科学への興味・関心をはぐくむには?世界共通な子どもへの思い

全世界で、シリーズ累計7600万部という驚異的な部数を売り上げている科学まんが『Why?』 シリーズ。国境を超えて愛されている本シリーズへの思いや日本語版の出版にあたって苦労した点、また子どもの科学への興味・関心をはぐくむ環境づくりについて、『Why?』シリーズの日本語の出版社である世界文化社の井澤豊一郎さんに伺いました。

情報は絞り込みすぎず、読み方は子どもに任せる

『Why?』シリーズの特徴は、情報の密度がとても濃いこと。いろいろな知識が紙面にギュッと詰まっています。翻訳すると文字量が多くなりがちなので、いかに短い日本語で端的に表現するかが工夫のしどころです。原著を読みやすい形にして提供することがとても大事です。

一方で、どの情報を選び取るかは子どもに任せることも大切だと考えています。大人がよかれと思って情報を選別したり、完璧にお膳立てをして理解させようとするより、興味・関心を抱くきっかけをたくさん提供するだけでいいのかもしれません。最初は読みたいところだけ読んでいただければいいのです。『Why?』シリーズの息の長い人気の秘密は、密度の濃さと、あえて子ども向けにしすぎていない点にあるのではないかと思います。

実感を伴う知識はより深く残る

たとえば『サバイバルの科学』は、小学生の男の子と女の子が、サバイバルの専門家に助けられながら無人島で生き抜くお話です。飲み水を得るさまざまな方法や体温維持、食べられる小動物、鳥獣のさばき方など、自然界で生き抜くための知識が少し怖いくらいのリアリティーで描写されており、中には、「今の日本の子どもたちの生活には必要ないのでは」と思われる情報も入っています。
しかし、実際にサバイバル生活を体験することはなくても、たとえば過酷な環境で生き抜くことを強いられている難民のニュースを耳にしたとき、大きな災害に遭い不自由な避難生活を送っている方々を目にしたとき、ふとこの本で読んだ情景が浮かんで、心からの共感や問題意識が生まれることもあるかもしれません。

また、「植物にビニール袋をかぶせると水が得られる」といった知識は、飲み水を得るためでなくても、自然の中で気軽に試してみたくなります。「蒸散」という言葉を教科書で読んで暗記しているだけよりも、体験や実感を伴った知識はより深く残るのではないでしょうか。
科学への興味・関心をはぐくむには、実験や自然観察など実体験をたくさんさせてあげることが大切だと思いますが、それが難しい場合、まんがは実体験に近い共感を得やすいメディアですので、ぜひ活用していただきたいですね。

科学は新しいものを生み出す土台——編集者の思いは世界共通

日本語版の制作にあたっては、日本の読者にフィットするよう、一冊ごとに独自の監修を立て、最新の情報にアップデートするようにしています。日本の読者によりわかりやすいよう、版権元である韓国の出版社と相談しながら説明を追加したり、事例や写真をさしかえたりする場合もありました。
弊社の出版物の海外版を出す場合も、各国から、自国の読者にわかりやすくするためのさまざまなリクエストが来ます。どこの国の出版社でも、原著のよさを読者に伝えるための工夫であれば、権利者の了解を得た上で「OK」を出すことが多いですね。よい本を、国境を超えて幅広く読者に届けたいという思いは、どの国の編集者も同じだと思います。

2020年度からの新大学入試など、現在、日本の教育制度も大きく変わろうとしています。日々の生活の中で、自分で疑問や問題を発見し、好奇心を持ち、主体的に調べたり、周囲の人と話し合い、考えながら問題を解決していく力が、これから重要になっていくでしょう。
『Why?』シリーズが扱っている自然科学や人文科学は、人間にとって普遍的な知恵であり、何か新しいものを生み出す土台になる分野です。このシリーズがたくさんの子どもたちに届き、さまざまなことに「なぜ?」と好奇心を抱くきっかけとなれば、編集者としてこんなに嬉しいことはありません。
『Why?』シリーズは幅広い分野を扱っていますので、ぜひ、お子さまの興味関心に合わせて、お気に入りの一冊を見つけていただければ幸いです。

***プロフィール***
井澤豊一郎
株式会社世界文化社 執行役員
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***書籍紹介***

好奇心を刺激し、考える力がぐんぐん育つ!
「世界で一番信頼されている科学まんが」、日本上陸!

「Why?シリーズ」とは、韓国で累計実売7600万部を突破し、韓国出版業界の記録を大きく塗り替えた科学まんがです。「なぜ?に答える科学まんが」の通り、科学の知識がオールカラーで詳しく解説されていています。現在までに全6巻を刊行。小学生の男の子や女の子が、冒険や日常生活の中で発見する事象・仕組みを、科学を通して理解するというわくわくするようなストーリーです。楽しく読み進めて自然に科学の知識が身につく、子どもが自分で考える力を育てるきっかけになる、中学校以降の科学の予習に効く、さらには子どもと一緒に大人もためになる、高度な知識がたくさん載っています。
「Why?シリーズ」は楽しく学びたい子ども、楽しく学んでほしい親の双方から支持を受けています。学習まんが、科学まんがはたくさん出版されていますが、親子でためになる&小学生だけでなく何歳になっても読み返したくなるような凝縮された知識が入っているのは「Why?シリーズ」ならでは。皆さんも「Why?シリーズ」を読んで日常の科学を探してみませんか?

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