝えて相手が「分かった」と言ってくれれば文章の組み立てはOKです。あとは、文章の形式(序論・本論・結論)に合わせて全体を整え、書き上げましょう。

まとめ & 実践 TIPS

中学校国語で話し合いや書くことのスキルを伸ばすには、「なぜ?」や「もし……」「たとえば……」といった筋道を意識することが大切。そうした吟味に必要なのが、批判的思考です。

より深く考え、伝わりやすい表現ができるよう、日頃から主張の根拠や説明の順番を意識してみてください。


出典:平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査 報告書【中学校/国語】|国立教育政策研究所
https://www.nier.go.jp/19chousakekkahoukoku/report/19middle/lang/

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