いまや定番化しつつある小学校のイベントに!「2分の1成人式」とは?
「2分の1成人式」とは、子どもが本来の成人の2分の1にあたる10歳を迎えたことを記念して、昨今小学校で行われているイベントです。保護者世代にはなかったイベントですが、実際にはどのような内容で行われているのでしょうか。アンケートを実施しました。
知っている保護者は約7割、全く知らないという保護者も!
まず、最初に「2分の1成人式」について知っているかどうか、聞きしました。
その結果、7割のかたが「知っている」と回答しました。成人の半分の年齢、10歳を迎えたことを記念する行事として、近年、多くの学校で行われ、すっかり浸透してきたイベントになったようです。小学校が主催するイベントとして浸透していますが、自治体で実施しているという声もわずかですがありました。
「2分の1成人式」の定番の内容は、「合唱」「スピーチ」「手紙」
次に「2分の1成人式」の具体的な内容も聞きました。
最も多かった内容は、「歌」でした。続いて、「スピーチ」「保護者への手紙」がほぼ同数でした。具体的な内容について聞いたところ、次のような声が寄せられました。
●合唱
「クラスのみんなで歌ってくれた『あとひとつ』や『ビリーブ』は、忘れられない思い出になった」
「親子で『世界に一つだけの花』を合唱したことが思い出になった」
●スピーチ
「将来の夢に関するスピーチがあったが、『フォトグラファー』や『ショコラティエ』、『トリマー』『映画監督』など、いろいろ職種名が挙げられ、昔と違って個性があるなと感じました」
「人前で発表するのが苦手な息子が本番でしっかり発表できて、感動しました」
「日頃は言わない感謝の気持ちを伝えてくれたり、将来の夢をスピーチしてくれた。大きな声で堂々と発表していて、子どもの成長に感動した」
●保護者への手紙
「一人ひとり親へのメッセージを読み上げてくれて感動した。他の子たちの手紙も聞けて楽しかった」
「それぞれの親に対して、目の前で手紙を読んでくれて、感謝の気持ちを伝えられたときに涙が出た」
「合唱」だけ、「スピーチ」だけではなく、「合唱とスピーチ」、「スピーチと保護者への手紙」というように複数の企画を実施している学校も多かったようです。
次に参加した保護者に感想を聞いたところ、次のような結果になりました。
「感動した」「楽しかった」と答えたかたが多かったです。「感動した」と答えたかたの具体的なエピソードをご紹介します。
●「スライド上映があり、赤ちゃんの頃、小学校入学、そして現在と、子どもたち一人ひとりの成長過程が流れて『みんな大きくなったな』と感動して涙ぐみました」
●「親から子へ、子から親へと手紙をお互い贈り合うという趣向で、とても感動した。小さい頃の写真を持ち寄ってスライドショーにしたのも成長ぶりを実感できて良かった」
●「子どもから生まれた瞬間のことを聞かれ、改めてゆっくり話すことができて、愛しい存在なんだと再確認できた」
10歳という一つの節目を迎え、親子でこれまでの歩みを振り返る良い機会となっているようで、多くの保護者が「感動した」「楽しかった」と回答していました。
一方、「つまらなかった」という保護者の声をご紹介します。
●子どもたちのスピーチは言わされている感がありすぎ、先生が満足しているだけだった。
●なぜこのようなイベントが始まったのか疑問である。
●この行事自体に何か違和感がある。
お子さまが主体的に自分のこれまでを振り返り、将来について考えるきっかけになるようなイベントになれば良いですが、やらされている感が出てしまうと、興ざめしてしまう保護者も多いようです。
思春期に突入する前に、子どもの本音を聞ける良い機会に
10歳というと思春期の入り口に差しかかり、早いお子さまだと反抗期を迎えるため、保護者とあまり話をしなくなったりすることもあるようです。「2分の1成人式」は、そんなお子さまの本音を聞ける良いチャンスだという声もありました。
●「あまり家では話をしなくなった子どもから、自分なりの考えや気持ちを聞いて、とてもうれしかった」
●「しっかりと自己をもち始めた子どもたちを祝う会として、大変有意義だったと思う」
今回のアンケートでは、将来の夢や保護者への感謝を自分の言葉で表現するお子さまの姿を目の当たりにし、「我が子の成長を実感した」という保護者が目立ちました。親子の感謝の気持ちは、普段それぞれ感じてはいてもなかなか伝えにくいものなので、親子の絆を深める良い機会になっていることがうかがえました。
■調査地域:全国
■調査対象:中学生・高校生のお子さまをおもちのかた
■調査期間:2016年12月12日~2016年12月26日
■調査手法:「Yahoo!クラウドソーシング」におけるWebアンケート
■有効回答数:1,205名