子どもの安全もSDGsの一つ

学校の授業やテレビやネットのニュースなどで「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を聞くことが多くなりました。17ある目標のうち、子どもが安全に暮らせることも含まれているのをご存じでしょうか。暴力のない社会を作る計画づくりのために、現在、子ども自身が声を上げられるパブリックコメント(意見公募手続)が実施されています。

ターゲットに「虐待・搾取・暴力の根絶」明記

SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)は、国連加盟国が2030年までに達成すべき目標です。17ある目標のうち、子どもに関連する目標は複数ありますが、目標16「平和と公正をすべての人に」は子どもを暴力や虐待から守るための目標として知られています。目標の下にある詳細な「ターゲット」には、「16.2 子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する」とはっきりと書かれています。

日本では子どもに対する暴力の撲滅に向けた国際的な取り組みとして、「子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ」に参加し、子どもの暴力防止のため国際的な拠出をしています。国内では子どもに対する暴力撲滅に向けた行動計画を作るため、市民団体や国際機関、有識者などから成る「子どもに対する暴力撲滅円卓会議」で話し合われています。

子ども自身の声を集める

その計画づくりに子ども自身の声を役立てようと、日本ユニセフ協会とヤフーは、現在「子どもパブコメ」を実施中です。パブコメとはパブリックコメントの略で、行政機関が政策を実施する上で、広く市民から意見や情報、改善案などを集める手続きです。今回は子ども自身から集めようというものです。

特設ページには「子どもの心や体が傷つけられる。そんな悲しいことをなくすために、子どもが自分たちでできると思うこと、おとなに『こうしてほしい』と思うことを、私たちに教えてください」と、パブコメの目的がわかりやすく書かれています。また、「子どもに対する暴力」や子どもの権利、相談窓口など意見を整理するヒントも掲載しています。
入力フォームには、▽暴力をなくすために大人に求めること▽自分たちにできると思うこと▽暴力を受けた経験や見聞きしたことの有無▽暴力に遭ったらどうするか▽相談するなら誰にするか……などの項目があり、選択式と自由記述で入力できます。もちろん匿名で記入が可能です。

今年は「児童の権利条約(子どもの権利条約)」が国連で採択されて30周年に当たります。締約国である日本は、国連の委員会から、子どもに対する暴力や性的虐待などが高い頻度で発生していることを指摘され、子ども自身が被害を訴えられる仕組みづくりを優先的に行うべきとの勧告を受けています。
子ども虐待による痛ましい事件が社会問題化する中、なぜ子どもの声に耳を傾けられなかったか、と批判の声が高まっています。安心して自由に子どもが話せる機会を設けること、それに大人が真剣に耳を傾ける場を作ることが求められています。子どもの声を「わがまま」ではなく「意思」として受け止める姿勢が、大人に問われています。

(筆者:長尾康子)

※日本ユニセフ ヤフーきっず「子どもパブコメ」
https://kids.yahoo.co.jp/event/mag/kiminokoe/

※外務省 児童の権利に関する条約
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/index.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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