子育てしながら収入を得る方法 無理なく働けるパターンを考えてみよう

2019年10月から、安倍政権が提唱する「人づくり革命」の一環として、幼児教育・保育の無償化が実施されます。3歳児からは、対象幼保施設のほかに預かり保育も上限まで無償になります。これにより、ワーキングマザーは長時間子どもを預けやすくなるでしょう。

しかし、子育てしながら働くことは大変です。第1子や第2子の出産や子育てをキッカケに仕事をやめるケースは少なくありません。そこで、今回は、子育てをしながら無理なく働けるいろいろなパターンを見てみましょう。

あなたに合った働き方はどれ?

下図は、働く時間の長短に応じて、(1)フルタイムで働く(2)時短勤務や週2~3回で働く(3)フリーランスや自宅で働く(4)専業主婦の4パターンにわけたものです。

(1)は、1日8時間のフルタイムの働き方です。総務省統計局の夫婦共働きの1か月の 平均給与を見ると、世帯主収入478,262円、配偶者147,137円です(出典:最後尾)。フルタイム勤務のかたはもっと多いかたもいらっしゃるでしょう。この働き方は、定年まで勤務して責任ある仕事をすることができます。
経験を積みながら専門知識を高めたり、管理職についたりすることも可能です。そのためには、仕事と子育ての両立は必須です。保育園、幼稚園や預かり保育などを利用して、子育てや家事をサポートしてもらう体制づくりは欠かせません。

(2)は、勤務時間を短縮したり、週2~3回で働いたりする方法です。フルタイムに比べて収入は少なかったり、会社によっては非正規雇用になるかもしれません。しかし、時間に融通がきくので、仕事の合間を見て、まとめて食事を作るなどの家事をすることができます。仕事をしながら、余裕を持って子育てができるパターンです。

(3)は、自由な仕事スタイルです。自分で仕事内容を決められるので、子どもの成長に合わせて仕事量を調節することができます。しかし、自分で仕事を見つける大変さや収入の格差があるのもこのスタイルです。保育園や幼稚園などを上手に利用しながら、子育てや家事を自分でやることができます。

最近は、(1)~(3)の働き方に関わらず、ノートパソコンやタブレット、スマホといったモバイル端末をつかって、勤務地を固定せずに仕事をするリモートワークや、チャット、スカイプ、Slackなどのアプリを導入する企業が多くなっています。
また、サテライトオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースを活用するなど、ライフスタイルに合わせた働き方も多様化しており、労働環境を整える企業も増えています。これから働きたいと思っているかたは、ご自分の働き方や働きたい会社の取り組みをチェックするとよいでしょう。

(4)は、子どもと一緒に過ごすことができるので、子ども中心の生活ができます。時間のやりくりに追われる必要がありません。しかし、子どもの手がかからなくなり子育てが一段落したら自分の人生に戻れるように、時間にゆとりがある間に資格を取得したり、やりがいのある専門分野を見つけてスキルアップを心掛けたりしていると、社会へのリスタートがスムーズです。

上記の(1)~(4)をいったり来たりの場合もあるでしょう。
あなたは、どのパターンですか?

1か月の収支を知っておこう!

キャリアを中断したくない、専門分野を深めたい、社会とつながりを持っていたい、まわりの人がみんな働いているから、保育園の抽選に当たったから……。働く理由や目的はいろいろでしょう。その中でも、「生活のためにお金を稼ぎたい」というかたは多いでしょう。そこで、1か月の収入と支出を知っておきましょう。

(A)は手取り収入を記入しましょう。手取り収入とは、税込み収入から税金(所得税+住民税)や社会保険料(厚生年金保険料+健康保険料+雇用保険料)などを差し引いた金額です。通帳に振り込まれる金額といってよいでしょう。

(B)は仕事をするにあたって子どもにかかる費用を記入しましょう。実際に支払った保育費・幼稚園代・交通費・給食費・洋服代などの経費です。

1か月の収支(A-B)はいくらでしたか?
お金を稼ぐ目的にもかかわらず収支がマイナスであれば、プラスにする対策を考えましょう。

ワーク・ライフ・バランスを考える

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と子育て(or家庭)のバランスのことです。子育ては本当に大変です。仕事もストレスがたまります。ですから、いかにストレスを軽減させるかを考えましょう。

たとえば、多様な働き方ができる会社を選ぶ、育児休業を最大期間まで取る、自治体の子育て支援制度を利用する、夫や周りの人の協力を得る、心身のリフレッシュの方法を知る…など、あなたが毎日を健全に過ごす方法を工夫しましょう。

人生100年時代です。最近は65歳以上も働ける制度が整いつつあります。
今後は、これまで以上に働く期間は長くなるでしょう。一方、子育ての期間はつかのまです。どうぞ長期的な展望で、あなたのワーク・ライフ・バランスを考えながら、子育ての期間を明るく楽しく過ごしてください。

出典:総務省統計局、家計調査、2018年第3-11表。妻の就業状態、世帯類型別、1世帯あたり1ヵ月の収入と支出、勤労(60歳未満)、有業者夫婦のみ
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1

(筆者:山本節子)

プロフィール


山本節子

専業主婦の時代、15回の不動産売買の経験をキッカケに、FPや日本証券アナリスト検定会員補の資格を取得。現在は買い手の立場に立った相談業務、セミナー講師、雑誌や書籍の執筆などを行う。(株)リスタート代表。

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