子どもにもわかる「持続可能性」 3年ぶりに子ども環境白書

生物多様性、循環型社会、持続可能性、SDGs……。最近よく使われる言葉ですが「どういうことか説明して」と言われると難しいものです。 環境省がこのほど作成した「こども環境白書」は、そうしたキーワードを分かりやすく解説しています。地球にやさしい暮らしを考えるために、親子で使える読み物となっています。

3年ぶりに環境白書の《子ども版》

「こども環境白書」は、昨年6月に閣議決定された2018年版の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を普及啓発するために、環境省が作成しています。今回は3年ぶりに発行されました。第5次環境基本計画が提唱する、ライフスタイルの転換に向けた取り組みや地域資源を活かした取り組みなどを、小学校高学年以上の子どもに伝えるため、イラストや写真を多用して解説しています。

環境問題にまつわる言葉は、大人でも難しく感じることが多いものですが、こども環境白書ではわかりやすく言い換えています。たとえば「環境」は、「空気、水、生き物、天気や気候(中略)わたしたちの周りにあるもの、すべて」としています。 「『持続可能である』とは?」と題したコラムでは、「現在のわたしたちだけでなく未来の人たちも豊かに暮らすことができる状態」としています。流しそうめんを食べる人を親・子・孫の世代に例え、それぞれが次の人(世代)のことを考えながら食べれば、持続可能性が高まる……と、ユニークなイラストで解説を加えています。

自分で考え、答えを見つける学びの参考に

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書では、「所有から共有へ」というシェアリング・エコノミーなどのライフスタイルの転換を盛り込みました。こども環境白書でも「暮らしの考え方をちょっと変える」例として、同じく自転車シェアリングの事例を紹介しています。再生可能エネルギー活用や食品ロス削減など、今話題の環境問題のトピックスもあります。

これまでのこども環境白書は、どちらかといえば、ごみを減らす、生物を大切にする、エアコンの使い方を工夫する、など行動や取り組みを呼び掛ける構成が多かったのですが、今回は「ライフスタイルの転換」といった大きな視点を示した上で、地域の実践を紹介し、子どもたちにもリサイクルやごみ削減など、環境にやさしい行動を、それぞれ考えてもらう構成になっています。

巻頭と巻末には、教師・保護者向けに、学校や家庭で環境保全に取り組む際の視点、ESD(Education for Sustainable Development 持続可能な開発のための教育)を紹介。「気づく・調べる・考える・実行する」のステップを示しました。
答えが一つではない問題に対して、思考力や判断力、表現力を働かせ、答えを見つけていくことが求められる、これからの教育。今回のこども環境白書の構成そのものが、そうした学び方の潮流を表していると言えるでしょう。

こども環境白書は現在、環境省のホームページで公開中です。これまでに発行された2001年版からのバックナンバーも閲覧できます。

(筆者:長尾康子)

※環境省 こども環境白書
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo.html

※環境省 平成30年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/index.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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