世界的なミリオンセラーとなった「科学まんが」にみる、子どもをひきつける魅力とは?
全世界で、シリーズ累計7600万部という驚異的な部数を売り上げている科学まんが『Why?』シリーズ。国境を超えて愛され、子どもはもちろん、大人の好奇心もかきたてる“親子で楽しめる”本シリーズの魅力とは? 『Why?』シリーズの日本語版の出版社である世界文化社の井澤豊一郎さんに伺いました。
次を読みたくなるストーリーとわかりやすい図解
『Why?』シリーズは1999年に韓国で発売され、新刊を加え、改訂を繰り返しながら、現在まで世界で読み継がれている学習まんがです。シリーズ全巻で266冊(2019年9月時点)あまりあります。いずれも、小学生の男の子と女の子が主人公となり、子どもが共感しやすいストーリーが展開すること、科学の知識や考え方を、図解や写真を使ってわかりやすく伝えていることが特徴です。
たとえば『まいにちの科学』は、「いなくなった猫を探す」という本筋のストーリーの中で、自動販売機が硬貨を識別するしくみや、嗅覚という感覚の特徴、電子レンジや掃除機のしくみ、スナック菓子の袋がパンパンになっている理由など、身の回りにあるたくさんの謎を解き明かしていきます。
日本にもすぐれた学習まんががたくさんありますが、『Why?』シリーズはより「情報量が多い」印象があります。日本のものなら、もう少し取り上げるトピックを絞り込み、子どもによりていねいに解説する編集方針を取るかもしれません。トピックによっては、一度で完全に理解するのは大人でも難しい内容も入っています。
一度で理解できなくてもかまわない。繰り返し読むことで興味の入口へ
しかし、このシリーズは「なんとなくわかる」「わからなければ読み飛ばす」という読み方でかまわないのだと思います。ふとした拍子に、まんがに出てきた図解が頭に浮かんで「あれはこういうことだったのかな」と思い返したり、もっと大人向けの本をひもとくきっかけとなったり……そういう性格のシリーズだからこそ、国境を超えて子どもにも大人にも受け入れられ、息の長いロングセラーとなっているのかもしれません。
メインターゲットは小学生ですが、対象年齢や学年はあえて設定していません。
児童書に携わっていると、子どもにこそ「子どもだまし」が通用しないと感じることがあります。情報をわかりやすく提供することは大切ですが、内容をあえて「子ども向き」にしすぎず、原理や原則、モノの「本質」について正面から描いた本こそ、繰り返し読まれ、子どもたちの興味・関心をはぐくむのではないでしょうか。
「なぜ?」にこそ科学のエッセンスがある
大人が当たり前と思っていることについて、子どもに「なぜ?どうして?」と聞かれて困った経験のある保護者のかたは多いと思います。『Why?』シリーズはまさにそんな疑問に答えるシリーズであり、その「なぜ?」の中にこそ科学のエッセンスが含まれているのではないでしょうか。 このシリーズが、「なぜ?」をめぐり、ご家族の間でたくさんのコミュニケーションが生まれるきっかけになれたらと願っています。
***プロフィール***
井澤豊一郎
株式会社世界文化社 執行役員
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***書籍紹介***
好奇心を刺激し、考える力がぐんぐん育つ!
「世界で一番信頼されている科学まんが」、日本上陸!
「Why?シリーズ」とは、韓国で累計実売7600万部を突破し、韓国出版業界の記録を大きく塗り替えた科学まんがです。「なぜ?に答える科学まんが」の通り、科学の知識がオールカラーで詳しく解説されていています。現在までに全6巻を刊行。小学生の男の子や女の子が、冒険や日常生活の中で発見する事象・仕組みを、科学を通して理解するというわくわくするようなストーリーです。楽しく読み進めて自然に科学の知識が身につく、子どもが自分で考える力を育てるきっかけになる、中学校以降の科学の予習に効く、さらには子どもと一緒に大人もためになる、高度な知識がたくさん載っています。
「Why?シリーズ」は楽しく学びたい子ども、楽しく学んでほしい親の双方から支持を受けています。学習まんが、科学まんがはたくさん出版されていますが、親子でためになる&小学生だけでなく何歳になっても読み返したくなるような凝縮された知識が入っているのは「Why?シリーズ」ならでは。皆さんも「Why?シリーズ」を読んで日常の科学を探してみませんか?