高校生の留学チャンス、大幅に増える!

 海外の大学では新学期が始まり、留学に興味を持つ高校生もいることでしょう。文部科学省の留学促進キャンペーンは来年度、高校生の募集人数を大幅に増やし、支援を充実させます。しかし高校教師を対象にした意識調査では、情報や指導ノウハウ不足に悩んでいる現状も明らかになっています。留学を実現させるには、生徒自身やご家庭でも積極的な情報収集が必要です。

奨学金が支給される「トビタテ!留学JAPAN」

 グローバル人材の育成が課題となっている日本。国は、2020年度までに日本人高校生の海外留学生数を6万人にする目標を立てています。その達成に向けて、文部科学省が民間企業から寄付を募り、留学を希望する高校生と大学生に奨学金を支給するプログラムが「トビタテ!留学JAPAN」です。
 支給される奨学金は、コースや留学期間、家計状況により変わりますが、返済不要なのが大きなメリットです。例えば、高校生に身近な海外語学研修や異文化交流を行う「アカデミック テイクオフ(14日以上21日以下)」でアジアの語学学校に短期留学する場合、授業料・現地活動費・往復渡航費として14万4,000円、または24万円(家計状況による)が支給されます。
 高校生は応募のチャンスは年に1回で、学校を通して申請します。2019年7月1日から2020年3月31日までの「第5期」の申込は、10月1日からスタートしています。締め切りは新高校2・3年生が2019年1月末、来春高校に入学予定の新1年生が4月となる点に注意が必要です。

お任せツアーとは違い、自分から動く必要

「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金を得るには、生徒自身が留学計画を立て、現地校のプログラム内容や留学を将来にどう生かすか、自己PRなどを申請書に記入する必要があります。海外パッケージツアーのように「お任せ」では審査は通りそうにありません。
 また、このプログラムは高校を通して応募する必要があるため、高校の先生方の生徒への支援は欠かせません。ところが「トビタテ!留学JAPAN」が今年5月に実施した調査では、高校の先生方が生徒の留学サポートに課題を感じていることが明らかになりました。「指導ノウハウの不足」(52.8%)、「情報不足」(50.4%)、「対応時間がない」(34.6%)などがその理由です。文部科学省は教員向けの留学情報ページを充実させるなどの対応を取っていますが、情報不足が高校生留学の足かせになってしまうようでは困ります。

 来年度に留学を考えているなら、生徒本人や保護者が積極的に情報を取りに行くことが必要になるでしょう。そこでお勧めしたいのが「留学フェア」などの説明会に足を運んでみることです。「トビタテ!留学JAPAN」の募集説明会の他、教育委員会主催のもの、民間企業や大使館が主催するものなどが、10月から11月にかけて多数開催されます。会場では留学経験者や海外大学のスタッフとも直接話すことができます。

 「分からないことは恥ずかしがらず積極的に質問する」のは、海外で学ぶ際には必要な態度です。留学の「雰囲気」を味わいつつ、必要な情報を得てみるのはどうでしょうか。

(筆者:長尾康子)

※トビタテ!留学JAPAN 高校生コース
https://www.tobitate.mext.go.jp/news/detail.html?id=75

※平成31年度官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム【高校生コース】~の募集及び支援企業・団体について
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/tobitate/1409699.htm

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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