そろそろ家計半期決算を~貯蓄は計画どおりですか?~
新学期が始まりました。夏休みならではの体験を経て、お子さんの成長を実感している保護者も多いことでしょう。
イベントへの参加や帰省の際、つい財布のひもを緩めた方も、また多いと思われます。その支出は納得できるものだったとしても、子どもの未来に向けての預貯金計画にマイナスの影響があっては困ります。今年の貯蓄計画が順調かどうか、年度の半分が過ぎるこの時期に振り返り、計画どおりに貯められるようにしていきましょう。
夏休みの支出は多くなりがち
夏休みならではの大きな支出は、特別支出という別枠で用意することもあります。
保護者の実家が遠方で、夏休みや年末年始に帰省する場合、その月だけのイベントになりますから、その他の月の通常の支出とは別枠とする方がやりくりがしやすいと考えるからです。特別支出はボーナスを原資とすることもありますし、毎月の収入から少しずつ取り分けて貯めていることもあります。
家族旅行の支出は、年度初めに立てた予算に対して、「せっかくだから」「ここでしか手に入らないから」と少しずつ増えたご家庭があったかもしれません。
塾の夏期講習代や習い事の合宿代、学童保育のイベント代がかかった家庭もあるでしょう。
また、大きなイベントではなく、小さなイベントの積み重ねで支出が多くなることもあります。
たとえば、猛暑続きで近所のプールに行く回数が増え、熱中症予防のための飲み物が、持たせた水筒だけでは足りずに、行くたびにコンビニで買ったなどです。
いずれにしても、年末年始を除く他の月よりも、特別な支出は多くなったと思われます。
食費や電気代も高くなる
食費や水道光熱費など、日常的な支出もかさみます。
子どもが自宅にいれば、しっかり昼食を用意することになります。日頃、保護者が昼食を自宅でとっている場合、残り物で済ますことは多いものですが、子どもと二人分が残っているとは限りませんし、育ち盛りの子どものために、ある程度手をかけた料理を出してやりたいという親心もあるでしょう。
保護者が家の外で仕事をしていて、忙しくて弁当を作ってやれないため、子どもにお店で買わせて、それなりの金額になったということも。
居間のエアコンだけでなく、子ども部屋のエアコンも使うことで電気料金が高くなったり、洗濯物が増えて水道代が高くなったりします。
水道光熱費は使用した1~2か月後の請求になるため、使用しているときには気付きにくい出費かもしれません。
年間の貯蓄計画は変更しない
夏の思わぬ出費の穴埋めをするために、貯蓄する予定の金額を減らすことは避けるようにしましょう。
子どもの大学進学費用として18年間で500万円を貯めようとすると、貯蓄額は次のようになります。
子どもが二人なら、2倍の約4万6,300円が1か月あたりの貯蓄額です。
貯蓄計画を子どもの学校にあわせて「年度」で作成している場合、4~9月に27万7,800円(=4万6,300円×6か月)貯められたでしょうか。
夏休み中に多くなった支出を補ったために、8月分の貯蓄が全くできていなかったら、その分を10月~来年3月に振り分けます。
4万6,300円÷6か月≒7,720円
当初計画の、毎月4万6,300円に7,720円を足した、5万4,020円を貯蓄すれば、今年度の貯蓄計画は達成できることになります。
8千円近くの増額は簡単ではないかもしれません。けれど、この先、毎年8月に貯蓄できない年が10年間あるとすると、目標額に46万円(≒4万6,300円×10年)以上も足りないことになってしまいます。
46万円を一度に用意するのは難しいことです。毎月の8千円も楽ではありませんが、46万円よりは小さな努力で貯められるはず。
新学期を迎えた今は、年度の半分にあたります。今年度の貯蓄計画がどれくらい実行できているかを確かめて、うまくいっていれば良し、そうでなければ残りの半年で計画が達成できるように計画を見直してみてください。
(筆者:菅原直子)