「eスポーツ」って何だろう?

世界中で人気が高まっている「eスポーツ」をご存じでしょうか。
対戦型ゲームの技を競うことで、日本でも今後、人気が高まることが予想されます。仲間と一緒に同じ目標に向かってがんばる精神を学ぶ機会として、また、ICT(情報通信技術)教育のきっかけにしたいと期待する声もあります。

アジア競技大会でも正式採用へ

eスポーツとはエレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略です。複数の人と対戦して楽しむコンピューターゲームをスポーツ競技として捉えて、そう呼びます。
世界では「単なるゲーム大会」ではなく、サッカーや野球などと同じくスポーツと認められていて、視聴者数は世界で4億人を超えると言われています。欧州や米国ではアリーナを会場にした国際的なeスポーツ大会も開かれており、プロのeスポーツプレイヤ—が獲得する優勝賞金は億単位になっています。

昨年、インドネシア・ジャカルタで行われたアジア競技大会で、eスポーツはデモンストレーション種目として採用されました。そこでサッカーゲーム「ウイニングイレブン2018」で日本代表が金メダルを獲得したことから、日本でも一気にeスポーツへの注目が高まってきました。次回2022年のアジア競技大会(中国・杭州)では、正式種目として採用される予定です。
昨年開かれた「第1回全国高校eスポーツ選手権」では、全国から153校が参加。決勝大会は千葉の幕張メッセで開かれました。2019年も高校生向けの大会が増える予定です。また、秋に開催される「いきいき茨城ゆめ国体」では、「都道府県対抗eスポーツ選手権」が開催されることが決定。小学生も参加できる種目も設定されました。今年はeスポーツが確実に盛り上がりを見せそうです。

チームワークや達成感も学ぶ場として

eスポーツに親しみを感じているのは、主に10~20代の若者です。生まれた時からコンピューターやゲームが身近にあり、他のスポーツと同じようにゲームを楽しんできた世代です。
チーム型の対戦スタイルから、▽思考力が鍛えられる▽仲間と一緒に同じ目標に向かって創意工夫する▽チームワークや協調性が高まる……など、他のスポーツと同じように部活動として取り組む高校も出てきています。

また、eスポーツは年齢や性別などの差がなく、ゲームという同じ土俵で戦えるのも特徴です。世界のプロ選手の中には障害のある選手もいますし、国際大会の優勝者が女性であることも珍しくありません。その意味では、より多くの人が参加できる多様性のあるスポーツとも言えるのです。
eスポーツに親しむことにより、競技種目となったゲームを「作る側」の発想にも触れることができます。プログラミング教育が小学校から導入されるのに伴い、eスポーツを入口にしてICT人材育成の原動力になるのでは、と期待する声もあります。

40~50代の保護者は、子ども時代に家庭用ゲーム機に熱中し、子どもを持ってからもゲームを共に楽しんできた世代です。ゲームをスポーツと捉えることに肯定的な人も多いはず。そうした背景からも、eスポーツがこれから日本で盛り上がっていくことが予想されます。単なるゲーム大会ではなく、達成感やチームワーク、多様性を実感できる活動として、またICT教育の入口としても、eスポーツへの親近感は高まりそうです。

※共催者プレスリリース
http://info.twave.co.jp/news/index.html

(筆者:長尾康子)

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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