スポーツ時にマスクは着ける?着けない? 学校の体育で「不要」は条件つき -新型コロナ感染防止のために-

スポーツ庁は5月21日、学校の体育の授業で、体へのリスクを考慮し、マスクは不要との判断を示しました。緊急事態宣言も全国的に解除され、学校だけでなく、公園や地域の施設でも、スポーツをする機会が増えそうです。どのような点に注意したらよいのでしょうか。

体育でのマスク「不要」は条件付き

緊急事態宣言の解除により、学校再開も本格化しますが、密集・密閉・密接の「3密」を避け、感染のリスクを低減させながら、教育活動を行わなくてはなりません。もちろん教室などでは、マスクが必須です。
体育の授業では、どうでしょうか。中国では4月に、マスクを着けて体育の授業を受けていた生徒が死亡する事故が相次ぎました。そこでスポーツ庁は、運動する際、十分な呼吸ができなくなるリスクや、熱中症になるリスクを考慮し、体育の授業でマスクの着用は不要だと、都道府県の教育委員会などに通知しました。

通知の主なポイントを挙げると、▽授業中は子ども同士、教師との距離を2メートル以上確保し、不要な会話や発声を行わない▽体育の授業は可能な限り屋外で実施し、屋内で実施する場合は呼気が激しくなる運動は避ける……などです。マスクをしなくてもよいのは、これらの条件を満たした上でのことだという点に、注意する必要があります。
また、体育で「マスクを外すべきだ」と言っているわけではない点にも、注意が必要です。軽度な運動の時や、児童生徒が希望する場合は、マスクを着けてもよいとしており、その際は医療用ではなく、家庭用マスクを着けて、呼吸しやすくするよう求めています。体調不良で授業見学する時は、マスク着用の上、子ども同士が2メートルの距離を保つこととしました。

文科省の新型コロナウイルス対応の衛生管理マニュアルでは、体育で「児童生徒が密集する運動」や「近距離で組み合ったり接触したりする運動」は、特に感染リスクが高いものと例示されていて、地域の感染レベルに応じて実施を判断することとしています。一律にマスクを着けるか着けないか、ではなく、地域の感染状況や運動メニュー、子どもたちの体調、その日の天候などと組み合わせた判断が求められています。

公園や地域の施設でも予防策を

家族で公園などに出かける時も、感染を拡大させないような運動を心掛けたいものです。マスク着用の判断や、どんな運動なら大丈夫かなど、学校での取り組みを参考に、子ども自身が判断できるようにしていきたいものです。日本スポーツ協会も、運動遊びの例や感染防止のための注意点を紹介しています。
地域のスポーツ施設を使う場合も同様です。スポーツ庁は、公立の体育施設を再開する場合の感染拡大予防ガイドラインとして、手洗い場の確保や更衣室が密にならない工夫や、換気やスポーツ用具の消毒などを求めています。
いずれのガイドラインにも共通するのは、まず、スポーツをする本人の体調管理です。スポーツ前に検温し、だるさがないかをチェックすることも習慣付け、外出自粛の影響で低下しがちだった体力を、少しずつ回復していきたいものです。

(筆者:長尾康子)

※スポーツ庁 学校の体育の授業におけるマスク着用の必要性について
https://www.mext.go.jp/content/20200521-mxt_kouhou01-000004520_3.pdf

※日本スポーツ協会 
アクティブ・チャイルド・プログラム「保護者・子どもたちへ」
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/acp/hogosyakodomo.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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