江戸の風情が楽しめる年中行事「酉の市」に行ってみよう!

「酉(とり)の市」とは、11月の酉の日(2016年は11月11日と23日)に、各地の鷲(おおとり)・大鳥神社などで行われるお祭りです。日本の伝統行事であり、晩秋の風物詩とされる「酉の市」に、お子さまと出かけてみませんか? 

秋の収穫を祝うお祭り

酉の市の起源は諸説ありますが、現在の東京都足立区花畑町の大鷲(おおとり)神社で、近隣の農民が秋の収穫を祝って神社に鶏を奉納し、その境内で熊手などの農具を売ったのがはじまりとされています。その後、各地の鷲神社でも開運招福、商売繁盛を願う祭りとして「酉の市」が立つようになり、江戸の商人や庶民が詰めかける年中行事となりました。なかでも有名なのが、浅草の「酉の市」です。江戸時代から今日まで続く晩秋の風物詩です。現在では、関東以外でも開催されています。

縁起物の熊手を買おう

「酉の市」では、縁起物の熊手を売る露店が神社の周りにずらりと立ち並びます。熊手は、落ち葉などを「掻(か)き集める」ことから、福運や富を集める道具に見立てられ、縁起物と考えられるようになりました。縁起物の熊手は「飾り熊手」と呼ばれ、おかめや千両箱、大判、小判、宝船、稲穂、鶴亀などで飾られています。なかには1メートル以上もある大きな熊手や、キャラクターのぬいぐるみがついた熊手も。熊手のデザインは露店によって異なりますので、お子さまと境内を一回りして見比べると楽しいでしょう。

お気に入りの熊手が決まったら、お店の人に声をかけましょう。飾り熊手は、客と売り手の交渉で値段が決められます。江戸時代にタイムスリップした気分で、お店の人とのやりとりを楽しむのも、お子さまの良い経験になるのではないでしょうか。商談が成立すれば、威勢のよい掛け声と共に手締め(三本締め)が行われることもあります。お店のかただけでなく、周囲のお客さんも参加するので、ぜひ一緒に参加してみましょう。

ちなみに、飾り熊手は翌年さらなる福を招くように、年々大きなものに変えていくのが良いといわれています。初めて飾り熊手を購入されるというかたは、小さめのものにしておくのが良いかもしれません。また、購入した飾り熊手は、より多くの福を掻き込んでくれることを願い、高く掲げて歩くと良いそうです。自宅に帰ってきたら、玄関や室内の高いところに飾りましょう。

酉の市には、熊手だけでなく、焼きそばやたこ焼き、チョコバナナなどお子さまの好きな露店もたくさん出るので、それらを楽しむのも良いですね。

酉の市が行われる神社の一例

花畑大鷲神社(足立区)
浅草鷲神社(台東区)
長國寺(台東区)
花園神社(新宿区)
須賀神社(新宿区)
目黒大鳥神社(目黒区)
荏原神社(品川区)
雑司が谷大鳥神社(豊島区)
大國魂神社(府中市)
金刀比羅大鷲神社(神奈川県横浜市)
千葉神社(千葉県千葉市)
熊野神社(群馬県前橋市)
大安寺(静岡県浜松市中区)
長福寺(名古屋市中区)

上記以外にも全国各地で「酉の市」が開かれる神社はありますので、ぜひお住まいの近くの神社でも開催されているところがないか調べてみてください。酉の市開催中は、どの神社も混雑が予想されます。お子さまが迷子になったりしないよう、気をつけて楽しんでいただければと思います。

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