子育て世代が教育費負担に備えるための節約術
子育て中は教育費や住宅ローンなどの負担があり、やりくりするだけで精一杯。「教育費をためたいけれど、ためるお金を捻出できない」という声をよく耳にします。そんな時は、いったん冷静になって家計を見直してみると、それまで気がつかなかった「節約できる支出」や「無駄な出費」が見えてくることがあります。どのような費用が該当するのでしょうか。傾向をつかんで、効率的にお金をためていきましょう。
見落としがちな出費をチェックしよう!
多くの人は、目の前の10円、20円単位の支出に対しては厳しくなりがちですが、見えない出費や子どもに関する出費には甘くなりがちです。どういうものがあるか、具体的にチェックしてみましょう。
●各種会費
以下のような会費で、ほとんど使っていない(行っていない)ものがあれば、解約を検討しましょう。
【例】
・クレジットカードの年会費
・スポーツクラブの会費
・有料動画サイトの月会費
・新聞代
・健康食品の定期購入費用
・雑誌の定期購読
・有料メルマガの会費
・資格に関する会費(資格団体の年会費など)
●子どもの習い事費用
今や複数の習い事を掛け持ちしているのは当たり前の時代です。習い事をたくさんさせて「子どもの可能性を引き出したい」という親御さんのお気持ちもあるかもしれません。しかしその費用が家計を圧迫しているのであれば、いま一度見直す必要性があると言えます。もし惰性的だと感じる習い事があれば、お子さまと相談してみてもよいかもしれません。習い事も大切ですが、家計とのバランスを考えることも必要です。
無理なく節約できる「固定費の見直し」
さてここからは、「固定費」の見直し方法をご紹介します。固定費の見直しは、ストレスなく節約できる代表的な方法です。固定費の中でも絶大な節約効果が期待できる費目と具体的なポイントをご紹介します。
●スマホ代
スマホ代は、現在使っているスマホの契約状況の確認した上で、料金プランを変更することや、不要なオプションの解約などにより、料金を下げられる可能性があります。また、通話の多いかたは、かけ放題プランへ変更することで、節約が見込める場合もあります。ほかにも、キャリアユーザーであれば格安SIMへの乗り換えが有効である場合もあり、ケースによっては、一台あたり5,000~6,000円の節約が見込めることがあるため、検討してみる価値はあります。
●住宅ローン
依然として住宅ローンの金利は低水準となっています。今借りている住宅ローンが以下の3項目に該当する場合は、借り換えによる節約効果の可能性があるため、検討してみてはいかがでしょうか。
(1)住宅ローン残高が1,000万円以上ある
(2)借り換え後の金利が1%以上低くなる
(3)ローンの残存期間が10年以上ある
●家賃
家賃を減らす方法としては、家賃の安い物件に引っ越すことが考えられます。最近は、全国的に子育て世帯を対象とした家賃補助制度を設けている自治体が増えているようなので、補助制度のある自治体に引っ越すのも一案です。
家賃補助の例をご紹介します。子育て支援に積極的な区が多い東京都では、たとえば新宿区の場合、「民間賃貸住宅家賃助成」という、区内の民間賃貸住宅に居住する子育て世帯の家賃の一部を助成する制度があり、ほかにも大田区、千代田区、目黒区などにも子育て世帯向けの補助制度などが設けられています。自治体の助成制度は、募集期間が限定されていたり、年収制限が設けられたりしていることがほとんどです。まずはお住まいの自治体に確認することをおすすめします。
●生命保険や損害保険などの保険料
保険料を節約するには、保険に加入する際に、保険料を分割ではなく一時払いする方法や、死亡保障を備えるのであれば、定期保険や収入保障保険などの比較的保険料の安い商品を選ぶことなどが挙げられます。また、インターネットで申し込むタイプの保険は、比較的安い保険料の商品を取り揃えているため、ネット保険に加入して保険料の節約に取り組むのもよいでしょう。
●自動車関連費用
自動車は所有している限り、毎月の駐車場代、ガソリン代、自動車保険料、毎年の税金、車検費用、ローンで購入している場合は、ローンの返済費用も有無を言わさずかかってきます。
「車に乗るのは土日祝日のみ」「自宅に駐車場がなく、外で駐車場を借りている」「自動車保険の保険料が高い20代の人が家族にいる」という場合は、レンタカーやカーシェアリングを使ったほうが、節約できることもあります。まずは現在の自動車の維持費を書き出して、レンタカーやカーシェアリングを利用した時の費用と比較し、場合によっては自動車を手放すことを検討してもよいかもしれません。
家計を分析するために必要なものは?
家計を分析するためには、「何にいくら使っているのか」を把握する必要があります。そこで必要となるのが「家計簿」。もし家計簿をつけていないのであれば、これを機につけてみましょう。
「家計簿をつけるなんて面倒」と思うかたもいるかもしれませんが、家計簿はずっとつけ続ける必要はありません。まずは3か月つけることを目標にして、家計の状況が把握できたらやめてしまうくらいの楽な気持ちで始めましょう。
実際に家計簿をつける際は、エクセルを使ってオリジナルの家計簿を作るのもよいですし、市販のものやスマートフォンの家計簿アプリなどを使ってもよいでしょう。家計簿で家計全体を把握したうえで節約に取り組むことが、効率よく節約するポイントです。
節約と同じくらい大事なこと
いくら節約できたとしても、そのお金を生活費などに使ってしまっては元も子もありません。来たる教育費の負担に備えて、給与天引きの財形貯蓄制度、銀行の積立式定期預金サービス、つみたてNISAなどを利用して、自動的にためる仕組みができるといいですね。
<参照資料>
・新宿区「民間賃貸住宅家賃助成」
http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file07_02_00001.html
・大田区「家賃減額制度」
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/sumai/kuei/kumin.html
・千代田区「次世代育成住宅助成」
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/sumai/jose/jisedai.html
・目黒区「ファミリー世帯家賃助成」
https://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/sumai/enjo/yachin/family.html