「体育の日」から「スポーツの日」に

「体育の日」が2020年から「スポーツの日」になります。体育をより広い意味で捉えようと、祝日に関する法律が改正されたことによるものです。軽く体を動かすことや試合を見ることも含めて、スポーツを文化としてとらえようという機運が高まっています。

「学校の体育」から、より広い意味へ

国民の祝日は法律によって定められていますが、先日、「体育の日」の名称を「スポーツの日」に改める法律が施行されました。その趣旨は、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」ことです。スポーツを通じて世界各国と協調していく観点から、学校教育としてのイメージの強い「体育」の言葉を用いないことを理由に改正されたのです。

そもそも「スポーツ」の語源は、ラテン語の「deportare」(デポルターレ)という言葉だと言われています。「運ぶ」という意味から「気分転換」という意味が発生し、日々の生活から離れた遊びや楽しみ、休養を指すようになったと言われています。
この語源の原点に立ち返り、スポーツ庁は「人生を楽しく、健康的で生き生きとしたものにするために、誰もが自由に身体を動かし、自由に観戦し、楽しめるものであるべき」としています。2017年からの「第2期スポーツ基本計画」では、スポーツを「する」「みる」「ささえる」といった観点から、スポーツに関わる人口を増やす方向性が示されています。

人生100年時代の資質・能力として

新学習指導要領の「体育」でも、体を動かすだけでなく、運動やスポーツとの多様な関わり方を重視する観点から、体力や技能の程度、年齢や性別、障害の有無等にかかわらず、運動やスポーツの多様な楽しみ方を共有することができるよう、指導内容の充実が図られました。
学校の体育は、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成することを目標としています。教科の名前こそ「体育」ですが、内容は既に「スポーツ」に近づいてきているのです。

東京五輪・パラリンピック大会(東京オリパラ)のある2020年に限り、さらに特別の法律により、祝日の変更が行われます。オリンピック開催を円滑にする理由から「スポーツの日」は7月24日に移動となります。「海の日」も7月23日に、「山の日」は8月10日に移動することが決定しています。来年は連休が増えることになり、家族や友達とスポーツに触れる時間も増えるのではないでしょうか。
9月20日からは、ラグビーワールドカップ2019日本大会が始まります。さまざまなスポーツに関心を持ち、見ることも含めて楽しむ、人生100年時代にふさわしいスポーツとの関係を考える機会になりそうです。

(筆者:長尾康子)

※ 内閣府 「国民の祝日」について
https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html

※ スポーツ庁 スポーツ庁が考える「スポーツ」とは?Deportareの意味すること
https://sports.go.jp/special/policy/meaning-of-sport-and-deportare.html

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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