10代のうちに読書を! 約41%が肯定

読書の秋、親子で本に親しみたい季節ですが、実際のところ日本人はどのぐらい本を読んでいるのでしょうか。このほど文化庁が行った調査で、読書離れの傾向が依然として続いていることがわかりました。

1か月に「1冊も読まない」、半数近く

文化庁は毎年、国語施策の参考とするために「国語に関する世論調査」を実施しています。2018年度の調査は全国の16歳以上の男女3,590人に対して、19年2月から3月にかけて個別面談で実施。1,960人から回答を得ました。

「1か月に大体何冊くらい本を読むか」の問いに対しては、47.3%が1か月に1冊も本を「読まない」と回答しています。「1、2冊」(37.6%)と合わせるとすでに8割を超えています。「3、4冊」(8.6%)や「5、6冊」(3.2%)、「7冊以上」(3.2%)は少数派で、多くの日本人が1か月に1冊も本を読まないか、読んでも1~2冊だということがわかります。2008年度・13年度調査と比べても、変化は見られません。

「読書量は、以前に比べて減っているか、それとも、増えているか」の問いには、67.3%が「減っている」と回答し、2008年度・13年度と比較して増加傾向にあります。「自分の読書量を増やしたいと思うか」に「そう思う」「ややそう思う」と答えた人は計60.4%で、2013年度調査の66.3%から約6ポイント減少しています。

スマートフォンの普及で注目される電子書籍は、「よく利用する」「たまに利用する」を合わせると25.2%となっており、2013年度に比べれば増えているものの、読書スタイルの主流とは言い切れないようです。

高校生が分かれ目、関心持たせる活動も必要

「人が最も読書すべき時期はいつ頃だと考えるか」の問いに対しては、「10歳代」と答えた人が40.7%を占めました。「年齢に関係なくいつでも」(21.8%)という声も多いのですが、「9歳以下」が18.8%、「20歳代」が8.7%「30歳代」が2.1%、と、学齢期、特に小学校時代に読書をしたほうがよい、と思っている人は少なくありません。

実際、小学生は本を読んでいます。公益社団法人全国学校図書館協議会が毎日新聞社と共同で実施した「学校読書調査」によると、2019年5月1か月間の平均読書冊数は、小学生11.3冊、中学生4.7冊、高校生1.4冊となっています。1か月に読んだ本が0冊の「不読者」は、小中学生は6~12%にとどまっているのに対し、高校生は55.3%になっています。

子どもの読書活動推進を議論する文科省の有識者会議では、読書をしていない高校生は、中学生までに読書習慣が形成されていない「高校生になっても読まない」ケースと、高校生になって読書への関心度合いが低くなり、本から遠ざかっている「高校生になって読まなくなった」ケースがあると分析。本を読む力「読書能力」の発達段階に応じて、早い段階から読書への関心を高める取り組みの充実、例えば、友達同士で本を薦め合う「ブックトーク」や、書評を競う「ビブリオバトル」などの活動を推奨しています。

「年齢に関係なくいつでも」本を読み、楽しみを見出せるようになるためにも、勉強や部活動、習い事の合間に学校や地域の図書館で、このような体験を積ませてあげたいものです。

(筆者:長尾康子)

※文化庁 2018年度「国語に関する世論調査」
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/index.html

※公益社団法人 全国学校図書館協議会 第65回学校読書調査(2019年)
https://www.j-sla.or.jp/material/research/dokusyotyousa.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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