人生100年の生き方は「学び直し」がカギに

平均寿命が延びる中、これからの子どもたちは将来、どう生き、働いていけばいいのか。そのキーワードとして、「学び直し」が注目されています。大学などでは今、さまざまな社会人のための必要に応じて、教育機関に戻って学び、仕事や生活に生かす「リカレント教育」のプログラムが始動しています。働くための学びの場として、女子大学も力を入れているようです。

キャリアの途中でも学校に通う

社会や経済構造の変化が激しい現代では、学校を卒業して社会人となってからも、学び続けることが不可欠になっています。グローバル化や情報通信技術の進展で、学校で一度得た知識や技術が10年後や20年後も、そのまま通用するとは限らないからです。

また、平均寿命が延びる中、働く期間がかつてより長くなっています。今よりも定年が延長されると、継続的に新たなスキルや知識を身に付けることが、安定した生活のために必要となってきます。

こうした背景を受けて、「リカレント教育」が注目されています。リカレントには「還流」や「循環」といった意味があり、学びと仕事・余暇などの生活を交互に繰り返すことを指しています。政府の「人生100年時代構想会議」が2018年6月にまとめた基本構想でも、その重要性が指摘されました。文部科学省でも、社会人の学び直しを推進する大学等を認定する制度を創設して、リカレント教育を後押ししています。

女性のキャリアアップも後押し

リカレント教育は特に、出産や育児、介護などにより離職した女性が、社会復帰するための学習のチャンスになります。2月に東京で開かれた「男女共同参画のための学び・キャリア形成支援事業 女性の学ぶ・働く・生きる応援フェスタ」(文科省主催)では、全国の大学や団体による女性を対象としたリカレント教育の取り組みが紹介されました。

関西学院大学は、育休からの仕事復帰・起業コースを、12年前から開始。昭和女子大学は、企業内の女性リーダーを企業と協働して育成するキャリアカレッジを創設しています。福岡女子大学は、企業や行政の中間管理職やトップリーダー育成のほか、再就職支援と三つのプログラムを展開しています。

女性のリカレント教育課程を持つ大学にヒアリングを行った全国女性会館協議会は、女性にとって多様な学びのチャンネルが増えることは重要だとした上で、リーダー育成型の希望者が増加傾向にあることや、企業や受講者への認知度向上が課題だと指摘しています。

こうしたリカレント教育の存在は、中学生や高校生のキャリア教育や進路指導で、まだあまり知られていません。終身雇用や新卒一括採用など、日本型の雇用制度にとらわれない企業も出てくる中、多様な働き方があることと同時に、多様な学び方もあること、学び直しのチャンスがあることも、子どもたちに伝えていく必要があります。

(筆者:長尾康子)

※文部科学省 男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/kyoudou/detail/1388455.htm

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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