<第6回>「書ける」子どもを育む、赤ペン先生の添削指導。【PR】
進研ゼミ赤ペン指導サービス責任者
栗原 幹
2020年の大学入試改革から、センター試験に代わる大学入学希望者学力評価テスト(仮称)が導入され、「思考力・判断力・表現力」をはかる記述問題が取り入れられる見込みです。また、各大学の個別試験においても、小論文やレポート提出など記述したものを評価する試験が増える傾向にあります。ただ、記述力の重要性が高まっている一方、書くことが苦手な子どもが多くいます。進研ゼミの「赤ペン先生」は40年以上にわたり子どもの記述と向き合ってきました。その経験から培われた記述力の育み方と、今後入試で増えていく記述への対応について、赤ペン指導サービス責任者の栗原幹がお話しします。
●「伝えたい」気持ちを受け止め、「書きたい」意欲につなげる
記述力を育むには、とにかく書くこと。そして、書いたものを誰かに評価してもらうことが大切です。子どもたちは心の内に「伝えたい思い」をたくさんもっています。それを赤ペン先生に受け止めてもらうことで、「また書いてみようかな」という気持ちになり、これを繰り返すことで記述力が身についていくのです。
赤ペン先生は答案を添削する際、できていた点やついている力をほめることで次回も取り組む意欲を高めてくれます。以前、答案を白紙で提出してきた子どもがいましたが、赤ペン先生は答案を提出してくれたこと自体が「やる気の表れ」だと受け止め、「提出するという行為が大事だよ。次も待っているからね」とほめたのです。その子は3カ月くらい白紙での提出が続いたのですが、赤ペン先生の思いが通じたのか、あるときから解答を書いて送ってくれるようになりました。
自分が書いたものを提出するというのは、思っている以上にハードルが高いもの。本心をいえば、誰だって自分の文章を評価されたくない。それでも書いて提出してくれた。まずはその行動をほめたいですし、おうちの方にもぜひほめてほしいですね。
●一人ひとりを見つめた指導で、意欲を落とさず技術を高める
もちろん、書く意欲だけあっても記述力は育まれません。正しく伝えるための技術も必要です。それには自分の文章を読み返し、適切な表現をしているか、考えが正しく伝わっているかなどを評価することが大事です。しかし、自分ではなかなか気づけなかったり、どう直せばいいのかわからなかったりするもの。そこで、赤ペン先生からの指導が必要になるのですが、「これが正しいから、次はこう書いてね」と機械的に添削すると子どもは自分の文章を否定されたと感じ、書く意欲を失ってしまいます。意欲を落とさずに正しい技術を伝えるには、その子の性格や学習状況を踏まえて、「●●がすごくいいね。こう書くともっとよくなるよ」などと具体的にほめながら指導することが大切。こうした指導は、答案を通して子どもを見つめてきた、赤ペン先生ならではのノウハウから生み出されてきました。
赤ペン先生は担任制(※)なので、ひとりのお子さんを年間を通して指導します。だから、「この子はいつもここで間違っているな」ということがわかる。正誤判定だけで終わらせず、課題提出のペースや解答のプロセスなどから学習意欲や間違い癖、理解度などの学習状況を継続的にみて、指導に生かせるのです。赤ペン先生の平均指導歴は10年以上。研修を重ね、毎日答案にふれることで添削技術を磨き、経験をためながら日々指導にあたっています。なかには、答案から思考のプロセスを読み取る先生もいて、まさに職人の域。そんな赤ペン指導のポリシーは教材にも生かされており、添削問題はプロセスから思考を読み取れる出題にしたり、英作文では文章の構成や単語のヒントを提示したり、赤ペン指導サービス全体で記述力を上げる体制をとっています。
最近はデジタル教材に正誤判定だけでよい問題を取り入れていますが、思考を伴う記述問題はデジタルでは判定できません。子どもの考えをふまえて指導し、「次はこうすればいいんだ」というところまで導けるのは、やはり人である赤ペン先生だからこそ。一見すると時代と逆行しているかのようなアナログな学びこそ、これからの時代、これからの大学入試にも求められるのではないでしょうか。
そして、「学びに向かう力・人間性」は、まさに進研ゼミ高校講座のメインコンセプト。本講座では、「学びに向かう力」と「自ら進路を切り開く力」を2つの柱にして、夢の実現を応援することを目的としています。冒頭のエピソードともリンクしますが、自学自習をサポートすることで、主体的に学ぶ力を育んでいます。とくに学ぶ意欲というのは目的をもつことで高まるので、学校や進路についての情報をお届けし、志望大学や将来の夢などの目標に向かう力につなげています。また、進研ゼミOB・OGの現役大学生が学習アドバイスや大学の情報提供をしてくれる「先輩チューターサービス」も人気です。大学生のリアルな声は何よりも高校生の心に響き、夢に向かう力になっています。
※担任制は、中一・二の英・数・国のみ。
「赤ペン先生の添削問題」の指導例
●多感な時期を支える、親や友人とも違う「赤ペン先生」という存在
赤ペン先生の添削問題には解答欄のほかに一言書ける欄があり、毎回子どもたちからたくさんの声が寄せられます。ある子どもは定期テストの点数が悪かったので、親にスマートフォンを取り上げられたという話。また、ある子どもは好きな曲の英語の歌詞についての質問。たわいもない話から勉強の相談まで、赤ペン先生はその一つ一つを受け止めて、返事をするようにしています。子どもにとっては、親でも友人でもない、自分から見て斜めの関係の人。だからこそ、気兼ねなく心の内を伝えることができるのかもしれません。自分を見守り、客観的な視点を与えてくれる存在。保護者にとっては多感な時期の我が子を導いてくれる存在。添削指導だけでない、赤ペン先生のもうひとつの価値がここにあります。
そんな赤ペン先生のスピリットを受け継ぎ、昨年度から「赤ペンコーチ」からの学習ナビゲーションをハイブリッドスタイルでスタートしています。学習法に関する質問に、コーチがその子の学習履歴を踏まえて、学習の仕方や学習計画を提案してくれるというサービスです。子どもからの質問に答えるだけでなく、「テストが近いけど、どうかな?」など、コーチのほうからも積極的に声をかけて、学習力の向上や教材の活用につなげたいと考えています。
進研ゼミ中学講座 ハイブリッドスタイル「トークボード」
●赤ペン先生とデジタル学習の両輪で、記述力を上げていく
これからの大学入試で記述力が重視されることもあり、赤ペン先生の添削問題も、文章を読んで読解するだけでなく、自分がどう受け止めて解釈したかといった考えるプロセスが必要な課題を増やしています。難易度が上がり、苦戦している子どももみられますが、みんながんばって取り組んでいます。教材を作る側としても、難しくなることで意欲が下がらないように、作文は最初は子どもの興味があるテーマにしながら表現力をつけさせ、最終的には入試によく出るテーマにも挑戦するなど、やる気を保ちながら力をつけていく工夫をしていきます。
今後は、記述力を効率よく身につけるためにデジタルの力もうまく活用していく予定です。思考が重視される記述問題は赤ペン先生がきめ細やかに添削し、単純に正誤判定できる問題はデジタル教材に任せて学習の効率化をはかるなど、両方のよさを取り入れた学習で記述力を育みます。そして、将来的にはデジタル教材にも赤ペン先生で培った指導ノウハウを取り入れ、より子どもの思考に寄り添った教材・サービスを展開していきたいと考えています。