子どものお小遣い 「キャッシュレス化」とは?親子で話し合って取り入れてみよう!

新型コロナウイルスの騒動が続いている影響で、学校の始業等が遅れています。中にはGW明けまで休校が決定している学校もあり、ずっと家庭の中で子どもを見るということに「疲れたー」と感じている保護者のかたも多いことでしょう。ただ、普段より子どもと接する機会が多いからこそできる「お金の話」。親子で一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

今後子どもへのお小遣いはキャッシュレス化を前提に!?

消費税増税10%をきっかけに、保護者自身もキャッシュレス決済を使い始めたかたも多いでしょう。まだ子どもにお小遣い制を取り入れていないご家庭で、今後は一部キャッシュレスを取り入れるということを前提に、キャッシュレス化のメリットとデメリットを考えてみましょう。

この表を見ていただくと、実は、メリットとデメリットが背中合わせであることがわかるでしょう。たとえば、デメリットとして挙げられる、親のキャッシュレス化の知識が必須ということであれば、しっかりと勉強して知識を得れば、親のお金の使い方を見直すきっかけにもなるのです。

子どもへのお小遣いをどう始めるか

子どもへのお小遣いのあげ方をお聞きする機会は多いのですが、家庭によって本当にさまざまであることを感じます。ただ、(1)食器洗いをする、お風呂洗いをするなどのお手伝いによって細かくお小遣いの金額を設定し、毎月のお小遣いが変動する (2)決まった金額をあげてはいるが、途中でも度々、追加でお小遣いを渡す (3)子どもがお金の管理ができないので、決まった金額を決めず、その都度お小遣いを渡す、というように、大体3パターンくらいに分けられるような気がします。それぞれのご家庭の考え方もありますし、お金への思いも人それぞれですが、お小遣いを始めるときに気を付けていただきたいことがあります。

(1)のパターンであれば、お手伝いの内容によって細かく○○円と決めているでしょうが、それがちゃんとその子が使うお金をカバーできているかということです。年齢が上がってくると、習い事など日常がとても忙しいこともあります。そんな時に、お手伝いがあまりできず、少額にしかならなかった場合に、手伝い制でよいのか、それとも定額制に切り替えた方がよいのかの見極めをすることが必要になってきます。

(2)のように途中で追加する場合には、設定金額を引き上げる検討をしてもよいかもしれません。できれば、定額で、しっかりと子どもの費用がカバーできるというのが理想的です。急に、子どもから「○○円、ちょうだい」と言われると、ついつい言われるままの金額を渡してしまうことが多いでしょう。それでは、一体いくら使っているのか、親が管理するお金からも「使途不明金」が出ることもあります。そのようなことのないように、毎月の金額をいくらにするとよいのかをしっかりと子どもと話し合うとよいでしょう。

(3)の場合ですが、これは一番怖いパターンです。家計管理にしても、夫がしている家庭、妻がしている家庭、それぞれが別の財布でしている家庭、と多様性の時代です。何となく「好きなだけ使う」習慣というのは、どうしても「ためる」という感覚がおろそかになりがちです。使える範囲は「いくら」で「残ったのはいくら」という感覚は、小さいころから身につけないと、大人になってからでは、金銭感覚を変えることはなかなかできないものです。

気になる他のお宅のお小遣い事情?

お小遣いのキャッシュレス化が気になるものの、自分が始めるのは不安ですし、他のご家庭はどうしているのかも知っておきたいところでしょう。下記の調査をご紹介しておきます。
子どものお小遣いに関する調査(イー・ラーニング研究所調べ)
https://e-ll.co.jp/info/2691/

これは、2019年5月に、お子さまがいる20代から50代までの保護者に聞いた調査結果です。予想通り、お小遣いの渡し方は、「現金派」が9割超です。一方、お小遣いのキャッシュレス化に興味がある人は、約6割もいるのです。ですから、今後、交通系ICカードをお子さまに持たせることを想定して、「一部現金、一部ICカード」のお小遣いで、管理することを始めてみてはいかがでしょうか。アンケート結果にも表れていますが、一番の不安要素は、「いくら使ったのかがわからなくなること」です。これは、現金で渡していたとしても、途中に追加で渡しているのであれば、起こり得る現象です。せっかく子どもとじっくりと話せる「今」だからこそ、自粛が終わって、子どもが外に出るときには、「学年も上がったし、お小遣いはいくらから始めようか」などと話し合ってみるのはいかがでしょう。

未就学児のお子さまの場合には、お小遣いをあげていないご家庭も多いでしょうが、プレ「お小遣い」ということで、お小遣い制の前に「お金の大切さ」を教えることから始めておきましょう。ついつい改札で「ピッ」という音を聞きたくて、親の代わりに子どもがICカードを使って改札を通り抜けている場合も多いでしょう。ぐずぐず言われるよりは、機嫌よく改札を抜けてくれるのだから「よし」という気持ちもわかりますが、どこかでしっかりと「お金の大切さ」を教えることはとても大事なことです。キャッシュレス決済で一番怖いのは、現金の大切さがわからなくなることです。子どもが大きくなるにつれて、チャージするところを見せるなど、ICカードはお金と同じで、「どんどん湧いてくる魔法のカード」ではないことを実感させてあげてください。

子どもたちは、将来、「教育ローンを借りる」「奨学金を借りる」「自動車ローンを借りる」「住宅ローンを借りる」など、ライフプランのさまざまな場面でお金と関わることが想定されます。子どもたちへの金銭教育、ぜひ早いうちから考えておきたいものです。

プロフィール


當舎 緑

社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。資格取得をはじめ、教育・育児、マネーなど一般消費者向けのセミナー、執筆活動を行う。子どもにかけるお金を考える会(http://childmoney.grupo.jp/)のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター(https://kanagawafpsoudan.jimdo.com/)の理事でもある。金融機関での年金相談はじめ、区役所、県民相談の窓口での行政相談、病院でのがん患者就労支援相談の窓口で一般向けの相談にも応じている。家庭では3児の母でもある。

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