幼児期のデジタル学習 学習意欲を持続させるのに効果的?【専門家に聞く第7回目】
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近頃、幼児教育においても「デジタル学習」という選択肢が一般的になってきました。特にコロナで在宅時間が増えた今、家庭でできる習い事や遊びの延長として「デジタル学習」を取り入れるご家庭も多いようです。そこで今回は、デジタル学習ならではのメリットについてご紹介します。お話を伺ったのは、幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている、愛知淑徳大学の佐藤朝美先生です。
回答するたびに得られる「ご褒美」でやる気が上がる
デジタル教材については、スマホやタブレット端末が普及する以前から、教育効果に関する研究が多々行われてきました。なかでも、「エデュテイメントソフトウェア」と呼ばれるコンテンツは、DVDやコンピューターソフトウェアを用いたものですが、デジタルならではの楽しさが盛り込まれた教材となっています。そこからさらに進化した、現在の指で直感的に操作できるデジタル教材は、ますます豊かな学びの環境を実現してくれています。
そんなデジタル教材の強みのひとつが、問題を解くと即時に正解・不正解がわかることです。1問答えるたびに結果が分かるので、子どもの印象に残りやすくなります。また、特に幼児向けのデジタル教材の場合は問題を解くと楽しい映像が流れたり、正解した分ポイントが溜まったり、何らかの「ご褒美」が用意されているようなものが多くあります。このようにゲーム感覚で進む仕掛けは、子どもの学習意欲を持続させるのに効果的な手法だと言われており、楽しみながら言語や数感覚を身につけることができます。
個人の学習結果を記録し、少しずつステップアップ
デジタル教材の中には個人の学習結果をすべて記録して、間違いやすいパターンを分析したり、難易度がゆるやかに上がっていくよう調整されたりするものがあります。そのような教材であれば、子どもたちは無理なく少しずつステップアップしていくことができ、自分にあったペースで学ぶことができます。簡単すぎて退屈でもなく、難しすぎてつまずくこともなければ、子どもにとってはストレスがありません。それぞれのステップをこなしていくうちに、いつのまにか学習レベルをアップさせていくことができるので、デジタルならではの学習方法だと言えるでしょう。
デジタル教材の領域には、絵、文字、発音、語彙、概念、読解、知識、リスニングスキル、言語、ライティングの項目などがあります。それぞれの領域を苦手意識をもつことなく学んでいけるといいですね。
お子さんに合ったデジタル学習を選びましょう
デジタル学習のメリットは「お子さん自身の積極性を促し」、「その子に最適な学びのペースに導いてくれる」という点にあります。デジタル学習なら何でも良いというわけではなく、それらの観点をよく見極めて、お子さん自身がやる気をもち続けられる教材を選ぶようにしましょう。
現在は大人でも無料で学べるオンライン学習が盛んですが、中でも有名なカーンアカデミーが2歳から6歳までの子のための教育プログラムを提供してくれています。リーディング、リスニング、フォニックス、アルファベットだけでなく、数字や形、お絵かきと色塗りなど幅広いジャンルがあります。英語と知育を一度に学ぶことのできる良い教材といえるでしょう。
参照:「Khan Academy Kids」HP
https://ja.khanacademy.org/kids
まとめ & 実践 TIPS
お子さんのやる気や、個々のレベルに合った進め方ができる点は、デジタル学習ならではのメリットと言えます。家庭内で過ごす時間が増えている今、上手に活用していけると良いですね。
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