「富士山」「桜」だけではない、海外のかたから見た日本の魅力とは?
JNTO(日本政府観光局)では、訪日外客数など観光に関するデータをWeb上で公開しました。
(https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/)
公開されたデータは、日本を訪れる外国人旅行者の数はどのくらいなのか?(訪日外客数)、外国人旅行者が訪れるのは日本のどの地域なのか?(都道府県訪問率・都道府県延べ宿泊者数)、外国人旅行者は日本で何を買っているのか?(旅行消費額)、海外を訪れる日本人旅行者の数はどのくらいなのか?(日本における海外旅行)の4つです。公開された調査からは、外国人のかたが日本にどんな魅力を感じているのか、どんなものを求めているのかもわかります。実例を挙げながらご紹介します。
月別の訪日外客数の推移を見ると、1年間の中でもっとも多いのが7月、次いで4月、10月ということがわかります(2017年の場合)。
7月は日本の訪日外客において多数を占める東アジアで夏休みがあるため増えることが考えられます。4月と10月は見頃を迎える桜・紅葉を楽しむために多くのかたが日本を訪れています。
日本の魅力というと桜、富士山……という既存のイメージがまだまだありますが、外国人観光客にとっては、日本食やカルチャーなどの新しい魅力も認知されつつあります。
とくに、訪日のリーピーター率が高い東南アジアのかたに向けては、一般的な日本の情報はすでに知られているため、新しい提案が求められています。
一方で、まだ日本に来たことのない欧米豪のかたに向けては、日本の魅力を海外のかたに知ってもらうために、JNTOでも「Enjoy my Japan(エンジョイ・マイ・ジャパン)」というキャンペーンを行っています。これは桜や富士山だけにとどまらない、多様な魅力があることを知ってもらうためのキャンペーンで、一見すると日本のイメージがないビーチリゾートや大都市のエンターテイメント、豊かな自然やアウトドアアクティビティなど、日本の多様な魅力を押し出しています。
観光地だけでなく、日本全国津々浦々にインバウンドの波が来る!?
現在では徐々にではありますが、日本のさまざまな場所に外国人観光客が訪れるようになってきたため、地方自治体と連携し、外国人を受け入れるための環境づくりも行っています。
また、インターネットの発達で個人旅行をする人の割合が増えたこともあり、海外からの旅行者に道を尋ねられたり、電車の乗り換えについて聞かれたりするような場面も増えることでしょう。
さらに、観光地だけではなく、美容室や病院など、今までは訪日外客とはあまり接点がなかった業種でも、インバウンド需要に注目をするようになってきました。
「グローバル化」というと、海外に日本人が行くことばかりに意識が向きがちですが、日本にいながらにしても海外のかたと接点をもつ機会はこれからますます増えていきそうです。世界の多様な人々と接するためには、語学の面だけにとどまらない相互理解とコミュニケーションが求められることになるでしょう。
このデータは、一般のかたもサイトからダウンロードをして利用することができるため、ぜひ自由研究や調べ学習、レポートにも活用できるといいですね。
取材協力:JNTO(日本政府観光局)