朗読で読解力アップ!登場人物になりきって親子で楽しもう

国語の宿題でもおなじみの「音読」を一歩進化させ、人にわかりやすく伝わるように読むことで読解力を養う「朗読」がいま注目を集めています。
エリアベネッセ青山では、朗読を練習して読解力を身に付け、本好きな子になるよう応援するイベントが行なわれました。今回は、ご家庭で楽しく朗読をしながら、読解力と表現力を身に付けるためのポイントについて朗読家の葉月のりこさんに教えていただきます。

楽しく朗読をするポイントとは?

朗読の題材選びでおすすめなのは童話です。セリフがあったほうが面白いですから、まずはそれで楽しさを感じてもらってから、だんだん難易度が高い他の文の多いものに挑戦するのがいいでしょう。
小学生のお子さまは、学年によって朗読のポイントを参考にしてみてください。

<1~2年生>

小学校低学年では、なにより本に親しみ、声に出して読むことが大切です。声が出るようになったら、親子で登場人物を振り分けて読んだり、ナレーションとセリフを分担して読んだりするのもおすすめです。たとえば親子が登場する物語なら立場を逆転させて、親のセリフを子どもが、子どものセリフを親が読んでみるのも楽しいですよ。

<3~4年生>

朗読の練習をしながら、親子で登場人物の設定を考えてみましょう。何歳くらいでどんな性格なのか、同じ人物でも違った設定を考えると、色々な読み方ができるはずです。ただ声に出して読むだけではなく、文章の意味や登場人物の気持ちを読み解くことで、読解力や表現力が高まります。

<5~6年生>

1~4年生のポイントに加えて、擬音語・擬態語などの効果音を意識したり、実際のセリフと心の中の声の違いを考えて読んでみましょう。実際のセリフが誰か人と話しているのに対して、心の中の声は自分自身に話している内なる声です。もしかすると、反省だったり悔やんだりしていることが多いかもしれません。これは、登場人物の読み解く練習になります。

また、音読の宿題もお子さまにとって身近で朗読にチャレンジできる絶好のチャンスです。まずは音読の宿題から朗読にチャレンジしてみるのもいいでしょう。

保護者のかたは具体的なポイントを褒めて

子どもの朗読を聞いたあとは、ただ「よかった」「うまかった」というだけでなく、「本では繋がっている文章を、この部分で切って読んでいたのでわかりやすかったよ」「リンリンというマツムシの声を聴いていたら情景が浮かんできたよ」など、具体的な感想を言ってあげてください。そうすることで、子どもはちゃんと聴いてくれているんだと安心しますし、相互のコミュニケーションが生まれます。また、昨日よりよくなった点を褒めてあげるのもいいでしょう。
もちろん、お世辞を言うことはありません。直したほうがよいと思うところは、途中で遮らず、最後にアドバイスしてあげてください。その際も、「こうすればもっとよくなるよ」という、具体的でプラスな言葉がけができるといいですね。

音読が声に出して読むだけの一方通行だとしたら、朗読は聞き手がいるコミュニケーション、反応があってこそ面白いものです。保護者のかたも上手に反応を示してあげて、朗読をお子さまの読解力アップに繋げられるといいですね。

プロフィール



朗読家。朗読検定上級検定員。日本朗読検定協会認定教室プチフラージュ代表。朗読家としての活動のほか、朗読公演のプロデュースやコンテストの審査員、読み聞かせボランティア、小学校の講師まで幅広く活動している。

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