2020年以降も若者の海外留学を応援しよう

「トビタテ!留学JAPAN」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。官民が協働して、2013年から実施している留学促進キャンペーンです。今年、目標年度である2020年を迎えました。グローバル化が一層進む中、東京五輪・パラリンピック開催後も、世界に目を向ける若者を応援したいものです。

費用を手厚く支援

2013年6月に発表された政府の成長戦略「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」では、世界と戦える人材を育てるため、20年までに大学生等の留学生を6万人から12万人に倍増するという目標を掲げました。意欲と能力のある高校・大学等の若者全員に留学機会を与えるため、官民が協力した新たな仕組みを創設するとしました。そこで創設されたのが「トビタテ! 留学JAPAN」です。民間企業や個人の寄付金を原資に、▽奨学金、留学準備金、授業料などの留学費用▽留学前後の研修▽発表や交流、ネットワークの場……などの手厚い支援を受けられるのが特徴です。

海外留学は大学に入ってから、というイメージを持つご家庭も少なくないかもしれませんが、高校生を対象にしたコースでは、留学内容を自分でアレンジできるのが特徴です。期間も2週間から1年間と、自由に選べます。たとえば、語学習得がメインなら「アカデミック」、今、学んでいる専門知識やスキルを生かす「プロフェッショナル」、部活動の経験などが生かせる「スポーツ・芸術」、ボランティア活動に参加する「国際ボランティア」の分野で応募があります。

2019年度の第5期には、835人が支援を受けて海外留学を果たしました。

新高1生にはまだチャンスが

高校生のうちにトビタテを利用して留学をしようと考える場合、一つ前の学年から準備を始める必要があります。

募集は、留学する年の9か月前に始まります。たとえば2020年7月に留学を始める第6期の募集期間は、19年9月から始まり、まもなく締め切りを迎えます。3月までに書類審査と個人面接の2回の審査を経て、4月下旬に結果が通知され、今年の夏に出発するスケジュールです。

ただし新高校1年生は例外で、「アカデミック(テイクオフ)」分野は、募集期間が留学する年の4月まで延長されます。高校受験の準備をしながら留学計画を練り、進学先が決まってすぐ応募する形ですが、まだチャンスは残されています。

トビタテの審査では、留学をして何を学びたいのか、そのためにどのようなプランを立てているのか、といった熱意と計画性が問われてきました。留学計画書を練る作業自体が、自分が高校3年間で何を身に付けたいのか、将来の夢や進路について真剣に考えるきっかけになります。

開催後の報告会では、留学した高校生がオンリーワンの体験をしている様子もうかがえ、その生徒の人生の大きな糧になると予感させられます。目標年度を迎えて一区切りとなるトビタテですが、返済不要の奨学金は大きな意味のある事業として、継続を望みたいものです。

(筆者:長尾康子)

※ トビタテ!留学JAPAN
https://tobitate.mext.go.jp/

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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