スマホ対策、小学生からでいいの?

スマートフォンが急速に普及する中、就学前の子どもがネットに触れる機会も増え、それとともに有害情報に接するリスクも高まっています。家庭でルールを決め、ネットに没頭しすぎない環境を作ることは、幼児期から始めても早くはありません。

幼児のネット利用は動画視聴が中心

「子どもが自分でスマートフォンなどを持つのは、小学校に上がってから」と考えている保護者は多いと思います。
しかし内閣府が行った調査 によると、低年齢層の子どもでもインターネットを利用しています。0歳児で3.1%、1歳児9.1%、2歳児28.2%、3歳児35.8%、4歳児は39.7%、5歳児は36.8%と、年齢が上がるにつれて上昇しています。

利用目的は動画視聴(85.4%)が圧倒的に多く、次いでゲーム(65.8%)となっています。ネットを使うことによる保護者の悩みは「注意してもインターネットをやめない」(24.2%)が最多でした。つまり、いつまでも動画を見てしまう、ということでしょう。確かに、忙しくてちょっと手が離せないときにスマホで動画を見ていてくれると家事や仕事がはかどるから、つい……というケースもあると思います。

有害情報をブロックする対策を

ネットがテレビと異なるのは、意図せず暴力・性的・犯罪などの不適切な情報に触れやすいことでしょう。動画視聴アプリに必要なアカウントを作成する際は年齢制限があるため、子ども自身では作れません。すると保護者のアカウントで登録したアプリで動画を見ることになります。 大人は表示された動画を見る・見ないの判断が自分でできますが、子どもにはそれができません。また、至近距離でスマホの液晶画面を見ると、目の疲れや不眠の原因ともいわれる青い光「ブルーライト」を浴びることになり、健康面での心配もあります。

内閣府は1月に初めて乳幼児期の子どもがいる家庭向けのリーフレットを作成しました。スマホを安全に使う設定方法や家庭でのルールづくりのポイントをQ&A方式で紹介しています。
リーフレットは、幼児のスマホ利用を禁止するのではなく「小さなうちに、安全で上手な使い方や習慣づくり」をすることが重要だと提言し、▽親子で楽しめるアプリを活用する▽外出先では折り紙やお絵かきなどの道具も準備する▽寝る前は光の強い動画を避け、絵本を読むなどして眠りに入りやすくする……などのアイデアを提案しています。
保護者が取るべき対策として、▽視聴時間の約束を決める▽有害情報をブロックするフィルタリングを活用する▽ゲームやアプリの年齢区分を確認する……ということも有益だとしています。子どもに契約が切れた「お古」の端末を使わせるときは、大人が使っていたアプリは削除し、フィルタリング設定をするよう注意を促しています。

困ったときの相談窓口や参考になるリンクは、QRコードで巻末に掲載されています。ここにアクセスして情報を得ることさえネットからという、もはやスマホなしには私たちの生活は成り立たない状況なわけですが、不可欠なツールだからこそ、より快適に・安全な活用を目指して、低年齢時代から周囲の大人が対策を取っていくべきでしょう。

(筆者:長尾康子)

※内閣府 低年齢層の子供の保護者向け普及啓発リーフレット「スマホ時代の子育て~悩める保護者のためのQ&A~」
https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_use/leaflet.html

※内閣府 低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_child.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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