「スマホ育児」は大丈夫? これでチェック!

スマートフォン(スマホ)の急速な普及により、スマホを幼児に使わせる「スマホ育児」をしている保護者も多いと思います。子どもへの影響が心配だけど、自由になる時間が作れるためスマホ育児をやめられない……という保護者も少なくないのではないでしょうか。
こんな保護者のために、ネット関連業者と学識者などでつくる「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」は、幼児にスマホをどう使わせたらよいのかを診断する保護者向け「セルフチェックリスト」を作成しました。

保護者の半数以上が悪影響を懸念

同会の調査によると、未就学児(0~6歳)を持つ保護者のうち、スマホやゲーム機、タブレットなどを子どもに使わせた経験があるのは、0歳で21.8%、1歳で41.8%、2歳が56%、3歳が60.3%、4歳と5歳がともに62.5%、6歳が74.2%となっており、3歳以上の子どもの保護者の6割以上がスマホ育児をしています。使う理由は「子どもの機嫌が良くなる(喜ぶ)」が53.7%、「保護者の手を離れる時間ができる」が40.4%で、実際問題としてスマホは現在の保護者たちにとって、育児に欠かせない道具となっていることがうかがえます。

一方で、子どもがスマホ等を使うことについて保護者が知りたいことを聞いたところ(複数回答)、「視力や脳、運動能力や心理発達への悪影響の有無」を挙げた保護者が54.7%、「睡眠時間や睡眠の時間帯と、健康や成長の関係」が46.9%と、子どもへの影響に関心を持つ保護者も少なくありません。

スマホとすっぱり縁を切る……というのも方法の一つですが、現在の高度情報化社会においては、あまり現実的ではありません。このため同会は、スマホなどの情報機器が子どもに与える影響などを調べた内外の研究報告や調査結果などを分析して、保護者が「越えてはいけない一線」を具体的に示したチェックリストを作成しました。

「越えてはいけない一線」を自己診断

チェックリストは、「機器利用の時間や場面」「情報の内容と保護者の関わり方」「機器の与え方」「保護者自身の知識や使い方」の4領域で構成され、合計16問の質問に回答するだけで、現在の「スマホ育児」が適切かどうかを自己診断できるようになっています。

たとえば、機器利用の時間と場面については、「ベッドや布団に入る1時間前には利用を終わらせ、『夜ふかし』や『寝不足』にならないようにしている」「利用時間は、1日に合計で1時間以内にするよう気を付けている」という診断項目があります。これは、未就学児のスマホの利用は1日に合計1時間以内が好ましく、夜遅くまでスマホを使っていると睡眠障害や生活習慣病につながる恐れがある……という研究成果を反映したものです。

また、セルフチェックリストの各質問項目に対応した解説シートが付いており、これを読むことで、子どもとスマホの関係をどうすればよいのかを学ぶこともできるようになっています。

保護者が正しい知識を持つことで、子どもとスマホの正しい関係を保つことができるでしょう。一度、セルフチェックリストを活用して自分の「スマホ育児」が適切かどうかを自己診断してみてはいかがでしょうか。

※国内外の学術研究の文献調査結果や、保護者向けセルフチェックリストを公開
http://www.child-safenet.jp/activity/2757/

※未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査結果
http://www.child-safenet.jp/activity/2664/

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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